第132話
「ゴブリンがチョコ?」
「あれはチョコブリンという魔物です。全身銀色なのは銀紙で覆われてるからです。
ゴブリンの姿をしていますが。実際はチョコゴーレムでゴブリンではありません」
シロナさんが他の入手手段があるなら食べないって言ってた理由を理解した。
なんでわざわざゴブリンの姿させちゃったんだろう。
姿を似せてるだけだから臭かったり、まずかったりする訳じゃないんだろうけど。
ゴブリン=そう言う認識だからどうしても食べるのに躊躇してしまう。
本物のゴブリンの肉は餓死寸前だったとしても自分から口にすることはないって言われてるぐらい激マズらしいからね。
「それにしたってなんでゴブリンの姿にしちゃったんだ…」
「メフィルス様がチョコブリンという語感が気に入ったかららしいです」
そんな理由で生まれたのかあのチョコブリンは。
「と言うか。ハーレムクエストに存在しない魔物はメフィルス様が考えてるの?」
「全てではないですけど。メフィルス様が原案の魔物は多いですね」
神界では数百年にこんな魔物がいたら良いんじゃないか?と言う案を集めて、その中から
数種類創り出したりってことをしてるらしい。
俺の考えた最強の魔物だったり。ウケ狙いの魔物とか。
考えたり、他の神が考えた案を見たり中々楽しい娯楽として人気らしい。
もう色々スケールがデカすぎる。
と言うか神の考えた。「俺の考えた最強の魔物」なんて実装されたら現世大混乱だろう。
「なので基本選ばれるのはウケ狙いの魔物です」
「チョコブリンもウケ狙いの魔物だったんですね」
「はい。ゴブリンの姿なのに美味しいのと。チョコブリンという語感がポイントらしいです。メフィルス様が言うには」
一応、この世界にはカカオが存在しないのでチョコブリンが唯一チョコを手に入れる方法らしい。
そう言う意味では凄い有用な魔物だけど、率直に感謝はできない。
もし、カカオが存在しててもそれをチョコにまで加工するのは簡単では無い。
そう言う点でも最初からチョコのチョコブリンは優れてるけど。
ゴブリンの姿をしているその1点が全てをダメにしている。
「2人ともいつまで話してるの?コカコッコ達もどうして良いか分からなくてチョコブリンに追っかけられながらグルグル走ってるよ?」
そうだった。チョコブリンについて話をしている場合じゃなかった。
「そうでした。ヒロキさんチョコブリンはチョコなので熱に弱いです。溶けないように火や雷以外、出来れば氷を使った攻撃で倒してください」
確かにチョコなんだから熱に弱いのは当然か。
「【氷槍】」
氷の槍でチョコブリンの頭を貫く。
「ヒロキさん。チョコブリンはゴーレムです。頭ではなくコアを破壊しないと倒せません。後、貴重なチョコを減らさないようにコアのある部分以外攻撃しないでください」
そうだったゴブリンの姿をしたチョコゴーレムだったな。
魔力視を発動させてコアの場所を特定する。
ゴーレムのコアはゴーレムを動かす魔力生成機なので魔力視を使えば場所を特定出来る。
「左足の太もも部分か【氷槍】」
氷の槍がチョコブリンの左太腿を貫く。
コアを失ったチョコブリンは地面に倒れた
チョコブリンの銀紙を剥ぐと中はしっかりチョコレートだった。
まぁ、氷槍で攻撃した後からチョコが見えてたけど。
「セラフィムさんどうぞ。俺はMP交換があるので全部持って行ってください」
俺にはme〇jiの板チョコがあるのでチョコブリンはいらない。
「ではありがたく」
セラフィムさんもストレージ的なスキルを持っているみたいだ。
セラフィムさんがチョコブリンに触れるとその場から消えた。
神界で働いてた大天使だしそれぐらいできて当然なんだろう。
「1匹分じゃまだまだ足りません。どんどん先に進みましょう」
マジで言ってる?1匹だけでも1人で食べるなら数ヶ月あると思うんだけど。
まぁ、セラフィムさんが欲しいって言うなら付き合おう。チーズ鉱石も見つかるだろうし。コカコッコはもうテイムしなくて良いかな。アストの家で飼うとなると、もうスペー
スの確保が難しい。
チョコブリンを求めてダンジョンを進む。
コカコッコ達が途中、壁にチーズ鉱石を見つける度に立ち止まって採掘しながら進んでいるので思った以上に進まない。
もうチーズ屋さんを始められるぐらいチーズを手に入れた。
チョコブリンもしっかり討伐してセラフィムさんが回収してる。
「チョコブリンってホワイトチョコタイプもいるんだ…」
倒したチョコブリンの銀紙を剥がすと、ホワイトチョコだった。
「ホワイトチョコブリンですね。通常チョコブリンの10分の1の出現率しかないレアチョコブリンです。ちなみに20分の1確率でストロベリーチョコブリンという更にレアなチョコブリンが出現することもあります」
なんでそんなに種類が豊富なのチョコブリン…
しかもしっかりゴブリンみたいに上位種もいるらしい。
もうなんかなんでそこまでやっちゃったの?って気持ちでいっぱいだ。
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