第7話 対決の夜(1/12)

■シーン1■ 渋谷、神宮前


       青山通り路上。火竜、火炎球を吐き出す。

       自衛隊の装甲車が火炎球を受け止める。

       火竜、振り向く。


火竜   : 「いつもよりも当てになる助っ人が来たようだな、ドモンケーゴ!」

       舞い上がる。


       表参道のビル街を越えて飛び去る火竜。

       数発のロケット砲があとを追うが届かずに落下する。


       現場俯瞰。啓吾の回りに自衛隊員と翔たちが駆け寄る。


自衛隊員1: 「お怪我は!?」

自衛隊員2: 「担架だ! 早く!」


       駆けつけた自衛隊員が、彩香を担架に乗せて運ぶ。



■シーン2■ 日山食品東京第2事業所


       テレビ。画面に、担架で運ばれる彩香。


キャスター: 「‥‥少女は無事に保護され病院に収容されました。少女に大きな怪我はありませんでした。逃げた大型生物は、首都高速六本木線の残骸付近に潜伏している可能性が高く‥‥、」


       テレビの前に、レイ、由美、面堂。面堂の手元にラーメン丼。


キャスター: 「‥‥警察、自衛隊による捜索が続けられています。続いて次のニュースです」

一同   :  ふーっとため息。

キャスター: 「政府および日銀は、昨日のロンドン市場、ニューヨーク市場での相次ぐ円の急落を受けて‥‥、」

由美   : 「彩香ちゃん、大丈夫かなあ」

レイ   : 「怪我はなかったけど、ショックで寝込んじゃったんでしょう? あの子、記憶がないそうじゃない? それに、小田原でもあの怪物に襲われて、きっと、自分と関係があると思い込んじゃったのね」

由美   : 「彩香ちゃん、可哀相」


       二人、ラーメンを食べる面堂を睨む。


レイ   : 「ちょっと、面堂君! あなた、男でしょう。彩香ちゃんを元気づけてあげなさいよ!」

由美   : 「そうよ、そうよ!」

面堂   :  顔を上げて、

      「えっ!? 僕? どうやって?」

レイ   :  立ち上がり、手振り身振り、情感をたっぷり交えて、

      「だから、こうしてギュッて抱き締めて、『彩香。君にはボクがいるよ。元気をお出し。』」

面堂   :  ラーメンの丼を抱き締めて、

      「そんな事したら、土門先輩に殺されちゃいますよ!」

レイ   : 「駄目ねえ」


       レイと由美、顔を見合わせ、


由美   : 「土門パパも過保護だし」

レイ   : 「(情感たっぷりに)あーあ、彩香ちゃん、前途多難!」

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