第166話

「イエティ達がこの山をナワバリにしてる理由ってこれか」


アイギスと共にイエティ達がナワバリにしている山の頂上からつるっパゲにしない程度に雪をストレージに回収しながら下山していると凍り付いた果物が実っている植物が雪の中から顔を出した。


フローズンフルーツって言う凍り付いた状態が普通の果物でちょっと解凍して食べたり、削ってかき氷にして食べたりすると美味しい。

イエティ達もこれを独占するためにこの山を縄張りにしてたんだろう。

生えているのは、ほぼ頂上付近だからイエティを数匹倒すだけの冒険者が気づくこともなかったと。


ちなみにフローズンフルーツは低木で色々な種類の果物が実る中々ファンタジーな植物だ。

凍った状態の果物が実る時点でファンタジーだけど。


「フローズンフルーツが食べられるって分かればイエティたちも普通に戻って来そうだ」


いいお土産になるので少しだけ採集させて貰う。

取りすぎるとイエティがまた山から降りてくるかもしれないから、そこだけは気をつけないと。

それにここはダンジョンじゃないから取りすぎたりはNG。


「ん?なんか雪の中に空洞がある?」


雪をストレージに回収していると半径1mぐらいの円形の空洞がアリの巣みたいに続いているのを発見する。


「もしかしなくても突然大雪崩が起きた原因って雪の中を縦横無尽に移動する生物がいたからか…」


ハーレムクエストに雪の中のみに生息するスノウワームって言うワーム系の魔物がいたな。


そう思い出した瞬間ズズズズと地面が揺れ始める。


これまた雪崩が起きるぞ!と思いアイギスに乗って山から離れる。


離れると同時に雪崩が起きる。事前に雪を回収できてた場所は大したことは無さそうだけど。まだ大部分の雪は回収出来てなかったので山全体で見るとかなり大規模な雪崩が起きてしまっている。


「でっかいワームとか、超気持ち悪い」


雪崩のあとから半径3mぐらいの太さがあるワームが顔を出している。

さっき見つけた痕跡を残したであろうスノウワームよりだいぶでかい。


と言うか見た目が完全にデカいミミズで気持ち悪い。


とりあえずあれを倒そう。あれだけでかいと街や村からも見えてるだろうから早く倒しちゃわないと大騒ぎになるだろうし。


「やっちゃえアイギス!」


アイギスがレーザーブレスの準備をしていたのでそのままGOサインを出す。


アイギスのレーザーブレスを受けて頭部部分が消滅したスノウワームはビッタンビッタン地面でのたうち回ってたけど、次第に動きがゆっくりになっていき最後は完全に動かなくなった。


スノウワームは皮はゴムっぽい性質を持っていたり肉はハンバーグにしたら絶品だったり、分泌液が媚薬だったり。

龍種レベルで儲かる魔物だったりする。

ちなみに女性がワームに食べられちゃうとエxチなことになっちゃうので色んな意味で注意が必要な魔物だったりする。

装備だけ溶かすスライムとか触手だとかエxチな魔物もしっかり存在するんだよね。

積極的に関わるつもりがなかったから今まで遭遇することはなかったけど。


「ミミズハンバーガー意識してたり媚薬だったりツッコミどころしかない魔物だけど金になるし。こいつらの数を減らさないとまた雪崩が起きるから、サーチアンドデストロイで行くぞ」


さっきまではのんびりダラダラ雪を回収していたけど。アイギスに乗ったまま低空飛行をしてもらって雪をどんどん回収していく。


ストレージがいっぱいになるそうになったら雪をMPの変換して容量を確保する。

結果雪崩のからの復旧を数時間で終わらせることができた。


スノウワームも最初に倒した奴ほどの大物はいなかったけど数がいたのでかなりウハウハ



「後はアイギスにもうひと仕事してもらって山にイエティを追い返すだけだね」


今回はアイギス大活躍だな。いつも乗せて飛んでくれてるからアイギスの活躍度はいつも高いけど。


さっさと終わらせようと言うことで数箇所でアイギスに咆哮をあげてもらって山にイエティを追い返す。

フローズンフルーツがまた食べれるようになってるって気づけばまた降りて来ることはないだろう。


これで依頼分はしっかり働いただろうと街に帰って冒険者ギルドに報告に行く。


「依頼通り、イエティの数を少し減らして元のナワバリである山に追い返してきました。討伐した分の証拠としてお約束していイエティの魔石です」


「ありがとうございます。ちなみに毛はどうされるんですか?」


「全部知り合いに売ります」


緊急性の高い依頼なのに定価より安い料金しかださない冒険者ギルドに売るわけないよね?


わざわざ朝早くに直談判して村に被害が出てるからという所を強調。

もし俺が断りでもしたら、直接頼みに行ったのにこんな安い金で依頼を受けるわけないだろうって断ったって噂を流すだけで被害にあった村人たちのヘイトは俺に集中するわけだ。


ほんとに舐めたことしてくれるよね?

まぁ俺もこのままやられっぱなしになんてするつもりはないから、あえてそのままの条件の依頼書を書かせたわけだけど。


またシエラさんを巻き込むことになるけど……


また、珍しいものを用意しておこう。



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読んで頂きありがとうございます。


新作投稿初めました。現代ダンジョンものです。




地球「ファンタジーアップデートが適応されました」





https://kakuyomu.jp/works/16817330647913656484


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