第8話 天上への光(6/13)

*シーン5ー2* いちょう並木


       啓吾、体をよじって、頭上の火竜小2を殴り払う。


火竜大  :「ギャアアアアア!」

       啓吾に大口を開けて襲いかかる。


       啓吾、振り返る(画面に背を向ける)。木刀で火竜大の喉を突く。


火竜大  :「ゲッ!」

       のけぞり吹き飛ぶ。


       火竜小1、飛翔して啓吾に足爪で襲いかかる。

       啓吾、木刀で足爪を払う。3合する。


       啓吾(正面から)、木刀を上段から振り下ろす。


啓吾   :「メンッ!」

       火竜小1の脳天を撃って叩き落とす。

       身を翻して(画面に背を向けて)、彩香を追おうとする。

       その先に火竜大が着地する。

       啓吾(後ろ姿)、立ち止まる。


       火竜大、正面から。


火竜大  :「グルルルル」


       啓吾、正面から。木刀を八双に構える。

       後ろから火竜小2が飛翔し木刀にかみつく。啓吾の腕に足爪を掛ける。


啓吾   :「うわっ!」

       火竜小1が後ろから啓吾の左肩に体当たりする。

       啓吾の体が前のめりになる。



*シーン5ー3* 青山通り


       彩香、青山通りに出る。

       地下鉄の駅入口に駆け込もうとして振り返る。

       ズームアップ。


彩香   :「啓吾さん!」



*シーン5ー4* いちょう並木


       啓吾の体が路面に倒れる。その前面に木刀が落ちる。


       路面に落ちた木刀を火竜大の足が蹴り飛ばす。

       画面、上にチルト。火竜大、啓吾を見下ろす。


       路面の啓吾、両肩を2体の火竜小に押さえつけられて顔を上げる。

       ズームアウト。

       啓吾の前に立つ火竜大の背中。


       路上の彩香、駈け戻る。


       街路俯瞰。手前から、啓吾と2体の火竜小、その前に立つ火竜大、その後ろから走って来る彩香。


       彩香、走って来ると、火竜大の前に両腕を広げて立ち塞がる。


       火竜大、アップ。わずかに首を引く。


       路面の啓吾。


啓吾   :「(叫ぶ)彩香! バカ!」


       画面、上にチルト。両腕を広げて立つ彩香の表情。口を真一文字に引き結び火竜を見上げて睨みつける。

       左腕の「九曜の腕輪」が光彩を放つ。


       火竜大、アップ。彩香を見下ろす。

       ズームアウト。

       火竜大、左爪を右肩まで上げて振り降ろすと、彩香の体を薙ぎ払う。


       路面の啓吾、右を向く。


啓吾   :「彩香ーっ!」

       ズームアウト。

       画面前面の車道路面に彩香の体が落ちて来る。ドサッという音。

       焦点移動、彩香にピント。

       彩香、わずかに肩を持ち上げようとするが、そのまま崩れる。


       路面の啓吾、右を向いたまま。


啓吾   :「彩香!」

       顔を起こして正面を見上げる。

      「火竜!!」


       火竜大、啓吾を見下ろして、


火竜大  :「あいにくだが、俺の獲物はお前だ、ドモンケーゴ」


       路面の啓吾、火竜大を見上げて、


啓吾   :「なに!?」


       火竜大、啓吾を見下ろして、


火竜大  :「俺が外天界に帰るためには、天上の力と地上の力が必要だが、お前はどうやら、地上人のくせして天上の力を身につけているらしい」


       路面の啓吾、正面を見上げて。


啓吾   :「俺が!?」


       火竜大、啓吾を見下ろして、


火竜大  :「そう。お前が、だ!」



*シーン5-5* 回想1


       第2話、啓吾が火竜の尾を飛び越えるカット。


火竜大  :「(声のみ)この俺の尾を軽く跳び越え、」



*シーン5-6* 回想2


       第4話、啓吾が街を走り自動車の脇を抜けるカット。


火竜大  :「(声のみ)自動車よりも速く走り、」



*シーン5-7* 回想3


       第6話、啓吾が火竜の火炎球を受け止めるカット。


火竜大  :「(声のみ)俺の火炎球を素手で受け止める、」



*シーン5-8* 神宮外苑、いちょう並木


       火竜大、啓吾を見下ろして、


火竜大  :「そんな事の出来る地上人が、いる訳がないからな!」

       ズームアウト。

       火竜大、右足を上げ、啓吾の体を踏み付ける。


啓吾   :体をそらせて、うめく。

      「うっ!」


       路面の啓吾、右からアップ。苦しげな表情で首を右に向ける。

       はっとした表情を浮かべる。



*シーン5-9* 回想4


       第1話。天女達に薬を飲まされるカット。


啓吾   :「(声のみ)そうか‥‥、あの時‥‥」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る