第8話 天上への光(7/13)

*シーン5-10* 神宮外苑、いちょう並木


       火竜大、アップ。


火竜大  :「お前たち! あの天女を喰っていいぞ!」


       啓吾の両腕を押さえていた2体の火竜小が飛び立つ。


       彩香の脇に2体の火竜小が舞い降りる。

       火竜小1、彩香の左腿に咬みつく。

       火竜小2、彩香の右肩口に咬みつく。

       2体の火竜小、彩香の体を引きちぎろうとする様に宙に高く振り上げる。


       路面の啓吾、火竜大に踏みつけられたまま、自由になった右腕をいっぱいに伸ばす。


啓吾   :「あやかーっ!」


       彩香へズームアップ。

       左腕の『九耀の腕輪』が光を放ち「帝釈」の文字が浮かぶ。3つの輝点が浮かび上がり、瞬時に広がって画面全体白失する。

       ドドドン! という衝撃音。


       光のドームが路上に広がる。2体の火竜小の影が宙に飛ぶ。


       火竜小1。路上に投げ出される。


火竜小1 :「ギャッ!」


       火竜小2。街路樹に激突して、そのまま街路樹を根こそぎなぎ倒す。


       火竜大、画面左に押し飛ばされる。


火竜大  :「グワッ!」


       啓吾の体、路面から吹き上げられて街路樹に激突する。


啓吾   :「うわっ!」

       そのまま車道まで弾き返されアスファルトに落ちて仰向けになる。


       啓吾、顔を起こす。


啓吾   :「彩香!」

       ズームアウト。手前路上に転げた彩香の体。


       啓吾、路上に体を転がす。

       彩香に転げ寄ると、その体を胸の下に抱き締める。

       彩香の左手首を引き寄せる。

       『九耀の腕輪』に石は残り2つ(中央の大きな石と周辺の小さな石)。


啓吾   :「あと2つ! 3つ一遍に使ったのか!?」


       火竜小1。路面に伏せていたのが上体を起こして首を振る。


火竜小1 :「ブルルッ!」


       火竜大、フェンスごと庭園側に倒れていたのが立ち上がる。


火竜大  : 首を振りながら、

      「グウウウウ!」


       火竜小2。街路樹をかき分けて立ち上がる。


火竜小2 :「ギャゥゥゥ!」


       路面の啓吾、彩香を抱いたまま顔を起こして左右を見る。

       ズームアウト。

       街路俯瞰。啓吾の背後に火竜小1、左手前に火竜小2、右手前に火竜大、啓吾たちを取り囲み始める。


       銃声。

       火竜小2、後頭部に銃弾を浴びる。


火竜小2 :「ギャッ!」


       路上に自衛隊が折り敷き自動小銃を構える。


自衛官  :「撃てーっ!」



第8話(後半)に続く(12月4日掲載予定)

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