（仮題）1998年夏

最終話 さよなら

（読み飛ばして構わない）近況ノート［12月19日］

【転載中に掲載していた「近況ノート」を一部直してこちらにも収録します】

　映像作品を意識して20余年前に書いたシナリオお蔵出し、最終話（第９話）（前編）を公開しました。

　舞台は、三軒茶屋、有明、お台場、レインボーブリッジ！

　今回は、ヒロインの彩香について解説します。

　彩香は、吉祥宮の研修生ですが、実は、帝釈天家の娘で、父は、先代帝釈天の嫡男でした。

　ところが、その父は、勤めで地上に降りた際の禁じられていた地上人との接触を咎められて廃嫡され、帝釈天の家を出ます。そうして、辺境の第５天上界に移り暮らし、そこで生まれたのが彩香だったのでした。

　彩香は、幼い時に父を失い、叔父である現帝釈天に引き取られて第３天上界で暮らします。

　帝釈天は、兄の遺児であり家の嫡流の娘である彩香を、息子の獅子王と結婚させようと考え、それは、天上界で周知の路線になっていました。

　ところが、当の彩香は、名家の子女が普通は進む学問所には行かず、吉祥宮研修所に入ります。

　そこで、研修所の修了を間近に、卒業後の彩香が、既定の通りに帝釈天家に戻って獅子王と婚約するか、吉祥宮に仕える吉祥宮天女になるかが都中の話題になり、ゴシップ誌の記者が、宮と学生寮を行き来する彩香を待ち伏せして取材を試みるという事件まで起こります。

　それが、物語開始時点での、彩香の状況なのでした。

　第８話では、不慮の事故で地上に落ちた彩香が、やっと、フィアンセの獅子王と再会したのでした。

　最終話（前編）では、結末に向けて物語が動きます。

　最終話（後編）は、12月25日公開予定です。