第127話
「普通に自分が戦うより疲れる」
「でも、練習にはなるでしょ？」
とりあえずつぎは浮遊大陸探しに行こうって思ってたけど。ちょうどいいしヒロちゃんの妖術ちょっと見てあげる！と言って試練の間に拉致られて魔法、妖術、妖魔混合術縛りで
戦闘訓練中だ。
しかも影法師で作り出した分身を精密操作して。
これなら手加減する必要ないし、術の練習にもなるからちょうど良いかららしいけど。
なんと言うかラジコン操作している感じ？
精密操作中は本体の自分は動けないほど操作に集中するから練習以外では使えないけど。
「と言うかなんでシロナさんの妖術は途中で変わったりするんですか？」
火槍が飛んできていたのに直前で火砲に変わったりは当たり前。
火槍が氷槍や雷槍、土槍みたいに属性すら変わったりする。
技名の詠唱もしてないし。
「魔力で作られたものだから変換もしようと思えば出来ちゃう訳なの。結局想像力次第。後は魔力操作も重要。レベル10になっても完璧な魔力操作ができるって訳じゃないし。寧ろレベル10がスタート地点？」
魔力操作が上手くなるように毎日魔力を循環させたりして練習してるよ？
「体内の魔力をただ動かすだけが魔力操作じゃないってこと【魔力視】使って視れば気づけるんじゃない？」
言われた通り魔力視を使ってシロナさんを見てみると、右手に集まってる魔力だけ濃い？
それとも質が高いと言えば良いのだろうか？
まぁ、とにかく右手に集まってる魔力だけ異質。
魔力操作でその異質な魔力を作ることができるってことか。
「自分の魔力を圧縮して魔力の質を擬似的に上げることも、魔力操作が上手くなれば出来ちゃう訳。まぁ適当に圧縮魔力って呼ぶけど。圧縮魔力を使えばレベル10以上の魔法や妖術ならそれだけで火力を上げられるし、コスパもちょっと良くなるからオススメ」
ただし、魔力を圧縮するという工程が増えるから発動までに時間はかかるようになる。
魔力の圧縮に慣れれば気にならなくなるらしいけど。
「まぁ、魔法、妖術要素はここまで。つぎは近接戦闘の訓練って訳でこれ使ってね〜」
そう言って日本刀を手渡された。
「それは神打・小狐丸」
真打ではなく神打。神がみずから鍛えた刀のことを神打と呼ぶらしい。
それってレガリアだよね？
そんな練習ように使ってみたいなノリで渡すものじゃないよね！？
「いやいや、練習用にぴったりなんだなこれが」
と言うのも神打・小狐丸はそれこそ人間でも神にダメージを与えられるぐらい素晴らしい切れ味をしているらしいけど。少しでも斬るときの角度が悪いと一切斬れずに刀身が砕け散るらしい。
それ、練習用じゃなくて天才が使う刀でしょ？
俺なんかが使ったら1回でダメにしちゃうよ？
「大丈夫自己修復機能がついてるから。小狐丸を砕かずに魔物が斬れるようになれば一流の刀使い。分かりやすいでしょ？」
わかりやすいけど！？絶対練習用じゃない。それだけは何度も言い続ける。
「それじゃ、早速実践あるのみ頑張ってねー。後、【雷化】【思考加速】以外は使用禁止。ちゃんと小狐丸で倒してね」
いったい何と戦わせるつもりか聞こうとしたら転移でどこかに飛ばされてしまった。
「ってもしかしなくてもストーンアントの巣のど真ん中かここ」
転移してきた場所は洞窟のような場所で一瞬何処なのか分からなかったけど。
すぐにストーンアントが押し寄せて来たのですぐに察した。
「【雷化】【思考加速】」
とりあえず、小狐丸を構えてストーンアントに接近、袈裟斬りの要領で斜めに斬りつけようと試して見たけど……
「綺麗に刀身が砕け散ったな」
刀身がハンマーで叩かれたガラスみたいに砕け散った。当然ストーンアントは無傷だ。
「なんで最初からこんな数がいる魔物で練習させるの！？」
雷化を使っているのでストーンアントが追えない速さで動いて距離をとることはできるけど。
ストーンアントがどんどん集まってくるからすぐに逃げるとこ無くなっちゃうよ？
とりあえず1人でも減らさないと……
小狐丸を確認すると既に刀身は復活していた。
刀身はすぐに復活するみたいなので、考えるんじゃなくて数を試してみることに決めた。
あんまり考えて戦う方じゃないし、数をこなして体の覚えさせるか。
「コレで最後！」
最後のストーンアントを小狐丸で斬り倒す。
5000匹以上も斬ったおかげで最後の方は小狐丸の刀身が砕けるのも5回に1回ぐらいまで減っていた。
まぁ、それでも多いと思うけど。
上手くなるには刀を使う才能がある訳じゃないからこれからも実戦形式で数をこなすしかないだろう。
「それにしても修復機能付きの武器ってことは小狐丸でなら爪斬撃系をノーリスクで使える？」
現状では雷の篭手の効果で作り出せる雷の剣でも使える雷の爪斬撃ならノーリスクで使えるけど、他の属性は無理。
けど小狐丸ならって思って試して見たけど、どの属性の爪斬撃も発動しなかった。
今は雷化と思考加速以外使っちゃダメって言われてるから使えないのかな？って思ったけど。雷の剣で雷の爪斬撃は使えたし。
小狐丸では爪斬撃は使えないらしい。
何でもかんでも上手くはいかないな〜。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
読んで頂きありがとうございます。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます