第140話

「釣りはできなくて残念だったろうけど。もうひとつの目的は達成できた?」


「1匹だけだけどね手に入ったよミニチュアシーホース」


「それは良かった。でも1匹分だとアイギスちゃんの分が足りないからまた探しに行かないとね」


「最初からそのつもりだよ。釣りだってリベンジしたいし」


と言うかシロナさんがこう言う言い方するって事は魔物を人間に変化させる薬はこの世界にもちゃんと存在するってことだな。

ハーレムクエストと細かいところはかなり違うからその薬が存在しないって最悪のパターンも有り得たし。

ここで存在するって確証が得られたのは大きい。


「まぁアイギスちゃんがその薬を使うのは、まだまだ先だと思うけど」


男性女性関係なく魔物が人になると今までの種族がジョブになる。


プラムの場合〈種族 ドラゴニアン〉

〈ジョブ キングトプス〉と言った感じだ。

ドラゴニアンと言うのは龍種、亜龍種 、偽龍種が人種になった場合の特殊な種族だ。

魔物だった時のスキルの引き継ぐだけでなく新しいスキルを覚えることもある。


魔物から人になった場合、男女関係なくスキルの宝珠でスキルを覚えるシステムじゃなくて、ジョブについてキャラレベルをあげるとスキルを覚えるシステムだ。


このジョブの部分がシロナさんがアイギスが人になるのはまだまだ先になるって言った理由なんだけど。

魔物から人になった人のジョブは一生変えられない。


もし、アイギスが今人になった場合。

ジョブはピュアドラゴンで固定になってしまう。

人になってから進化の実を使ってもジョブがピュアドラゴンの上位種に変わったりしない。

なのでアイギスが人になるのは魔物として最終進化してからだ。


キングトプスはトリケラトプス系の最終進化

なので問題ない。


もっともアイギスにはまだこの話はしてないから、アイギスは人にならなくていい寧ろ魔物のままでいたいって言うかもしれないけど。


「それはないと思うよ〜プラムちゃんが人化できることを知ってすっごい羨ましそうだったし。今も必死に人化の練習してるもん。あっこれヒロちゃんを驚かせたいから秘密だったんだ!忘れて?」


出来るだけ善処はしよう。


「ヒロちゃんはこのまま薬の材料集め続けるために浮遊大陸を目指すの?」


「元々、浮遊大陸に行きたいなって思ってたしそうなるかな?今、浮遊大陸に行くことはまずかったりする?」


なんとなく浮遊大陸に行って欲しくなさそうな雰囲気だな。


「う〜ん、ヒロちゃんなら今のタイミングで浮遊大陸に行っても問題ないだろうけど。今浮遊大陸が浮いてるのはアストからかなり遠くだし。龍種に化けたシェイプシフターが暴れてるから確実に戦闘になるよ?」


シェイプシフターとは魔物や人など様々な生き物の姿に変身することができる魔物。

ステータスをコピーとか言うチートでは無いけど。変身元の一部スキルを使えたりするのでまぁまぁ厄介。


龍種に化けたとなると龍種程の耐久力や防御力がなかったとしてもブレスなどの強力なスキルをコピーしているはずなので所詮偽物と舐めてかかると痛い目を見る。


「それは逆にシェイプシフターを倒しに行った方がいいじゃないの?って思ったけど。

この世界の浮遊大陸にもクラウドドラゴンがいるの?」


ハーレムクエストの浮遊大陸には人に友好的な龍種の巣があった。その龍種が風属性の龍種最強のクラウドドラゴンだ。


「何百年か前にさらに進化して今はエレメンタルドラゴンになってるけどね」


火、水、風、地の4属性を極めることができるのがエレメンタルドラゴン。

当然クラウドドラゴンより強い。

そんな龍種がいるならシェイプシフターごとき何体いようと問題なさそう。

むしろエレメンタルドラゴンの攻撃に巻き込まれたくないので大人しく浮遊大陸に行くのは延期しよう。


「ってなるとほかの素材か…夢の世界に行くための薬品の材料のワンダーマッシュルーム探しかな?」


ハーレムクエストにはワンダーマッシュルームの成分を抽出して作ったポーションを飲んで寝ると行ける別ディメンションが存在する。


そのまま夢の世界〈 ドリームワールド〉って言うなんのひねりもない名前だけど。

当然ここにしかない素材の採集ができる。

その中に魔物を人間に変化させる薬の材料が含まれてる。

ただ10分の1の確率で悪夢の世界〈 ナイトメアワールド〉こっちもそのまんまの名前。

に行ってしまう。

悪夢の世界にいる間は強制的にキャラレベルがレベル1になったり、ずっとお化け系の魔物に追っかけられたりとろくな世界じゃない。

けど。悪夢の世界にしか手に入らない素材って言うのもしっかり存在してる。


デバフ系のアイテムの材料だから絶対必要って感じじゃないけど。


「夢の世界ね。ヒロちゃんどこで採集できるか知ってるの?」



「知らないから。シエラさんに聞きに行こうかなって」


冒険者ギルドのギルドマスターならそう言う情報も知ってるだろう。


「なるほどね。冒険者ギルドのギルドマスターなら確かに知ってそうだね」


という事で冒険者ギルドに向かった。



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読んで頂きありがとうございます。






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