第150話
「いつでも夢の世界に行ける様に睡眠薬量産してくる」
人参果確保のためだろう。ジュリアナさんがさらに夢の世界に行くために必要な睡眠薬を作るために自分部屋に行ってしまった。
「そんな頻繁に夢の世界に行こうとすると悪夢の世界に行っちゃう確率が上がるから。何度も行くつもりはないんだけど……」
悪夢の世界は強制的にレベル1になるし魔物に四六時中追いかけられるし、収納系のスキルは仕舞うことはできるけど中身を取り出すことが出来なくなる。
と言っても人参果の効果を知った女性陣が手に入れるのを諦めるわけないし。
ユメクイの素材を加工して枕カバーを作って貰おう。
コレがあるだけで悪夢の世界に行くことはほとんど無くなる。絶対ではないけど。
皮を加工できる人を知らないから後で紹介してもらおう。
「まぁ良いや。シロナさん浮遊大陸ってそろそろ行っても大丈夫そう?」
「ヒロちゃんの狙いはアンブロシアでしょう?アレってエレメンタルドラゴンのお気に入りだから気が立ってる今行くと必ず戦闘になると思うよ?ヒロちゃんが負けるとは思わないけど、それなりの死闘になるだろうし、レガリアのアイギスが返却されてからが良いんじゃない?」
確かにエレメンタルドラゴンとの戦闘が避けれないならレガリアを持ってた方が良いか。
「そろそろ帰ってくる頃だろうし。それを待ってから浮遊大陸を探すか。その間に上空での空気の確保手段を実験すれば良いし」
なんだかんだいってまだ実験できてなかったからな。忘れないうちに風魔法をレベル10で取得しておこう。
「それとエレメンタルドラゴンは殺しちゃダメだよ?対話のできるドラゴンだから。それとスキューバセットのボンベとレギュレータを使えば空気の問題は解決すると思うよ。魔道具だから上空でも問題なく使えるしオクトパスとか使わないパーツは取り外せるし」
話を聞いてる感じ悪いドラゴンじゃ無さそうだし。レガリアが有れば殺さずに屈伏させるのも簡単だろうし。問題ないだろう。
それにしてもいくら魔道具だからって便利すぎだろうスキューバセット。
まぁ、これで空気問題も解決したし浮遊大陸に行く準備はバッチリって訳だ。
思ったより早く薬の素材が集まりそうだ。
「ヒロキ、今アディルから双子水晶で連絡があったんだけど。国からも使用料を払うからアイギスをディラスト王都の決戦にも使わせて欲しいって」
もうそろそろ帰ってくる頃かなって思ってたけど貸出期間が延びそうだ……
「レガリアを貸し出すんだからそれ相応の対価は貰うよ?それに使うことができるのは引き続きアディルさんだけ。それで良いなら貸し出すって返事しといて」
貸すのは良いけど、タダで貸すつもりはないし。アディルさん以外には使わせるつもりは無い。王都決戦に参加しているであろうこの貴族に他国の貴族は信用出来ないし。
良い人もいるんだろうけどあったことも無い人なんて信用出来ない。
「了解。まぁ、その程度でレガリアを貸してくれるって言うなら喜んで了承するでしょう。レガリアを持ち出して来た国もあったみたいで。リアウタンは持ってこないのかってせっつかれてみたいだよ」
国同士の色々ってやつか…面倒臭いな。
共通の敵がいるから協力しているだけで本来は仲良くない国もあるだろうしな。
「リアウタンのレガリアは飲んだ者の身体能力を永久的に上昇させる酒〈アムリタ〉が無限に湧き出るゴブレットだからね。そもそも戦場に持っていくようなレガリアじゃない。それがわかっててレガリアを持ってこないのか?なんて聞いてくるんだから嫌な奴らだよ」
やっぱ面倒くさそうな国もあるんだな。
なんかカエデさんも過去に面倒をかけられたのか恨みのありそうな雰囲気だ。
と言うかリアウタンにあるレガリアってそんな感じのなんだね。どれぐらい強化できるのか知らないけど強化率によってはかなり強力な騎士を量産できるし。使い勝手は良さそうかな。威力が高すぎて使いどころが難しいレガリアよりはだいぶ使い勝手が良いと思う。
「じゃあこっちの返事を待ってるだろうし。返事しに行ってくる」
カエデさんは部屋を出ていった。
「という事で浮遊大陸に行くのはまだ先みたい」
実は俺浮遊大陸と相性悪かったりする?
「レガリアが返却されるまで何して暇潰そう」
ようやく玉鋼作りの準備が整って1回作ってみるとは聞いてるけど俺が手伝えることは無いし。
アストダンジョンの攻略を進めるか?
アストダンジョンって宝箱の隠されてる場所が独特だし数が少ないのに加えて、欲しい素材になる魔物もいないし。あんまり乗り気になれない。
「折角なら特級ダンジョンに行ってみたら?特徴的な環境なところが多いから面白いよ」
特級ダンジョンか…アディルさんからああ言うお願いが来たってことはディラストの地方領主との戦争はひとまず終了したってことだろうから。
アストが襲われることはもう無いと考えて良いだろうし、それも良いか。
お手ごろな特級ダンジョンがないか夢の世界の素材を売りに行くがてらシエラさんに話を聞いてみるか。
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