4.女王蜂と吸血鬼

夏樹の気づかない間に、いつの間にか朝になっていたようだ。

それもそのはず。

ここは地下である。


日差しが差し込まない状況だと、朝の実感が湧かないのも当然だ。

昨日の疲れが癒えてないのか、呆然とした夏樹の頭にノックの音が響き渡る。


「夏樹さん。おはようございます。起きてますか?」


聞き覚えのある声に、夏樹は返事を返した。


「ああ。おはよう」


「……入っても?」


「問題ない」


声の主の答えを聞く前に、夏樹はベットから跳ね起きた―。

鏡を見つつ、少し身なりを整えて、扉のほうへ向き直る。

控えめな開閉音と共に、声の主が部屋へと足を踏み入れた。


「ど、どうも……」


「――あ、ああ。い、いい天気だな」


昨日の修道服とは打って変わり、真っ白なワンピースのウルスが、夏樹の瞳に映り込む。

日本人離れした整った容姿に、純白な衣服が彼女の髪色をより映えさせた。

そのあまりに綺麗な姿に、夏樹は少し言葉が詰まってしまう。


「――ふふっ。天気なんて見えないでしょう」


「あ、そ、そうだったな……」


夏樹の素っ頓狂な言葉に、クスクスと笑うウルス。

裏なき彼女の笑い顔が、少しからかっているようにも見えた。


「なんでそんな恰好してるんだ?」


「私、これからちょっと用事で地上に出るんです」


地上というのは、おそらくこの地下から出るのであろう。


「その前に挨拶をと思って」


「なるほどな」


「ほんとは夏樹さんも連れて行きたいところですが、まだ危険なのでちょっと……」


「ああ、大丈夫だ」


ウルスの残念がる姿を見て、夏樹は影虚に聞いた言葉を思い出した。


『明日の朝。起きた後で結構です。私のところにきてください。今後の事をお話しましょう』


晴れて聖女機関の一員になった夏樹。

しかし、戦闘要員でないことは予測がついているものの、業務内容を伝えられていない。

今後の事というのは、おそらく業務内容のことだろう。


「気を付けて行ってきてな。昨日みたいに突然襲われる可能性もあるんだろ?」


聖女達シスターズの何人かといくので、よっぽどの事じゃない限りは大丈夫です!」


「そうか」


あの時はウルスが一人。

いや、正確には一人ではないのだが、戦力外の夏樹がいただけである。

彼女と同レベルの強さと考えれば、安心であろう。


「あの……」


歯切れの悪いウルスの言葉に、夏樹は疑問府を浮かべた。

そのまま彼女は下を向いてしまい、指でもじもじしている。


「帰ってきたら、またお話しませんか?」


「…ん、そうだな。俺も話したいと思ってたし」


「――っ!!」


夏樹の返事にウルスは表情を弾ませる。

そして、一言挨拶をすると、そのまま走り去ってしまった。


(…正直まだまだ聞きたい事だらけだしな)


