第171話
「魔物を人に変化させる薬を作るため」
そう言うとオウルさんが座っている椅子を倒しながら立ち上がる？
「作ることができるんですか？」
「俺じゃなくてジュリアナさんならだけどね。俺は素材集め担当。それで最後の素材がアンブロシアって訳です」
それにしても使用用途を伝えた瞬間あんな反応するってことはオウルさんも魔物を人に変化させる薬を探してたのか。
「薬の情報知りたいですか？」
「その薬はエレメンタルドラゴン様が唯一求めるものです。薬の情報があれば確実にアンブロシアを手に入れることができると思います」
「ふーん。まぁ追加でエレメンタルドラゴンが気に入るような物を探す手間が省けたって訳だ。因みに情報源は神獣様な訳だから。交渉段階でアンブロシア以外の素材を開示する必要ないよね？」
作れる錬金術師がたぶんジュリアナさんだけだろうから教えちゃってもいい気もするけど、素材がわかったならもうそいつと交渉する必要ないってエレメンタルドラゴンが言い出すかもしれないし。
もし、そんな事を言い出したら実力行使でアンブロシアを手に入れるだけなんだけど。
浮遊大陸のエレメンタルドラゴンは倒さないようにってシロナさんからお願いされてるし。
さっきも言ったように穏便に済ませられる方法があるならできるならそっちの路線で行きたい。
「それですと最終的にエレメンタルドラゴン様とヒロキ様おふたりが直接交渉する感じになると思いますけど…」
「それで大丈夫です。浮遊大陸も時間さえかければ自力で到達できるし」
最後まで鳥系の獣人を挟んで交渉したらエレメンタルドラゴン有利の条件になるだろうし。
直接交渉できる方が有難い。
「とりあえず今日はここまでにしておきましょうか。俺もジュリアナさんにスノウワームを渡してアイテムに加工してもらうので、この話の続きはそのアイテムを俺がスタローン商会に持ってきた時に話の続きをしましょう」
今日これ以上この話しても意味無いしね。
「わかりました。いいお返事ができるように話をとうしておきます」
まぁ、この段階で交渉が決裂することはないだろうし。という訳でスタローン商会から帰宅する。
「あれ？もう帰ってきてたんですか？」
神界に行ってメフィルスに八つ当たりしてくるって家から転移して行ったのにもう帰ってきたみたいだ。
「そうそう、メフィルスからこれを預かって来たよ」
そう言ってシロナさんに渡されたのはスマホにさすSiMカードだった。
「これはメフィルス様に渡されたチートスマホにさせばいいってこと？」
と言うかそれ以外に使い方ないよなとチートスマホに渡されたSiMカードをさした。
「おお！〈チュートリアルの森〉ってアプリが増えてる！？」
何が変わったのかなとチートスマホを確認してみると〈チュートリアルの森〉と書かれたアプリアイコンを発見する。
チュートリアルの森にまた行けるようにならないかな〜ってメフィルス様にお願いしてたけど、難しいかなって思ってたから驚いた。
これはあれかな。お願い聞いてあげるからシロナさんをどうにかしてくれってことか？
善処はするけどシロナさんを止めるのは俺には無理だと思う。
「ふーん最初は東京ドームぐらいのサイズのフィールドがひとつしかないし。魔物も何もポップしないけど。MPで新しいフィールドを増やしたりポップする魔物を設定できるか…」
自分で色々やらなきゃ行けない代わりに自由に設定できるってわけだ。
でも、ゴブリンを定期的にポップさせるようにするだけでも100万MP必要みたいなので、かなりMPを貯める必要があるみたいだから積極的に強い魔物を狩ってMPに変換していかないと快適なチュートリアルの森暮しができそうにない。
と言うか既にチュートリアルの森じゃないよね？
まぁ今更新しい名前を考えるのも面倒だからチュートリアルの森で貫き通すけど。
「けど。冒険者じゃなくなったし。ダンジョンって冒険者しか中に入れないはずだし。どうやってMPを稼ごうか？」
その決まりが適応されるのは冒険者ギルドが把握してるダンジョンだけだから新しいダンジョンを見つければ問題ないわけだけど……そんなタイミング良く見つかることってあるかな？
「ヒロちゃん自分でダンジョン1つ作れるの忘れてない？」
「あっ」
そう言えばメフィルス様のお願いを聞いた時にダンジョンコアを手に入れてたな。
なんかすっかり忘れてた。
自分で都合のいいダンジョンを作れば言いわけだ。
でもリソース管理を上手くしないと赤字ダンジョンになってMPを貯めることなんてできないと思うし。
上手く行くかな？
さすがにダンジョンだって無から有を作り出してるわけじゃないだろうし。
ラノベとか的に言う通りダンジョンポイントを消費するってやつだね。
ダンジョンポイントを貯めるにはダンジョンの中に人をたくさん入れるってのがセオリーだけどそこら辺を上手くやらなきゃ行けないわけでしょ？
ダンジョンが冒険者ギルドにバレると面倒なことになるから人を招き入れることはできないし、割と俺のダンジョン経営詰んでない?
まぁ、この問題が解決したあと冒険者に復帰すればいいのかもしれないけど。なんか負けた気がするからそれはしたくない。
なんかいい方法がないか考えてみるか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
読んで頂きありがとうございます。
新作投稿初めました。現代ダンジョンものです。
地球「ファンタジーアップデートが適応されました」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます