（仮題）1998年夏

第６話 あなたを守りたいから（9／14）

■シーン１７■　成田空港

　　　　　　　成田空港、公衆電話をかける啓吾。

啓吾　　　：「ニュースで見た。お前、建物の中にいるな？」

■シーン１８■　日山食品東京第２事業所

彩香　　　：　うなずく。それで伝わらない事に気付いて、

　　　　　　「います」

■シーン１９■　成田空港

啓吾　　　：「判ってるな？　絶対に動くな。優香ちゃんがいたら替わってくれるか？」

■シーン２０■　日山食品東京第２事業所

優香　　　：　ＰＨＳに出る。

　　　　　　「啓吾君？　今どこ？」

■シーン２１■　成田空港

啓吾　　　：「まだ成田だ。飛行機が遅れたもので、まだいるんだ」

■シーン２２■　日山食品東京第２事業所

優香　　　：「戻って来れない？」

■シーン２３■　成田空港

啓吾　　　：「無理言うなよ。彩香を頼む。絶対に外に出さないでくれ」

優香　　　：「（声のみ）分かってる。今夜は会社に泊まってでも外には出さないわ」

啓吾　　　：「もう一回、彩香頼む」

■シーン２４■　日山食品東京第２事業所

彩香　　　：　ＰＨＳに出て、

　　　　　　「啓吾さん？」

啓吾　　　：「（声のみ）彩香。いいな。優香ちゃんの言う事聞いて、絶対に外には出るんじゃないぞ」

彩香　　　：「うん、分かってます。啓吾さんの声を聞いたら落ち着きました。お仕事、頑張って下さい」

■シーン２５■　成田空港

啓吾　　　：「飛行機がまだしばらくは出そうにないんだ。あと何回か電話するから。暮れ暮れも落ち着いてな」

■シーン２６■　日山食品東京第２事業所

彩香　　　：　笑顔で、

　　　　　　「大丈夫です。火竜なんて、１時間も飛んでたら疲れて海に帰っちゃいます。重いんだもの」

■シーン２７■　成田空港

　　　　　　　啓吾、受話器を戻す。

茉莉　　　：「どうしたの？」

啓吾　　　：「いや」