『――ここにいる子はほとんど孤児ばっか。同じような理由でね』


昨日の実里の寂しそうな表情がフラッシュバックを繰り返す。

夏樹は少し唇を噛みしめ、思いを馳せた。


「俺と同じぐらいの子達が……今まで日本を……世界を守ってたんだな」


聖女機関とは秘密組織である。

一般人にはもちろん、警察ぐるみで存在を隠している為、他に漏れる事は一切ない。

その為、夏樹が気づけない事もしょうがないのである――が。


「――くそっ」


今までのうのうと生きてきた自分に嫌悪感が止まらない。

卑屈――。

と言われればそれまでかもしれないが、

どうしても自分の中では納得がいかなかった。


「――準備するか」


今後は彼女達の力になる。

そう自分を信じて、影虚の元へと出向くたびに準備を始めたのだった。





◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



「とはいったものの、どこにいるんだよあの人……」


夏樹はこの教会の広さを甘く見ていた。

野球ドームの地下にあるのだ。

よく考えたら当たり前である。

教会の外部にも何か所か建物があり、それらをすべて見て回るのも骨が折れるだろう。


「広すぎんだろっ!!」


思わず叫んでしまう夏樹。

丁度そこに、ツインテールの聖女が通りかかる。


「あ」


「―――おう、またな」


「ちょちょちょ、待ちなさいよ!」


「んがっ!?」


その華奢な体に見合わないパワーで、首根っこを掴まれた夏樹。

勢いがつきすぎて、危うく首がもげそうになる。


「どこいくのよ!」


「げほっげほっ……どこって、お前には関係ないだろ」


「あんたは私の後輩よ!先輩の私が行動を把握するのは当然でしょ!」


「どんな暴論だ」


彼女は実里の双子。

つまるところ身長も実里と一緒ぐらいである。

首根っこから手を離された夏樹は、あまりの暴論に耳を疑う。


「――なによ」


「………」


何度も言うが、実里の身長は160以下。

夏樹と対面で話すならば、見上げる形になるであろう。

そして静香は彼女の双子。

この場合、差している局部は、身長とは違う場所である。

もちろん夏樹はそんな場所は微塵も見ていない。

ただ、静香の胸に飾られているペンダントが気になっただけであった。


「……っ!!!!」


だが、あまりにペンダントの位置が悪く、静香の顔が一気に赤く腫れあがる。

次の瞬間、夏樹の頬には小さい手からも、力強い張り手が飛んできていた。


「うごぁ!?」


「どこみてんのよ!!この変態!!」


「ご、誤解だっ!!」


地面に平伏しながらも、自身の行動を嘆く夏樹。

静香は胸を体をひねって隠しながら、夏樹へ悪態を吐く。


「昨日の模擬戦で、少しは力になるかと思ったのに…とんだ変態野郎ね!!」


「だから誤解だって……実里にも突っ込まないで頑張ったのに……」


「――実里?ああ、実里とも話したのね」


静香は体を戻し、恥ずかしさを隠すようにコホンと咳払いをした。

そのまま、夏樹を指出して言葉を紡ぐ。


「だったら私が双子だってことも知ってるって事ね」


「……ああ。まぁそんだけ顔が似てればいつかは気づくだろうがな」


髪型が違えど、やはり似ているものは似ている。

髪の色も違うが、一緒にしたら見分けるのは至難の技だ。


(サイゼリアの間違い探しぐらい困難だろうな……)


