第4話 コンビネーション(1/14)
■シーン1■ 東急線、三軒茶屋駅、地下改札
啓吾、背広姿。自動改札から出て来る。
彩香の声 :「啓吾さん!」
啓吾 : 顔を上げる
彩香 : 走り寄る。
啓吾 :「彩香? どうした? 今、病院の帰り?」
彩香 : 首を横に振る。
啓吾 :「な訳ないよな」
彩香を促して歩き出す。
彩香の服装。花柄プリントの裾模様の白っぽいサンドレス。黒いサマーカーディガンを、例によって、袖は通さずに羽織って、第1ボタンだけ止めている。
頭にはもう包帯はない。
髪はセミロングのストレートの黒髪。前髪はまぶたで切りそろえ、後ろは、一つまみを後頭部で白いリボンで束ねて両耳を出して、あとは背中に流している。以降、彩香の定番ヘアスタイル。
彩香 :「CDを見に。それと、そろそろいらっしゃるかなぁって思って」
啓吾 : 苦笑。彩香を見て、
「で、どうなんだ?」
彩香、カーディガンのボタンをはずして、啓吾にだけ見える様に、右前身ごろを開いて見せる。
右腕、包帯だけで、ギブスがない。
二人、笑顔で見つめ合う
翔 :「(急に現れて)よっ! お二人さん」
啓吾 :「翔!?」
彩香 : 素早く、カーディガンの胸ボタンを止める。
翔 :「おめでとう、彩香ちゃん」
彩香に花束を渡す。
彩香 :「わっ! ありがとうございます!」
翔 :「ギブス、取れた?」
彩香 :「はい!」
花束をもらって笑顔。
啓吾 :「(憮然と)お前、なんでまた現れるんだよ?」
翔 :「何、その言い草?」
大袈裟に、手をポンと叩いて、
「ああ! 俺ってお邪魔? 彩香ちゃんと二人で居たい?」
啓吾 :「(あわてて)んなこと言ってねえだろう! 行くなら行くべや!」
歩き出す
翔と彩香、取り残されて、
彩香 :「『べや』?」
翔 :「気にしない、気にしない」
彩香をエスコートして歩き出し、
「それより、彩香ちゃん、『R&B』にはまってるんだって?」
彩香 :「え? えへ!」
翔 :「ウーラのライブチケット、手に入るよ」
彩香 :「本当ですか!? うわあ、行きたいです!」
啓吾、先に立って歩きながら独白。
啓吾 :「何、『あーらんべー』って?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます