第145話

(サハギン多すぎだろ。ほんと何のつもりなんだ?それにこれだけ沢山のサハギンがいるのに上位種が一体もいないなんて異常だ)


ダンジョンを破壊するためドンドン深く潜って行き現在水深200m地点。地球だと深海と言われる水深。

日光は完全に届かなくなり、手持ちのライトだけが頼りだ。

魔力視があるのでライトの明かりがとどかない距離からの攻撃も事前に察知することもできるけど。魔力視は凄い目が疲れるので長時間使用しっぱなしはかなり辛い。

帰ったらMP交換で目薬を交換しよう。

リストで目薬なんて見たことないけど。

これが終わったらメフィルス様にお願いして追加してもらおう。


……もしくは回復ポーションを目薬代わりに使えば全部解決?


そんな感じで現実逃避をしながら深く潜るにつれて数がねずみ算式に増えていくサハギンを倒していく。

しかし、既に1000以上のサハギンを倒しているのに上位種が一体もいないってのは少しおかしい気がする。

倒したサハギンは全てストレージに仕舞ってて収納リストにサハギンの上位種の名前がないので俺が見逃してるってことはないはず。

ダンジョンが本当にサハギンしかポップさせてないってことなんだろうけど。


ダンジョンは海底水深300m付近に入口の石碑があるって聞いたけど。

あと100mも潜るわけか……

その頃になったらどれだけのサハギンが待ち構えていることか……


まぁ、フレンドリーファイアを考えるとサハギンたちが一度に槍投擲で攻撃してくる数には限度があるし、数が増えてもそんなに変わらないと思うけど。

むしろ水中にいることで大幅に上昇している移動速度を活かせなくなるからただの的って考え方もできる。


実際、さっきの戦闘がそんな感じだった。


(それでもダンジョンの外なのにサハギンしかいないのはやっぱり不気味だ)


元からこの海域を縄張りにしてた魔物とかが見当たらない。サハギン達が数の暴力で倒したのか?

もしくは姿を現さないだけでヤバい魔物がサハギンたちのバックにいるとか。

もしそうだった場合単にサハギンの上位種みたいな楽な魔物じゃないだろうな。


1人で真っ暗な海を潜り続けるってのはかなり精神的に来るものがある。

正直潜水する速度をどうにかしてあげて早くダンジョンを片付けてしまいたいけど。

そうやって焦ると酷い目に合いそうだ。

そう言い聞かせて気を張ってゆっくりと潜水しているわけだけど。

それはそれで精神を消耗する。

ダンジョンの中とかもっと危険な場所に普通に行くのに。正直今回がいちばん精神的にキてる気がする。

神が係わってると事前から予想がついてるからかもしれないけど


やっぱりこの場に1人しかいないってことが大きいんだろう。


(あ〜あやになっちゃうな)


この後も海底にたどり着くまでゆっくりと潜水を続けた。


(ようやく海底が見えた。3時間ぐらいか…

それにしても流石ファンタジー。水圧を全然感じないし)


普通のスキューバセットじゃこんなことできないからね流石魔道具。


(問題はこの広い海でたいして大きくもない石碑を見つけるのにどれだけ時間がかかるかだけど…)


これに関しては石碑を探すのではなく。サハギンを辿れば見つかるだろうと思っている。


サハギンがいっぱいいすぎて訳わかんないけど。どの方角から補充が来るかとかそう言うのを見ておけばある程度場所が絞れるだろう。


少しでもサハギンの数を減らすために魔導機関銃・氷弾を撃ち続ける。


後片付けが面倒臭いからやらなかったけど。海水ごと凍らせるか。


(【氷獄】)


まわりにいるサハギン達が海水ごと凍りつく。


一々解凍するのは面倒なのでストレージに丸ごと収納する。


凍った海水ごと収納したので、海水がない空間が生まれてそこに海水が流れ込む。

結果、右へ左へ流れが発生して流される。


今自分がどこにいるのか分からなくなったけど一気にサハギンを減らしたおかげで、みんな同じ方向から近づいて来るサハギンを発見する。


(見つけた!)


現在進行形でドンドン溢れてきているサハギンを殲滅しながら、ようやく見つけた石碑に近づきダンジョンに侵入する。


(これはダンジョンというよりダンジョンの機能を利用したサハギン生産工場だな)


侵入したダンジョンは海水で満たされていて上下左右岩壁に囲まれた空間。部屋の中心に浮かぶ謎の謎の水晶玉以外何もない。

ダンジョンと言うより、ダンジョンの機能を利用しているだけと思ったのはそのためだ。



謎の水晶からサハンギンが飛び出してきて外に出るための転移魔法陣向かって移動してくる。


たぶんあの水晶玉がダンジョンコアってことだよな。


(【氷獄】)


外でやったように海水ごと全て凍らせてストレージに収納する。


「海水が復活しないからようやく喋れる」


凍った海水ごと収納した後新しい海水が増えることが無かったのでレギュレータを口から外し久しぶりに声をだす。

しかし、海水が増えないのはダンジョンコアを壊してここがダンジョンじゃ無くなったからだよね?

いつまでもここにいたらダンジョンの崩壊に巻き込まれるんじゃ…

早く脱出しないと、と思った瞬間大きな揺れが発生して岩壁のあちこちに亀裂が入る。


マジでやばいと思い転移魔法陣に乗ってダンジョンから脱出した。



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読んで頂きありがとうございます。



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