第193話

「はぁ〜1日のんびりしていたいところだけどジェニーに明日行くって言っちゃったし。へパスに戻らないと。ってことでヒロキくん転移よろしく」


朝まで呑んでたはずなのに全く酔っている様子もないティーミルさん 、ジュリアナさん俺の3人でへパスに転移する。


へパスの外の転移ポイントにだと色々面倒なのでティーミルさんの家にも転移ポイントを設置させてもらってあるので今日はそちらを使う。

すぐに新しい家を建てるための工事が始まるだろうから使えるのは今のうちだけだけど。


「やっぱり転移は便利だね〜私も使えるようになりたいね〜」


転移はやっぱり便利だよね。目視できない距離の転移は事前にポイントを設置しておかないと転移できないとか制約はあるけど。

便利なことに変わりは無い。

それこそ空間魔法使いならそれだけで貴族に雇って貰えるぐらいだ。

今までは元から空間魔法に適正のある人しかつけなかったから貴重だったけど。


メープさんが適正がなくとも影を使った攻撃を使ったら影魔法使いに転職できたように

空間魔法に適正がなくても空間魔法を一度使えば空間魔法使いに転職できるようになっちゃうんだよね。

影魔法使いは闇魔法使い系のジョブについている必要もあるので、ついてない場合は闇魔法のスクロールを使ってまずは闇魔法使い系のジョブにつく必要がある分、影魔法使いの方が面倒臭いまである。

だから俺がその気になったら空間魔法のスクロールを量産して空間魔法使いを量産することだってできる。


まぁ、魔力量の問題とかで空間魔法使いになっても長距離の転移はできないみたいな可能性はあるけど。


「空間魔法使いになれるならなってみますか?」


実際は凄い混乱が起きそうだし、空間魔法使いばっかり増えてもバランス悪いし、色々問題が起きそうなので空間魔法のスクロールをばらまいたりはしないけど。

まぁ、身内を空間魔法使いに転職させるぐらいは問題ないだろう。


特定の職業に転職できるようになるアイテムを使ったとでも言っておけば良いだろう。

実際スクロールを使ってるわけだから嘘じゃないし。



「そんな軽々しくなれるもんなの?」


「お母さん。ヒロキくんからしたら空間魔法使い程度、簡単になれちゃうジョブなんだよ。こないだなんてもっと珍しいジョブにシエラの嫁を転職させてたし。私なんて種族がドワーフから天使に変わったし」


「はぁ!?天使ぃー」


そう言えば言ってなかったな。と言うかジュリアナさんは天使の輪っかも羽もださないから天使だってこと俺も忘れちゃうんだよね。


「そう、大天使シリーズって言う超特殊なアイテムがあるんだけど。それを使って天使になったの。それに比べたら空間魔法使いに転職できるようにするぐらいヒロキくんからしたら朝飯前ってこと。だからお母さんは空間魔法使いに転職して私達の足になって?」


実の母親を足に使おうとしてる!?


現状、転移で移動しようとすると俺かシロナさんに頼むしかないけど。

俺は最近色んなところに行っているから頼みづらいし。

シロナさんは基本家にいるから頼もうと思えば頼めるけど、神獣だし。頼みずらいってレベルじゃない。

まぁシロナさんは家のメンバーなら普通に転移を使ってくれると思うけど。


「ヒロキくんの噂はへパスまで届いて来てたけど。実際は噂以上の出鱈目さだね」


噂を聞いて流石に盛ってるだろって思ってたら噂の方が控えめだったってやつだね。


「空間魔法使いの話しは一旦おいといて早くジェニーさんのところに行かなきゃまた突撃してくるのでは?」


「それもそうだね。本を渡すだけだし先にすませてしまおう」


話しは一旦ここまでにしてジェニーさんの酒造に向かう。


「ここがジェニーさんの酒造ですか?」


高めの塀に囲まれた場所が見えてくる。

広さで言ったら貴族の屋敷より広そうなんだけど。


「ワインにビール両方とも結構な量製造しているからね」


ウイスキーも作り始めたら3種類か機械とかなしで手作業で作っている筈だから、かなり大変そう。


警備の人に許可を貰って塀の中に入る。

建物が何棟も建っていて、その中の二階建てで建っている建物の中で1番小さい建物に向かう。


「待ってたぞ!さぁ早く作り方の本を!」


建物の中に入ると発作が起きたみたいに震えているジェニーさんがいた。

本が欲しすぎてこうなってるってこと?


「その前にこのレシピの使用料とかの話を決めてからよ」


「ムゥ、仕方ないか……」


ティーミルさんとジェニーさんがレシピの使用料を話している間、酒造見学をさせてもらった。

工場見学みたいで結構楽しい。

あと、ワインはドワーフたちがぶどうを足で踏み潰してつくっているようだ。

まだワイン造りの時期じゃないかったから、大きな桶を見ながら説明してもらっただけだったけど。


見た目が小学生のドワーフが素足で踏み潰して作ったワイン……

もし、男がいっぱいいる世界だったなら需要が凄そう。


試飲もできるみたいだったけど。

朝だし、昨日の夜ティーミルさんに付き合ってしこたま呑んだ後なので遠慮しておいた。





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読んで頂きありがとうございます。


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