そんな冗談を夏樹は考えていたが、その言葉を聞いた静香は、途端に目を離す。

そして、夏樹にも聞こえるかわからないぐらいか細い声で


「ーーそんな事言われたって…嬉しくない」


そう呟いた。


「……?」


「で、どこいくのよ。アンタみたいな変態を野晒しにはできないわ」


「ナチュラルに変態呼ばわりされてる……」


先ほどの夏樹の行動を顧みれば、まぁ仕方のないことなのだが……。

事態をややこしくしたく無い夏樹だったが、観念したかのように口を割った。


「影虚さんの所だよ。と言っても、場所がわからないんだけどな」


「聖母の?それなら今の時間帯なら大聖堂にいるんじゃないかしら」


「――大聖堂……か」


教会の最深部にある聖堂。

彼女はそこにいると言う。

夏樹は今だ言ったことない場所だった。


「――しょうがないわね。案内してあげる」


「お、おう。ありがとう…?」


「なんで疑問形なのよ」


先日の出来事。

及び先ほどの発言からして嫌悪感の対象にしかならないと思っていた夏樹。

そのやけに優しい発言に、夏樹は少し疑問を覚えた。


「思わず強く殴りすぎたからお詫びよ。よかったわね。血の加護(ブラッドブレッシング)を飲んでなくて」


「――あの、もしかして俺、命の危機でした?」


加護を受けた聖女の破壊力は抜群であり、壁なども容易に壊す事を想像できる。

もしかしたら夏樹の首は彼方へと吹き飛んでいたのかも……。

と、身震いをしながら、早々に目的地へ向かう静香に着いていくのであった。



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆




「ついたわ」


「……こりゃすげえな」


夏樹の光景には、見たことのない景色が浮かんでいた。


地下世界である事を忘れさせるような尋常じゃない量の日差しが降り注いでおり、

大量のステンドグラスが、それらをより一層神秘的に映しこんでいた。

壁の中央最深部には、巨大な聖母の像がこの教会の象徴を模したように存在しており、

その正面に、昨日と同じ姿の純白の修道服に包まれた、探し人はいたのだった。


「――お待ちしてました」


黒髪を靡かせ、一礼。

その一つ一つの動作が、彼女の優雅さを可視化させる。


「すみません、遅くなりました。ひと悶着ありまして」


「ひと悶着は誰のせいよ」


「あら、静香が連れてきたのですか。ありがとうございます」


静香の姿に少し戸惑いを見せたものの、また笑顔になる影虚。

先日から変わらないその表情に、夏樹は心底関心する。


「では、早速今後のお仕事のお話をしようと思いますが」


「私は…いないほうがいいかしら?」


「いえ、構いません。聖女本人から仕事内容を聞けるのは、説明が早くて助かります」


その場に居合わせることに疑問をなした静香は、影虚に問う。

しかし、許可を得たことにより、軽く息を着き、近くのロングベンチに腰を掛けた。


「まずは私達の敵対組織…吸血鬼ヴァンパイアの集団についてお話しましょう」


「ああ。教えてください」



世界中を渦巻く、行方不明の問題。

そのほとんどの仕業は、奴らが人間を誘拐しているからである。

以前にも聞いたその話は、一般人からすれば馬鹿らしい話だろう。

しかし夏樹はその場に居合わせてしまった。

―知ってしまったのだ。


吸血鬼ヴァンパイアの集団組織。

通称『ヘスティアーマ』。

奴らからすれば、人間は捕食対象でしかない。

人間が豚を、牛を、魚を、虫を殺す。

その行動と同じなわけだ。


ヘスティア―マの行動は日本のみならず、海外にも及んでいる。

正確な組織人数はわからないが、組織体制はある程度は知っているようだ。


『エマーティノス』

ヘスティア―マの中堅的存在。

人数は三人で、すべて姉妹で構成されている。


「三女のとばり、次女のなつめ、そして長女のひびき


なつめって、俺らを襲ったやつの事ですか」


「そうです。聖女達シスターズでも、まともに相手ができるのは限られるでしょう。それだけ厄介な相手です」


「しょっぱなからそんな相手に当たるなんて、不運な男ね」


聞き覚えのある名前に、質問を投げかけた夏樹。

話しを聞く限りだと、ボスレベルの相手だったらしい。

横から聞こえてくる同情心の欠片もない声色の静香に対し、不満げに睨みつけた。


「…まぁ、あんたのおかげでウルスも助かったんだし……そこは感謝してもいいわ」


「もうちょっと素直に言えれば可愛げがあるんだがな」


「うるさいっ!」


「はいはい、話を続けますよ」



そんなエマーティノスを従えている更に上位の存在。

それが『上位吸血鬼ヴァンパイアオーダー』である。


「実際、上位吸血鬼ヴァンパイアオーダーの目撃は数える程度しかありません」


「あんまり姿を現さないんですか?」


「そのようです。まぁよく考えたら至極当然の事でしょう」


エマーティノスにも従えている吸血鬼ヴァンパイアは存在する。

血人けっとと言われる、人間の死体から作る生物だ。

狩りは基本彼らに行わせるが、死体から蘇る彼らは知能が低い。

血人けっとの狩りを妨げるような聖女機関の邪魔があれば、エマーティノスが出撃するということだ。

そうして狩った人間の中でも、特に上質のものは上位吸血鬼ヴァンパイアオーダーに献上される。

その他の人間は、自身達が食したり、眷属に分け与えたり、眷属の生み出しに使ったりと、余すことなく使われる。


「――そりゃ、姿形残るはずがないわな」


無事、行方不明の完成である。

話を聞けば何の陰謀論かと思うが、これ以上ないまでに辻褄は合う。


「しかし、なんか蜂とか蟻の生態みたいですね……」


「あんな可愛げのあるものじゃないわよ」


「っ!――すまん」


軽い冗談のつもりであったが、静香はすぐさま否定した。

その声質に、彼女達の親の末路を思い出した夏樹は、とっさに謝った。


「別にいいわよ…。みんな同じよーなこと考えてるんだし」


「…はは」


素直に笑えなかった。


「――とまぁ、そんなこんなで私達聖女機関が存在するわけなんです」


気まずい空気を一蹴するかのように、焦りながら影虚が話を戻す。

一連の流れを聞き、大体の敵組織の事情は把握する事ができた。

