第177話

「まぁチュートリアルの森なら家族なら呼びに来れるようになったしセーフだよね」


長さが10m以上ある昆布を干すには中庭は狭すぎるので結局チュートリアルの森の平原フィールドにブルーシートをいくつか敷いて

その上に置いて干して行くことになった。


詳しい干し方は知らないのでなんとなくandカワサキの料理人としての勘で干すことになるから全部は干さずに何枚かだけにしておく。


「確か表と裏があってまずは表を上に向けて干さなきゃいけないとか言ってた気がする」


根を切って、若干傾斜になっている場所に設置したブルーシートの上に昆布の頭の方を傾斜の上側にして置いて行く。


「後は均等に乾くように何度かひっくり返してを繰り返して乾燥させるんだっけかな?」


とりあえず若干記憶にある昆布の干し方通りにやってみる。

10本ほど昆布を干して今回は終了。

1本10mの長さがあるし幅も50cmぐらいあるので、10本だけでも結構な量の乾燥昆布が完成する予定だけど。


干しキノコに関しては現世の家でも問題なく作れるのでチュートリアルの森での作業はこれで終了。


カワサキは自分でも森に行って果物やキノコを採ってくると言って1人で森に向かっていった。


アストの自宅で干しキノコを作るためにキノコを乾燥ネットに入れる作業をしていると

シエラさんが家に到着した。


「大丈夫ですかシエラさん」


返事を聞くまでもなく。絶対に大丈夫じゃない感じだ。


とりあえず話を聞かせてもらってその後にジュリアナさんの薬とかカワサキの料理を食べて回復してもらおう。


結論から言うとテミス神が現れたおかげで今回の事件はすぐに片付いたらしい。

ただテミス神が「この際、冒険者ギルド全体の不正を正すべきですね」と言ってシエラさんを強制的にお供にして転移を使い世界各国の冒険者ギルドを回った結果。

冒険者ギルドで不正を行っていた役員が失脚。一部関係のあった貴族も取り潰しになったりと世界中大混乱に陥っているらしい。

まぁ、テミス神も多少のグレーな行為は見逃したりと悪絶対許さないウーマンではなかったようだけど。

それでもやっぱり混乱は起きているようだ。


シロナさんは軽い感じでテミス神に連れ回されてたみたいって言ってたけど。

かなり連れ回されたようだ。


まぁかなり大事になったけど、これで俺に手を出したらどうなるかわかっただろう。

俺は何もしてないけど周りの暴走で大変なことになるって。


「報告ありがとうございます。とりあえずシエラさんは休んでください。このままじゃ本当に死んでしまいます」



と言うわけでシエラさんをジュリアナさんに任せる。


後はチュートリアルの森に戻ってカワサキを呼んで病人食的なものを作って貰わないと。


チュートリアルの森でカワサキを呼び戻して現世に帰る。

事情を説明して病人食を用意してもらう。

カワサキが本格的なものを用意している間に、チュートリアルの森で採れたリンゴをすりおろして持っていく。


ジュリアナさんの部屋に行くとさっきに比べたら多少顔色が良くなったシエラさんがベットで上半身を起こした状態でリラックスしている。


「とりあえず当分は仕事禁止。もちろんヒロキくんがシエラにお願いごとするのもね。ストレス性の病気をいくつも発症しているから

。ご飯食べて何もせずにゆっくり過ごして体調を整えて貰わないと」


さすがにあんな状態のシエラさんに仕事を頼むつもりはないよ?


「とは言え、いま冒険者ギルドでシエラさんの変わりできる人なんている?」


ぶっちゃけいなくない?


「だからシエラが回復するまで代理でヒロキくんが色々やるしかないね。さすがにこんなことになった後にヒロキくんに何かするようなバカはいないだろうし。今回テミス神に見逃された人が魔が差して悪さをすることも抑制できるだろうし。ここまでやったんだから冒険者ギルドが健全な形に立て直せるように協力的してあげないと。寧ろここで手伝わないと、悪事に手を染めないと立ち直れないレベルかもしれないし」


それはまずい正直俺は何もしてないけど。

俺が原因ではあるから少しぐらい手伝う必要はあるか。

ボランティアするつもりはないけど。


かと言って俺が何もせずに冒険者ギルドが今より酷い状況になったら、冒険者が困って。

冒険者に周辺の魔物の討伐を頼っていた村などが困ってしまう。


ここら辺で冒険者ギルドに手を差し伸べることで、やりすぎじゃない?って行ってくる人を1人でも減らすって言う打算的な部分もある。



と言ってもあんまり手伝えることがあるか分からない。

だって冒険者は減ってないし、足りないのは事務作業をする人員でしょ?

仕事が少しでも楽になる物を配るでも良いけど。

そんなものあったかな?ワープロ専用機でも配れるならそれで解決だけど。さすがにそんなもの持ってないし。




委任状を書いて貰ったりシエラさんにはちょっとお願いしなきゃ行けないこともあるけど

カワサキがご飯を持ってきて食べてからで良いだろう。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


読んで頂きありがとうございます。


新作投稿初めました。現代ダンジョンものです。


地球「ファンタジーアップデートが適応されました」



https://kakuyomu.jp/works/16817330647913656484



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る