（仮題）1998年夏

第８話 天上への光（3／13）

■シーン４■　チェイス

＊シーン４－１＊　西新宿

　　　　　　　工学院ビルの陰から飛び出す３体の火竜（火竜大と火竜小２体）、京王プラザビルを脚で蹴って方向転換すると、こちらへ飛んで来る。

火竜大　　：「ギャアアアア！」

　　　　　　　火炎球を吐き出す。

　　　　　　　トッポ、背後から。火炎球が道路中央で炸裂する。トッポが左折する。

　　　　　　　青梅街道、手前に歩道橋、奥にＪＲガード、画面右端より３体の火竜が次々に飛び出す。

　　　　　　　トッポ、ビルの地下駐車場へ降りる。入り口に「Ｐ」の看板。

　　　　　　　トッポ、正面から。スロープを駆け下りる。背後の道路で火炎球が火柱を上げる。

　　　　　　　火竜大、「Ｐ」の看板の前に着地する。

火竜大　　：「（遠吠え）ギャアアアア！」

　　　　　　　火竜小２体、そのまま、ビルの中に飛び込む。

　　　　　　　２体の火竜小、正面から。スロープを舞い下りる。

　　　　　　　トッポ。助手席の窓から彩香が左腕を出す。『九耀』の光弾を発射する。

　　　　　　　２体の火竜小、先頭の火竜に光弾が直撃する。

火竜小　　：「（悲鳴）ギャッ！」

　　　　　　　後ろの火竜小にぶつかる。

　　　　　　　２体の火竜小が絡まって壁に激突する。

　　　　　　　トッポ、走り去る後ろ姿。彩香の腕が窓に引っ込む。

啓吾　　　：「ナイス！」

　　　　　　　啓吾、ハンドルを切る。

　　　　　　　座席からの情景。地下駐車場の壁が右に流れる。

　　　　　　　キュルキュルと軋むタイヤの音。

　　　　　　　トッポ、正面から。駐車場の角を回り込む。

　　　　　　　トッポ、背後から。駐車場の角を回り込む。

　　　　　　　トッポ、先程と別のスロープを駈け上がる。

　　　　　　　トッポ、ビルを出て公道に出る。

　　　　　　　トッポ、正面から。公道を走る。

啓吾　　　：「これで少しは撒けたかな？」

　　　　　　　彩香、助手席の窓から顔を出す。

　　　　　　　夜空から飛来する火竜大、遠景。

彩香　　　：「でもないみたいですよ、啓吾さん。来ましたよ」

　　　　　　　火竜大、正面から近景。口を開く。

彩香　　　：「（声のみ）来た、来た、来たーっ！」

　　　　　　　火竜大、火炎球を発射する。ドン、という衝撃音。

　　　　　　　トッポ、正面から。画面右手に火柱が上がる。トッポ、画面左に曲がる（右折する）。

　　　　　　　ヒルトンホテル前を駆け抜けるトッポ。

　　　　　　　画面、上にチルト。

　　　　　　　建物の前を火竜大がすり抜ける。続いて、２体の火竜小が通過する。

　　　　　　　トッポ、正面から。遠景上空に３体の火竜。

　　　　　　　トッポ、トラブルを起こしたように急にふらふらし出す。

彩香　　　：「啓吾さん！　もっとスピード出ませんか！」

啓吾　　　：「お前、ちょっと、うるさい！」

　　　　　　　１体の火竜小が急降下して来る。

　　　　　　　トッポ、後部屋根。火竜小の足爪が捉えようとする。トッポが急にスピードを上げ下に下がり出す。

　　　　　　　トッポ、ＪＲガード下を潜り抜ける。火竜小、そのままガードに激突する。

火竜小　　：「（悲鳴）ギャッ！」

＊シーン４－２＊　職安通り－大久保通り

　　　　　　　トッポ、正面から。ガード下のアンダーパスを抜けて職安通りのスロープを上がる。

啓吾　　　：「（後ろを振り返って）ざまみろ！」

彩香　　　：「（悲鳴）啓吾さん！　上ぇ！」

　　　　　　　ズームアウト。

　　　　　　　トッポ、画面左に流れる。火竜大が舞い降りて足爪でアスファルトを掴む。足を取られて倒れる。

　　　　　　　トッポ、画面右に流れる。火竜小が舞い降りて足爪でアスファルトを掴む。足を取られて倒れる。

火竜小　　：「（顔を起こして悔しげに）ギャー！」

　　　　　　　トッポ車内。啓吾、助手席に笑顔を向けて右手の親指を立てて見せる。

　　　　　　　彩香、啓吾ににっこりと笑う。

　　　　　　　トッポ、後ろ姿俯瞰。職安通りを走る。

　　　　　　　明治通りを通過する。

　　　　　　　再び、車内。

啓吾　　　：「どこか、広くて、すぐに自衛隊が動ける所ないかな？」

彩香　　　：「（地図を差し出し）ならば、ここ！」

啓吾　　　：「（地図を一瞥して）神宮外苑か、よし！」

　　　　　　　ズームアウト。

　　　　　　　トッポ、後ろ姿俯瞰。画面を覆うように火竜大の頭部が現れる。火炎球を吐き出す。

　　　　　　　トッポ、走って来る正面から。上空から火炎球が落ちて来る。地面に落ちて炸裂する。

　　　　　　　交差点中央。巨大な火柱が上がる。その陰からトッポが飛び出す。画面右へ（左折）。