第5話 過ぎ行く夏の日(12/13)
■シーン25■ 過ぎ行く日々
日山食品本社。画面は通路を進みプロジェクトルームの扉を開く。
室内にメンバーら。
啓吾 :「おはようございます!」
(以降、このシーンでは、画面と台詞は無関係に進む)
会議。前に立つ社員がホワイトボードを指差す。
会議。机に啓吾。手元の資料を見る。顔を上げ説明者の話を聞く。
啓吾、資料を挟んで、数人の社員とやり取り。
啓吾、パソコンの前。分厚いファイルを見ながらキーを打ち込む。
和子(声のみ):「あんた、このごろ、帰りが遅いねぇ?」
啓吾と栄田、紙を手に立って話す。
啓吾、パソコン画面を見ながら夢中でキーを打ち込む。
パソコンの画面、表計算の上にグラフが作成される。
背景の窓が暗い。コーヒーを口に含み作業を続ける。
啓吾(声のみ):「お袋、いつまで東京にいるんだよ!?」
会議。社員と啓吾が意見を交える。
マネージャが何事かを指示する。
啓吾、資料を手に、マネージャの机で資料の説明。
和子(声のみ):「私は、東京の産だからね。東京の水が肌に合うのさ」
彩香、パソコンの前。かたわらに面堂。彩香、ひどく真剣な顔で面堂の話を聞く。
面堂の手が画面を指差し、彩香の目が吸い付くようにそれを見る。
彩香の手が机の上で宙を泳ぐ。面堂の手が彩香の手をマウスに導く。
二人、目を合わせて恥らう。
啓吾(声のみ):「だったら、なんで、俺が小五の時に、いきなり田舎に引っ越すんだよ?」
パソコン画面に南アジアの地図。マウスが動くと地図上に線が引かれていく。
彩香の周りに集まる優香とレイと由美、面堂を押しのけて、パソコンの画面を指差しながらおしゃべりを始める。
彩香、オセンベを食べながら、優香らと談笑。
彩香、ふっと遠くを見る。
和子(声のみ):「あんたも、古い事をいつまでも言う男だねえ? そういう所は、父親そっくりだ」
啓吾、上着と鞄を持って席を立つ。
本社ビル1階で落ち合う啓吾と茉莉、ビルを出る。
啓吾(声のみ):「俺の父親ってどこの誰だよ!?」
移動の車中で資料の確認をし合う啓吾と茉莉。
別のビルに入る啓吾と茉莉。
受付前、外人と握手をする啓吾と茉莉。
和子(声のみ):「ええと、誰だったかな。それより、あんた、少しは進展してるのかい?」
啓吾(声のみ):「何が?」
啓吾、オーバーヘッドプロジェクターの映像を指し示す。
外人が手を挙げて何事か発言する。
和子(声のみ):「この前来てた、彩香さんて言ったっけかね?」
啓吾、プロジェクターの映像を前に身振り手振り交じりで説明。
啓吾、額の汗を拭う。茉莉が捕捉する。
外人の一人、大袈裟な身振りで近づいて来る。
啓吾(声のみ):「あのね! あの子とはそういうつきあいをしてる訳じゃないの!」
啓吾、外人達に囲まれ握手攻めにあう。
啓吾、必死になって握手を返す。
ビルのホール。走って来る啓吾。携帯電話を取り出す。
和子(声のみ):「また振られたの!? 母さんの子がどういうのかねえ!?」
彩香、トートバックからPHSを取り出し話す。
彩香、会話を周囲の優香らに伝える。優香らが飛び上がって拍手する。
啓吾(声のみ):「お袋、いい加減に伊東に帰れよ!!」
ビルのホール。携帯電話で話す啓吾、清々しい顔でホールを振り仰ぐ。
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