第7話

「――――ひひっ、来たな、ついに、この時が」


「おい、ちょっと静かにしてくれ、本部と連絡を取る。―――HQ、HQ、白銀の狂戦機を捕捉。予定通りこれより"作戦"を決行する。――えぇ、分かってますとも。御身は帝国のために――では、後ほど」


「御身は帝国のためにだぁ? ひひっ、俺様には分かんねえなぁ」


「・・・だからキミは少佐止まりなんだ。実力だけなら僕と同じか、それ以上だというのに。・・・後で忠誠心という言葉を辞書で調べておくと良いよ」


「忠誠心が敵を打ち落としてくれるなら、事足りるだろうよ。でも、そうじゃないから俺様みたいなやつが少佐になれちまうんだ。違うかい?」


「・・・僕が大将になったら、真っ先にキミを除隊してあげるよ」


「ひゃはは! そりゃあいい! そんじゃああの目障りな機体の首でも持って、土産にするか!」


「初っ端からぶっ飛ばすぞ――いつもの比じゃないくらいにね」


「おうよ、操縦は任せたぜ―――――――」


「準備は良いね。――Eドライブ、侵蝕換装開始」


「―――――ひゃはハハッ、――これこれ――染みる―――ぜ――――」



「稼働エネルギー充填完了、特殊変態開始っと」


『システムマージ完了。プライムデータのバックアップ、生命シンクロ共に問題なし』


「よし――っと、しかし、いつ見てもセンスを感じないね、この真っ暗な操縦席には・・・」


 ――おい、奴が来るぞ。レーダー見りゃわかるが飛んでもねえスピードだぜこりゃ


「ああ、分かってる、今度こそ、アイツの羽をもぎ取ってやろう」


 ――ったりめえだ、俺様の片腕を奪った代償、きっちり払ってもらうぜ!


「・・・そうだね、生まれ変わったキミの姿を見せてあげよう――地獄への手向けだ」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る