第125話

「はい。という訳で森の中にいた偽龍種キングトプスはテイムしたので、魔物たちの行動も元通りになるんじゃないかな」


シロナさんの転移で例の森の中に転移。

「妖狐族そっくりな私がこの国で姿を見られるとちょっと面倒臭いことになるから私はここでヒロちゃんの帰りを待ってるね」と言われたのでアイギスとキングトプス1人と2頭で街に戻った。


恐らくその面倒事が妖狐族の女の子がこの街の領主に恨みを持つことになった理由なんだろう。

とりあえず今聞く必要は無い。


こっちから聞かなくても後で話してくれるだろう。


報告を済ませてこの街を出るために冒険者ギルドに直行。

森の中にいたキングトプスをテイムしたので魔物たちも徐々に大人しくなるだろうと報告した。


また、魔物の中でも特に温厚なキングトプスが暴れだした理由については不明と言っておいた。


まぁ、気になるなら冒険者ギルドが独自に調査するだろう。



「申し訳無いんですが。連れを2人プルーム王国に連れていかなきゃ行けないんですよ。今回は緊急性が高かったから寄り道したけど。これ以降の調査に関してはお断りさせていただきます」


報告はギルドマスターの執務室で行ったんだけど。

予想通り、現場の職員による調査のための護衛を頼まれたけど。それに関しては丁重にお断りする。


「ヒロキ殿の事情があるのは重々承知だ。

一体誰が仕組んだことなのかそれを明らかにしないと行けないんだ…妖狐族の為にも!」


まぁ、妖狐族が関係してるのはわかってたけど。シロナさんに話を聞く前にちょっと詳しい話を聞けそうだな。

盗聴されてたりすると面倒なのでアイギスの結界で外とギルドマスターの執務室を隔離する。


「妖狐族と言いましたか?貴方は何を知っているんですか?」


妖狐族って名前は有名だけど、隠れ住んでるからであったことがある人なんてごく1部って話だけど。

さっきの言い方はただ名前を知っていると言うよりか知り合いがいたって感じだし。


「信用して貰えるか分からないけど。これでも神獣九尾の狐の加護持ちでして。妖狐族の方たちになにかあったとするなら詳しく教えて欲しいんですが」



「おおかた、この街の近くにある妖狐族の隠れ里がここの領主に騙し討ちのようなかたちで攻撃されたとかですか?で、実際俺にいらしたいのは領主がやったという証拠を探して欲しいってところですか?」



ギルドマスターのなんで知ってるんですか!って顔をしてるからほぼ正解だったのだろう。

ってなるとキングトプスを妖狐族の女の子にに操らせて街を襲わせようとしていたのは自作自演?

そんなことする理由が分からないけど。


妖狐族の隠れ里を襲った領主以外の別勢力も暗躍していた?


「……知っていたのですか?」


「九尾の狐様も今回の件は大層お怒りになられている。今回の企てに加担した連中は相応の罰がくだるだろうな。って訳で特に証拠集めなんかしなくても、領主がほんとにやったんならもう未来はないよ」


森で待ってるとか言ってたけど今頃準備でも進めてるんじゃない?


「なんで特に俺たちがやることはありませんよ」


そんなことより領主がほぼ黒って分かったんだから領主御一行に絡まれる前に街から出てしまいたい。


放心状態のギルドマスターを放置して、昨日泊まっていた宿に鳴神達を迎えに行く。


宿で合流して外に出るために門に向かって歩き始めようと思ったら豪華な作りの馬車がこちらに向かってきていることに気づく。

もしかしなくても領主の関係者だろう。

このまま歩いて門に向かったら追いつかれてしまう。

万が一のためにシロナさんのところに転移できるように転移ポイントにせってしてきてるから、転移してしまおう。

もう空間魔法を持っていることはバレバレなわけだし、堂々と使ってしまおう。


「何やってるんですか?」


シロナさんはテーブルと椅子を用意して鶴を折っていた。


「妖術は大抵のことは出来ちゃうんだよこうやって」


シロナさんが完成させた折り鶴がパタパタと羽の部分を動かし始めたと思うと本当に飛び始めてどこかへ飛んでいってしまった。


紙のゴーレムって感じかな?


でもなんで今それを作る必要が?


「あの紙はこの国の悪事の証拠がバッチリ書かれたものでね。あのまま他国の王城まで飛んでいってもらった面白いと思わない?」


えげつないことするな〜。本物って信じるかは知らんけど。

紙を1枚見ただけじゃ誰かのイタズラって思ったりされちゃうんじゃないかな?


「これでこの国に対してやることはおしまい。後はキングトプスを使って街を襲わせようとした勢力の方だけど……こっちはどうやら相手にも神がいるみたいたいだからちょっと慎重になる必要があるかな」


反メフィルス派とでも言えば良いかな。

神も今回の事件に関わってるのか……


「まずはその2人をプルーム王国に送っちゃおうね〜」


シロナさんがそう言うとイリスさんとジャス君が消えた。

きっとプルーム王国に転移したんだろう。

結局、使えるスキルの宝珠をドロップするオススメの魔物のリストを渡す機会なかったな。


「渡してくれれば2人のいるところに転移させるよ?」


それしか方法ないか。

シロナさんに紙束を渡すと紙束は一瞬で消えた。


「じゃあ今度は私たちの番」


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読んで頂きありがとうございます。








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