その中でも生まれてきた疑問を、夏樹は問いかけてみる事にした。


「ひとついいですか」


「どうぞ」


「先ほどエマーティノスとまともにやりあうことができるのは、数える程度しかいないって言ってましたよね」


「――ええ」


「それは、血の加護ブラッドブレッシングを考慮した状態で……ですか?」


夏樹は経験上から、一しきりの不安を覚えていた。

正直、彼女達の血の加護ブラッドブレッシングがどこまで能力が向上するかもわからない。

だが、なつめはあの時吸血を行うまでは、かなり遊んでいるように見えた。

ましてやウルスが加護を忘れていたのは、相手もわかっていないはず。

そして、ウルスとなつめの掛け合いを見て、何かしら因縁があるように、夏樹の眼には映った。

それならば、一つの答えが出る。


――加護を受けた状態のウルスを知ってもなお、遊んでいた。と、夏樹は結論付けた。


「もちろん加護を受けた状態です」


「――だいぶ厳しいんですね」


「……ええ」


それほどまでに絶望的な力の差があるのだろう。

話を聞いていた静香が、重苦しく声を上げる。


「――悔しいけど。私じゃやつらには敵わない。せいぜい血人相手ぐらいが関の山よ」


「まじかよ?でも、お前あんなに力があったのに」


「単純な力だけじゃ勝てない。血の加護の影響力は、もはや才能と言ってもおかしくはない」


夏樹の驚きの声をふさぐように、矢継ぎ早に静香は話す。


「【聖域の聖女達テンプルムシスターズ】にすら入っていない私の力じゃ、到底及ばないのよ」


「【聖域の聖女達テンプルムシスターズ】…?」


久々に聞き覚えのない言葉が出てきた夏樹は、唇をかみしめる静香に聞き返す。

よほど悔しいのか、そのままそっぽを向いてしまった静香に代わり、影虚が口を開いた。


「各支部に属している聖女達シスターズの、強さに応じて序列が決まっているんです」


血の加護ブラッドブレッシングの効果は、人によって様々である。

まったく効果がないものもいれば、吸血にさえ劣らない効果を及ぼすものもいる。

それこそ、静香が言っていた才能によるものであろう。


中でも、トップクラスの実力を誇る者達で構成される序列。

7席しか存在しない、聖女達シスターズの頂に立つ者達。

それが『聖域の聖女達テンプルムシスターズ』である。


「おそらくエマーティノスと一人でまともにやりあえるのは、彼女達だけでしょう」


「なるほど………。この支部にはいたりするのか?」


「いるわ」


その言葉に、夏樹は心強くなった。

現状の問題としては、上位吸血鬼ヴァンパイアオーダーの存在は、あまり脅威ではない。

人間界に姿を滅多に表さないという話だからだ。

しかし、『狩り』を止める事が彼女達の使命とあれば、エマーティノスとの衝突は避けられないだろう。

だが、その脅威に匹敵する存在がいる事は、非常に頼もしいことである。


「まずは序列六位のエステラ。アンタも見たことはあるはずよ」


「いや、あんときテンパってたし、お前の主張が強すぎてわかんねえよ」


「…はぁ。まぁいいわ。そのうち会わせてあげる」


そもそもあの場には10人以上の聖女が存在していた。

心の整理がついていなかった夏樹に取っては、顔なんて覚える余裕がなかったのだ。


「ん?まずはってことは、もう何人かいるのか」


「……いるわ。もう一人だけ」


まずは、という歯切れの悪い言い方に、夏樹は質問を返す。

その質問になんともいえない表情で、静香はゆっくりと語りだす。


「――もう一人は……」







◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆





「すっかり遅くなってしまいましたね」


「あはは。まぁこんだけ買ったらそりゃねえ」


夕暮れを見ながら、二人は町中を歩いていた。


「これだけ量あっても、すぐなくなるだろうなあ」


「人数も増えましたもんね…うちの支部」


ウルスと実里は、両手に大量の袋を抱えながら、憂鬱に思った。

彼女達は、町中へと買い出しに来ていたのだ。


「そんで、どうなんよ」


「どうって、何がですか?」


「夏樹ちんとの関係」


「なっ…!!!何を言ってるんですか!!!」


「はいはーい、暴れない」


実里の言葉に、顔を真っ赤にして返すウルス。

両手に下げた袋を振り回さんとするその姿を、実里は止める。

平静を取り戻したウルスは、足を組んでその場でもじもじと言葉を紡いだ。


「その…まだ出会ったばかりですし…話も…まともに…」


「あれ、そうなんだ?てっきり夜に部屋に行ったのかと」


「へ!?夜に部屋って…破廉恥な」


「…そうかぁ?私も行ったけどなぁ」


純情な乙女心は、もろく削れやすい。

時に人の言葉はナイフにもなることがある。

決して悪意がなくても、地雷を踏むことは誰にでも可能性はあるのだ。



「へ…部屋…に…行ったんですか?」


「うん。少し話したかったしね」


悪びれもなくへらへら笑う実里。

その悪意のない笑顔は、動揺しているウルスには読み取れなかった。


「ふ……」


「ふ?」


「不純ですーーーー!!!!!」


「え!?ちょっと!?ウルス!!?」


はたから見れば誤解を受けるような言葉を叫びながら、走り去ったウルス。

その場にぽつんと取り残された実里は、その様子を唖然と眺めていた。


「――からかいすぎたか」


やれやれと笑いながら、実里は歩き始めた。


「【転移の加護テレポーテーション】、ウルスしか持ってないんだけどなあ」


「あら、良い事を聞いたわ」


「―っ!!」


突然背後から聞こえてくる声に、実里は振り返った。

しかし、その姿はなく、周りの情景が先ほどとは変わっている事に気付く。


(――油断してたなぁ)


襲撃される可能性は考慮していた。

しかし、まさかこんなにもすぐにあるとは思わなかった。

そんな実里の考えを否定するように、赤い霧が辺りを覆っていた。


(夏樹ちんが来てから、活発的になったな)


「――ふふっ、疫病神みたいだね」










『序列第一位。此代実里このしろみのり。あんたも知ってる…私の双子の姉よ』


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