死にたい夜に限って

によ

死にたい夜に限って

なんとなくSNSを見ていたら、死にたくなった。

キラキラ輝く友人たち。

幸せそうなカップル。

心痛くなるような他人への誹謗中傷。

全てが私の心へ、何かしら槍となって向かってくる。血まみれ。

部屋の電気はつけるのが面倒臭いし、ご飯も食べるの面倒臭いし、虚無がずっと襲ってくるし。

大量に買った市販薬は、手の届く範囲にある。ついでに空ビンもたくさん転がっている。

可愛いと思って開けたピアスを見るなり大人は、気持ち悪いものでも見たかのような目で見てくる。

髪の毛を派手な色にすると、知らん爺さんから突然罵倒される。

なんなんだこのクソみたいな世界は。

でも、こんなに不満があるのに何もしない自分が、一番気持ち悪い。

頑張りもしないのに、不満ばかりで快楽や楽しさを求めて、挙げ句の果てに死にたいなんて笑える。

まあいいや。

死は救済とか言っている人いたなあ。

死は救済なのだろうか。怠惰で逃げなのではないだろうか。

死が救済なのだとしたら、なぜ私たちは生まれるのだろうか。

生は試練なのだとしたら、死は救済ではなくただの落第ではないか。

あー、無理。哲学無理。

私は、市販薬のビンを開け、口を開け上を向いた。

あ。今日、半年ぶりに新刊出る日じゃん。

「やっぱ死ぬの延期〜」

そんな夜。


Ps.死は案外身近にあって、ふと死にたいと思った時に実際死んでしまう人がいる。

人って結構簡単に死ねる。一歩の勇気で死ねる。

死ねるからさ、簡単に。まだ死ななくていいんじゃない?いつでも死ねるからさ。

今ってタイミングでもないじゃん。

死ぬ以外の選択肢、多分まだ、逃げる。があると思うよ。

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死にたい夜に限って によ @niyo

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