第149話
「コレがその睡眠薬だよ」
ジュリアナさんから夢の世界に行くために必要な睡眠薬を受け取る。
早速、夢の世界に行くための寝巻きに着替えて睡眠薬を飲んでベットに入って目を閉じた。
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「うーん1面パステルカラー」
しっかり夢の世界のこれたようだ。
10分の1の確率で悪夢の世界に行っちゃう可能性もあったし、ちゃんと夢の世界で良かった。悪夢の世界と違って夢の世界は敵対的な魔物はいないので警戒せずに採集に集中できる。
地面が紫だし木は水色、ピンクの雑草が生えている。なんと言うかファンシーな世界観だ。
画面越しで見たことはあるけど、リアルで見るとすごいインパクトだな。
「とりあえずウェイクアップルが運良く近くにあるし採集しておこう」
ウェイクアップルは意識を覚醒させて夢の世界から帰る時に必要なりんご。
帰りたい時はウェイクアップルを食べるだけで帰れる。
逆に言うとウェイクアップルが万が一見つからないといつまでたっても夢の世界から帰れない。ウェイクアップルは沢山生えてるからそんなことにはならないと思うけど。
味見してみたいけど食べたら現実に戻ってしまうので味見ができない。
地味にトラップだよね。
「地味にこの木材も安眠ベットの骨組みに使うから伐採しとくか」
夢の世界で手に入る素材は基本睡眠関係の効果がある素材なのでみんなだいたいこんな感じ。
その後もラベンダーやらミントを採集しながら目的の素材を探す。
「ユメクイだ」
ユメクイはバクの姿をした魔物でユメクイは悪夢の世界に行く確率を下げる効果のあるアイテムの素材になるので倒しておこう。
こっちから攻撃しなければ敵対しないから1匹だけ狩らせてもらおう。
「グリンカムビもいるじゃん」
グリンカムビは北欧神話に登場する鶏。
ヴァルハラの英雄達に朝を告げておこす仕事をしている鶏だったかな?
という事でグリンカムビの魔石は例の絶対目覚めさせる目覚まし時計の材料になる。
あと羽は羽毛布団に使ったり、ダウンに使う。
グリンカムビはポップするのが稀。絶対に確保しなくちゃ。
レアだけど特に強いわけではないのであっさりグリンカムビを倒して確保する。
「何回か来ないとグリンカムビとは遭遇できないと思ってたからラッキー」
と言っても絶対に必要な素材ではないのでまた探索を再開する。
「やっと見つけた人参果(にんじんか)」
山を登っては降りて送り返すこと数回。
人間の赤ちゃんそっくりな不思議な実がなる木を発見した。
人参果とは食べれるようになるまで万年単位で時間がかかると言われている西遊記にでてきた人間の赤ちゃんそっくりの不思議な実。
西遊記では匂いを嗅いだだけで寿命が伸びるって言われていたけど。
そこまでの効果は無い。せいぜいお肌と血管の年齢が10歳ぐらい若返るぐらいの効果しかない。後は魔物を人に変えることができる。コレが今回は一番重要なポイント。
お肌と血管の若返り効果も大人気だろうから沢山採っていこう。
普通に半年ぐらいで実るみたいだし。
人参果を無事採集できたのでウェイクアップルを食べて夢の世界から脱出する。
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「ちゃんと帰ってこれた。良かった良かった」
目を覚ますとしっかり自室のベットに戻って来ていた。
「現世では1時間ぐらいか」
夢の世界ではもっと長い時間歩いていた気がしたけど。時間の進みが違うみたいだ。
ハーレムクエストと同じだな。
と言ってもゲームだとただのフレーバーって感じで流れる時間が変わるからなに?って感じだったけど。
「ジュリアナさんこれ例の薬の素材だから保管しといて」
俺が起きるのを待っていたジュリアナさんに人参果を山なりに投げてパスする。
「ちゃんと見つけられたみたいで良かっ…うわぁ」
人参果の見た目にビビったジュリアナさんがてから人参果を落としてしまう。
「ヒロちゃん人参果はちゃんと複数持って帰ってきた?」
地面に落下して行った人参果はいつの間にかシロナさんの手の上にある。
「当然です。人参果の効果を話したらなんでもっと持って帰って来なかったって総スカンくらいますからね」
女性の美容に妥協というものは存在しない。
「そりゃお肌と血管の年齢が10歳若返るんだから誰だって欲しがるでしょ」
シロナさんが人参果の効果を話すとジュリアナさんの視線が人参果に釘付けになった。
正直うちの女性陣使う必要ないと思うけど。
うっかり口に出したら正座でお説教コースなので口にはださない。
「そうだ。キングトレントの樹液も渡しとくね」
ダンジョンを壊したお礼で貰ったキングトレントの樹液も今のうちにジュリアナさんに渡しておく。
全部で10Lぐらいあるので今回の薬以外にも使える量があるから、そこら辺は自由に使ってもらおう。
これで残りは浮遊大陸にある素材だけだ。
まだシェイプシフターとエレメンタルドラゴンが争ってるのかな?
実力差的には既に終わってる気もするけど。
後はアディルさんたちもそろそろ争いを終わらせて帰ってくるころかな。
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