第206話
アンブロシアの収穫時期時期にも手伝いに来ることを約束してアストに転移する。
「ただいま〜」
「おかえりヒロキくん早速だけど。ジェニーさんに収納袋を届けに行くからへパスに連れてって欲しいんだけど」
そう言えば収納袋依頼されてたね。
まぁもう完成してるみたいだし渡すぐらいだったら今から行っても問題ないか。
転移で一瞬だし。
「お義母さんの家の建築も始まったみたいだね」
ドアを破壊して入ってきたジェニーさんにウイスキーの作り方を盾に建築させてる家だけど。
お義母さんこの家に住むことはあるんだろうか?
最近は空間魔法使いとしてレベル上げ頑張ってるし。更に転職して長距離転移を使えるようになれば転移ポイントの設置場所として使うことは可能か。
ジェニーさんの酒造に行くとすぐにジェニーさんが迎えに来てくれた。
「ジェニーさん依頼されてた収納袋です」
「見たことない魔物の皮が表布に使われてるんだけど。念の為何を使ったのか聞いておいて良い?」
流石にジェニーさんも普通の収納袋じゃないって気づいたようだ。
「ファイアードラゴンの皮です。お陰で想定の1.5倍の収納量があります。竜の素材を自由に使えたので私も楽しかったです」
ジュリアナさんがあまりにもサラッと言ったのでジェニーさんはキョトンとした顔をした後に収納袋を凄い顔で2度見した。
中々面白い反応だ。
「これより性能がいい物ってなるとダンジョンから出た収納袋ぐらいってこと?流石に想定外だよ」
「まぁ家には竜の素材が沢山あるんで気にしないでください」
つい数日前にも沢山追加されたことだし。
「そんなことよりさっきちらっと見えたんですけど、黒糖焼酎も作り始めるんですか?」
この世界はメープルシロップ的なノリで採集できてサトウキビは存在しないんだけど。
浮遊大陸には天空キビと言うサトウキビが存在する。
こないだオウルさんがここに来てたのも天空キビの取引をするためだったんだろう。
「浮遊大陸の人達は黒糖酒って呼んでるらしいけど黒糖焼酎?」
あっやっべ。
「確かにそうだったかも。いやーこの間浮遊大陸に行って黒糖酒を呑んでる時に聞いたから意識があやふやだったんですよ。黒糖酒でした。黒糖酒」
適当なことを言って話を流す。
「良し、渡すもの渡したしジェニーさんも忙しいでしょうからこれで失礼しますね?」
歩いて逃げるのは無理だと思ったので転移でアストに移動した。
「ふぅ危なかった」
このままだと大変なことになるところだった。
黒糖焼酎について教えられることなんてないし。
せいぜい名前を知っていた程度だし。
「酒狂いが1度逃げた程度で逃がす訳ない。今度会いに行く時は根掘り葉掘り聞かれることになると思うよ」
ですよね。じゃなきゃ酒狂いなんて言われないもん。むしろ現在進行形でアストに向かって来てても驚かない。
とりあえずジェニーさんのことは忘れて今日はもう寝よう。
その後何事もなく朝起きて今日はアディルさんが帰ってきたら盛大に行われる戦勝を記念するお祭りでカワサキが屋台をだすことが決定してるので、準備どこまで進んでんのかなと確認しに行くことにした。
どうやら王都には帰ってきているらしく遠くないうちにアストにも戻ってくるだろう。
カワサキがいるであろうキッチンに向かった。
「屋台は焼き鳥にするの?」
話を聞いてみると焼き鳥に決めたようだ。
俺個人の意見だけど。タレの完成度とか焼き加減とか料理人の腕で味がかなり変わってくる気がする。
まぁ、カワサキなら心配ないか。
試しに試食させて貰ったけど、いい感じにお酒が呑みたくなる味付けだ。
「なになに?お酒を販売する許可を持っている知り合いがいないかって?」
この世界はお酒を売るには専用の許可が必要だ。
焼き鳥を売るならビールも売りたいけど今からビールを仕入れたり販売許可を貰いに行ったりする時間はないから。既に販売許可を持っている人を探している訳だ。
まぁ、ジェニーさんだよね。
と言うわけでジェニーさんのところに戻ってきた。
「おはようございます。ジェニーさん先に言っておきますが黒糖焼酎についてはガチで名前を聞いた事あるかも?ってレベルなので質問されても答えられないです」
聞かれる前に先にそう説明する。
「じゃあ、なんのためにここにきたの?」
お酒を販売できる知り合いにお祭りで販売しないか話を聞きに来たと説明する。
「なるほど。アストの祭りに出店しないかって事ね」
「俺が転移魔法で送り迎えしますので今から出発しても間に合わないとかそう言う心配は必要ないです」
普通なら今から準備しても間に合わないけど。転移があるから極端な話、前日まで何もしてなくてもどうにかなるし。
「それなら出店させて貰おうかな。最近出費が多かったし」
その理由の大部分が俺たちだな。
とにかくこれでカワサキのお願いを達成出来そうだ。
その後はウイスキー制作がどこまで進んでるか少し話を聞いてからアストに帰った。
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