第170話

ー神界ー


「九尾の狐のおかげで時間稼ぎは出来たね」


「時間稼ぎ程度にヒロちゃんの利用するとか屈辱でしかないけど。今のヒロちゃんが神と戦闘になったら100%勝ち目がないし。最終的に実行したのは私だけど」


「今回殺れたのは所詮下っ端連中だから、さっき言ったように時間稼ぎ程度の効果しかないだろうけど。1年ぐらい稼げただろうし、その間に彼には神力をちゃんと制御出来るのようになってもらいつつ信仰を集めて神力を蓄えて貰う必要があるんだけど、行けそう?」


「良くて半々ぐらいってところだと思う。それに今回の件がどう伝わるかで信仰に関しては大きく変わる。上手く行けば何もしなくてもがっぽり神力が蓄えられるでしょうね。今回被害者だとしても100倍返しぐらいしてるからこの話が広まって聞いた人の受け取りかた次第ね」


「堅実に運営しているギルドが設置してある街に暮らす人だと良い捉え方しないかもね。それに悪どいことをしてたとしても冒険者を派遣して魔物から人を守ってた訳だし、余計なことをって思う人も居るだろうし…本気で彼が自分の身の回り以外助ける気が無くなるとかなっちゃわない?」


「さぁ?でもこの世界自体は守ろうとするんじゃない?この世界は気に入ってるみたいだし」


「そう言えばチュートリアルの森に行けるようにならないかってさっきメッセージが届いてたけど…自分の信用する人以外いない空間が欲しいってことだよね?」


「まぁ、この世界がダメだったら新しい世界で信仰集めをすれば良いだけだし。そうなったらそうなったで別に良いか」


「まぁ、なんだかんだ言ってヒロちゃんが何とかするんじゃない?じゃあ私はそろそろ帰るから」


「じゃあ彼の神力を制御出来るのようにする訓練頑張ってね〜」


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「いや〜。今回はとんだ災難に巻き込まれたようで。連絡来ましたよアイレムから。ファイアードラゴンの素材も売ってもらっちゃったみたいで、そのことを会長に報告したら喜んでスタローン商会全体で協力することになりましたよ!」


シロナさんをなだめて、俺が帰ってくるまでシロナさんを抑えてくれていた二神にお礼にMP交換で交換出来る地球の食べ物を貢いで、本来急いで帰ってきた理由のオウルさんに会いに来ていた。


「いや〜それは良かった。そう言えばスノウワームをお土産に持ってきたんですけど。素材として渡すより。加工してからの方がいいですか?」


錬金術でアイテムに加工できるものはジュリアナさんにアイテムにして貰ってから売った方が良いかも?


「そうですね。スノウワーム以外の材料費、ジュリアナ様の加工料をこちらで負担致しますので、加工の方をお願いしてもよろしいでしょうか?」


「今回はぶっちゃけ色々迷惑をかけるお詫びとして持ってきているから全部俺が払っても良いけど?」


「スノウワーム丸々1匹だけでも貰いすぎってやつです。それに商人は貸しをつくるのは大好きですけど、作られるのは嫌う生き物なので」


「オウルさんがそう言うならオウルさんの言う通りにするよ。ちなみにお土産の巨大スノウワーム以外に通常サイズのスノウワームも30匹ぐらい持ってるんだけどこっちはどうする?」


「そちらは全部素材のまま買い取らせてください。スタローン商会所属の錬金術師の技術向上に使用したいので」


当然、お抱えの錬金術師もいるわけか。

技術向上のためにレア素材を使わせて貰えるんだからそれなりにいい職場なのかな?


その代わり厳しいところもあるだろうけど。


「そう言えばヒロキ様は浮遊大陸に興味をお持ちだとか?」


スノウワームの取引が終わってお茶を飲んで一息ついて次の話題に入る。


「浮遊大陸と言うかエレメンタルドラゴンが守る。アンブロシアが欲しいんだよね。まぁ、こっちから出向いて力ずくで手に入れることもできるんだけど。もっと穏便に済ませられる方法があるなら先にそっちを試そうかなって、鳥系の獣人であるオウルさんに話を聞いてみたかったんだ」


「失礼ですが、どこでその情報を?エレメンタルドラゴン様のことはまぁ知る方法はあると思いますが、アンブロシアの情報については地上で暮らす人に知る方法はないはずです」


思ったより警戒させてしまったようだ。

にこにこしていたオウルさんの顔が一瞬で真剣な顔に変わったからな。

アンブロシアの情報は浮遊大陸側が秘匿しているものだったようだ。

ここでゲームの知識として知ってるからなんて馬鹿正直に説明しての上手くこの場が収まるわけないので、伝家の宝刀「神獣様に教えてもらった」で行こう。


「家には神獣様がいますから。全てを教えてくれる訳では無いないですけど。聞けば教えてくれる情報もあるんですよ。アンブロシアの情報とかね」



そう言うと少しオウルさんの警戒が薄まる。


「なるほど。確かに神獣様なら知っていて当然でしょう。問題はヒロキ様がアンブロシアを手に入れたい理由とは何なのでしょうか?」



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読んで頂きありがとうございます。


新作投稿初めました。現代ダンジョンものです。







地球「ファンタジーアップデートが適応されました」





https://kakuyomu.jp/works/16817330647913656484

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