第139話
「サハギンって素材として使える場所あるのかな?槍は使い道あるだろうし持って帰るのは確定として」
ハーレムクエストではサハギン自体は素材としての使い道がなく。手に入れられるのはサハギンが投げ槍として使っていた三つ又の槍だけだ。
魔力を込めたあとに投げれば着弾後手元に戻ってくると言う効果がついてるから、槍だけでもじゅうぶんな戦利品なんだけど。
槍にそんな効果がついてるからゲームだとサハギンとのエンカウント率は低めだったし。
サハギンとエンカウントしても全員が槍持ちという訳では無いので手に入れるにはさらに運要素が絡んでくる。
完全上位互換の槍も存在したからそこまで確率が低い訳じゃないけど。
「それが20本も一気に手に入っちゃったよ。それにしても家に槍を使う人いないんだよね。全部売却するか?飛び道具として優秀だし半分残しとくか?いや、そもそもこのご時世武器を売るのはやめた方がいいか」
既に戦争が始まってたり、ちょっとしたことで更なる戦争が勃発しそうな微妙な情勢の時期にそれなりに性能が良い武器を売るのは宜しくない気がしたので売るのはやめた。
アディルさんとは上手くやってるし、リアウタン王国に直接売るのはありかも。
「槍じゃなくてサハギン自体に素材として価値があるのかって話だったな」
この世界は全てがハーレムクエストと一緒という事ではないので、サハギンにも使い道があるかも?と思ったのだ。
最終的にはストレージが使えるんだから持って帰れば良いじゃんということになった。
素材として使えなくてもMPの変換しちゃえばいいんだし。
「それにしても魚を釣りたかったんだけどな〜」
前半はしっかり釣りだったけど、後半は魔物との戦闘になってしまった。
今から釣りを再開しようにも魚なんて戦闘にビビってこの辺りにはいないだろうから釣れないだろうし。
今日はもう帰ろうという事で転移でアストに帰還した。
「ただいまー」
「おかえりなさいヒロちゃん。あの辺だったらシイラとか釣れるはずだけど、どうだった?」
誰かいるかなと思ってリビングに行くとシロナさんがお煎餅を食べながら緑茶を飲んでいた。
と言うか鮭釣ってきてとか言っときながら、何が釣れるか知ってるのね?
「だってネタバレされたら萎えるでしょ?」
自分で事前に調べて知ってるなら問題ないけど。調べてないのにネタバレされるのは嫌だな。
魚ごとに釣れやすい仕掛けとか全然違うから先の調べておくのは重要なことだけど。現地でどの仕掛けを使えばいいか考えながら釣りをするのも楽しいからね。
「まぁね。でも結局、サハギンの群れがいてね。釣りどころじゃなかったよ」
「あらまぁ。運が良いのか悪いのか…槍は手に入った?」
「それがなんと20本手に入った。これって普通じゃないよね?」
「普通じゃないね〜。メフィルスに調べるよう言っておかないと。また誰かが暗躍している可能性があるから」
それって結局俺が対処しなきゃいけないやつかな?
「とりあえず。海羽の槍見せてくれる?」
海羽の槍とは当然サハギンが持っていた三つ又の槍のことだ。
シロナさんの言う通り20本全てテーブルの上に置いた。テーブルの上に置く前にピュリフィケーションで綺麗にしてあるのでテーブルは汚れない。
「〈海羽の槍レプリカ〉ねぇ。十中八九神が関わってると思う」
「レプリカ?」
「そうレプリカ。本来の海羽の槍より性能が何段階も低い代わりに、どのサハギンでも生み出せることができるって感じみたい。本来はサハギンの中でも個体値が高い者だけが生み出せるのが海羽の槍なんだけど…」
そんなことできるようにするのは人では不可能だろう。シロナさんの言った通り神が関与してるんだろう。
「海羽の槍レプリカは証拠品としてメフィルスに送り付けるとして。レプリカの代わりとして本物を同じ数用意させるか。ネプチューンを1本用意させるかどっちがいい?」
「ネプチューン一択」
ネプチューンは海羽の槍の完全上位互換と言われる槍の1つ。
同じ三つ又の槍で投げると使用者の手に戻ってくるだけでなく、槍の穂先を氷で被い貫通力をアップさせる。
貫通力はそのまま、刺さった後に刺さった対象を徐々に凍らせると言う効果までついている。
グングニルとかゲイボルクなど属性が違うだけで似たような効果を持つ槍も存在する。
「だよね〜。プラムちゃんは槍を使うみたいだしちょうど良かったね」
へ〜プラムって人間の姿の時は槍を使うんだ。
キングトプスの攻撃は角を使った突き攻撃か植物魔法っていう植物を操る魔法を使った攻撃が基本だから確かに槍を使うって言われても違和感ないかも。
ちなみに植物魔法は家庭菜園にいいかもと思ってSP交換でスキルの宝珠を交換しようと思ったけど存在しなかった。
どうやら特殊な種族しか覚えられない魔法ってことらしい。
ハーレムクエストでもそうだったからこっちの世界ならもしかしてと思ったけどダメだった。
まぁ、プラムがいるんだからお願いして植物魔法を使ってもらえば良いだけだ。
新しい厄介事の気配がするけど。性能のいい槍が手に入ったと喜ぶことにしよう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
読んで頂きありがとうございます。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます