第128話

「宝箱だ」


外にあるストーンアントの巣の可能性もあったけど。宝箱があるってことはやっぱりダンジョン内にあるストーンアントの巣だったようだ。


俺が知ってるダンジョンだろうし、アストダンジョンの7、8階層のどちらかだろう。


宝箱の確認をすると進化の実が1つ入っていた。

帰ったらハンゾウ達の誰かに使ってもらおう。じゃんけんかな?


進化の実をストレージに収納して上をむくとシロナさんの試練の間である闘技場に戻ってきていた。

転移していたことに一切気づけなかった。

どのタイミングで転移してたんだろう?


「おつかれ〜。この調子で上手く扱えるように頑張ってねー」


斬れ味は凄いし使えないなんて勿体ないしな。

最低限使えるようにならないと。


「じゃあ、家に帰りますか。進化の実も手に入ったみたいだし」


宝箱が進化の実だったってことも知ってるのね。


まぁ、刀の振り方でここはこうした方が良いとアドバイスされたし。見られてたんだろうなずっと。


「次に進化の実を使うのはカワサキに前から決まっていた?じゃあ、どうぞ」


進化の実が1つだけ手に入ったけど誰が使うと聞いたらカワサキが使うということなのでカワサキに渡した。


「コボルト・コックに進化したようですね。私も初めて聞く進化先ですね」


カワサキは進化の実を使って150cmぐらいまで大きくなった。

外見以外、詳しいことは見ただけじゃ分からないのでサテツに鑑定で調べてもらう。


コボルト・コックか…まぁカワサキは料理担当だったし妥当な進化とは言えるけど。

コボルト・コックなんて進化先サテツも初めて見たらしい。


まぁ、料理スキルが覚えられるみたいだしかなり当たりの進化先だとは思う。


ちなみに料理スキルは料理が上手くなるスキルではなく、食べたらバフがつくようになる料理が作れるようになるスキルだ。


ちなみに身長が上がったのは、コボルトサイズだと大人の人間が使うために作られたキッチンは使いにくいったら伸びたらしい。


「なるほど。これからも俺たちの料理を頼むなカワサキ」


お任せ下さい早速夕食の準備をしてきますとキッチンに向かって行った。


「ただいまー」


「ただいまーじゃないよ?ハルカちゃん。

昨日宿を借りて拠点をそっちに移したばっかりだよね?」


ハルカちゃんとセラフィムさんはお世話になり続ける訳にはいかないって昨日家を出てったばっかだったのに。


「だって和食を食べるならここしかないですし。ちゃんとお金は払いますよ」


ダンジョンで稼いでるだろうしお金の心配はしてない。


「お金の心配はしてないよ。今人間を見るとバーサーカーになっちゃう妖狐族の女の子がいるからいきなり攻撃されても良いなら」


「なにがどうなってそんな子がいるんですか?」


妖狐族の子は現状シロナさんには絶対服従。

人間以外のそれ以外の人は無視。

人間は視界に入った瞬間殺そうとする。

こんな感じでかなり精神がぶっ壊れてしまっている。


1度攻撃されてから俺は関わらないようにしてるから今どんな状態か知らんけど。

ハルカちゃんもセラフィムさんも天使の輪っかと羽を隠している状態だからパッと見人間だし。妖狐族の子の視界に入ったら躊躇なく攻撃されるだろう。

正直ふたりが怪我するとは思わないけど家が壊れるのが困る。


「人間に不意打ちで襲われて妖狐族最後の生き残りになった挙句。人間に対する恨みを利用されちゃってちょっと自暴自棄になっちゃってるんだよね」


妖狐族はどんなジョブについてても【狐火】っていう火属性の妖術の1部を使えるようになる【妖術】の下位互換スキルを確定で覚えているため。かなりの強いみたい。

だけどレガリアまで使って攻め込んで来たらしく。

抵抗虚しくやられてしまったらしい。


「そんなことがあったら、そうなって当然ですね。それにしてもかなり物騒ですねこの世界」


魔物との戦争以外にも結構人類同士の争いも起こってるみたいだしね。今もディラストVS多国籍軍で戦争が起きてるし。


「たぶんだけど巻き込まれることになると思うから覚悟しておいた方がいいと思うよ?」


ハルカちゃんも俺みたいに色んなことに巻き込まれる運命だと思うから今のうちに覚悟をしておいた方がいい。


「ダンジョン攻略でお金を集めて可愛い女の子とイチャイチャしていたいだけの人生なんですけど…無理ですかね?」


「無理だと思うよ。ほら、ラノベ主人公気分を味わえるよ」


「スローライフ系主人公を希望します」


だよね〜俺もそれがいい。

まぁ、反メフィルス派をどうにかするまでスローライフは無理だと思う。

それにスローライフって逆に忙しかったりするんだよね。

まぁ、畑仕事だったり畜産仕事だったりDIYだったり楽しい忙しさ?って感じだけど。


「まぁ、今日は肉じゃがって言ってたし。いまさっき夕飯の準備を始めるって言ってたから、今すぐ人数が増えるって言えば用意できると思うから歓迎しますよ」


ハルカちゃんは俺よりハーレムクエストの知識があるから、それが聞ける機会は貴重だしね。

それにしてもハルカちゃんJKのはずなんだけどな〜。



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読んで頂きありがとうございます。





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