第4話 コンビネーション(12/14)

■シーン23■ 山の手線車内


       もの思いにふける啓吾。ドアにもたれて立っている。

       ドアガラスに啓吾の影。

       車窓の景色の一角に火の手が上がる。


啓吾   :「(我に返って)ん? 何だろう?」


       車窓の景色。街並みの向こうに火の手。電車が急停車する。

       車内。乗客がいぶかしむ


アナウンス:「停止信号のため緊急停止致しました。運転再開までしばらくお待ちください」



■シーン24■ 首都高速


       彩香、アップ


彩香   :「そうか。この火竜は片目なんだ。もう片方も潰してしまえば」

       ズームアウト。

       怪我が治って腕が自由になったため、両腕でバランスを取りながら飛ぶ。


       彩香、画面右方に飛ぶ。


       火竜後方から彩香の動きを望む。

       彩香、横飛びに飛びながら光弾を撃ち出す。


彩香   :「ええい!」


       火竜、光弾をかわして咆哮。


火竜   :「ギャアアアア!」


       彩香、再び画面右方へ飛ぶ。


       彩香を追う火竜の目


火竜   :「(独白)バカが。わざわざ俺の視野に飛び込んで来る」


       火竜の位置からの彩香。首都高の外側を、水平に円を描く様に飛び、再び首都高の上に差し掛かる。

       火竜、火炎球を吐き出す。

       火炎球が彩香の右前方の車を爆発させる。火柱が上がる。


彩香   :「(火柱を避け)きゃっ!」


       火竜、上空から襲いかかる。


火竜   :「ギャアアア!」


       彩香、アップ。


彩香   :「きゃー!」

       逃げ場を失い後退しようとする。


       横凪に払った火竜の右爪の背が彩香を直撃する。

       彩香、爪の背にしがみつく。


       火竜の腕に振り上げられる彩香。

       『九耀の腕輪』アップ。光を放つ。『帝釈』の文字が浮かび上がる。

       ドンドン、という音と共に画面が白失する。


       吹き飛ばされる火竜。路上に投げ出される。右腕の肘から下が失われている。


火竜   :「(絶叫)ギャー!! やったな、ヒヨコ天女!」

       火炎球を吐き出す。



■シーン25■ 山の手線車内


       携帯電話をかける啓吾


携帯   :「‥‥電波が届かない所にいるか、電源が入っていません‥‥」

啓吾   : 真顔で、

      「まさか」



■シーン26■ 首都高速


       車が爆発し、爆風に吹き飛ばされる彩香

       彩香、防音壁に激突し


彩香   :「あう!」

       アスファルトに落下する。


       火竜、左腕の爪で襲いかかる。

       彩香、辛うじて舞い上がる。


火竜   :「ギャアア!」

       咆哮しつつ左腕を横殴りに払い、

       画面、右にスライド。

       火竜の左爪の背が彩香を直撃する。

彩香   :「あっ!」


       彩香、弾き飛ばされ、車のボンネットに激突する。

       路面に転げ落ちて動かなくなる。



■シーン27■ 夜の町


       走る啓吾、横から。道路を走る自動車の脇をすり抜ける。


       走る啓吾、正面から

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