第121話
「じゃあ、始めますね。突然私がいなくなると思いますけど、15分後ひょっこり戻ってくるので心配せずに待っててください」
ハルカちゃんがそう言うとメフィルス様の神像が発光してその光がハルカちゃんを包み込む。
光がおさまるとハルカちゃんは宣言通り消えていた。
ハルカちゃんの言った通り15分後に帰ってくるだろう。レガリアを貸した以上失敗はありえないし。
ルーシーさんを始め教会の人達は興奮した様子でメフィルス様の神像に祈りを捧げている。
神像が発光するなんてことが起きればこうなるのも当然か。
15分感何しよう。
それにしてもヴァンパイアの人が枢機卿にまでなってるって少し驚いたな。
ヴァンパイアは光魔法や銀が弱点という特徴からアンデッドだと言う人も多い。
それに対してヴァンパイア達は否定も肯定もせず、ヴァンパイア達だけの国を作って生活していて、よっぽどのことがなければその国以外でヴァンパイアを見ることはない。
ハーレムクエストではそんな感じの設定だったはず。
因みにハーレムクエストのヴァンパイアは血は飲まない。代わりにトマトが好物だった。
この世界のヴァンパイア事情も基本変わらないと思うからヴァンパイアの国以外でヴァンパイアに遭遇しただけでもびっくりなのに枢機卿にまでなってるとは驚いた。
と言うか。背中から羽を生やせる人種は天使ぐらいしかいないみたいな話したけど。
ヴァンパイアもだよね。
ルーシーさんの服もよく見ると背中が大きくあいている。
地球だったらかなり大胆な部類に入る服だろうけど、この世界はビキニアーマーを着た人が普通に外を歩いている世界だし全然普通の範疇だ。
あんまり女性を凝視するのもどうかと思うのでルーシーさんから視線を外して別にことを考える。
飛べる人種の時に出てきた鳥系獣人で思い出したけど。
この世界にも浮遊大陸は存在してるんだろうか。
ハーレムクエストにあった浮遊大陸は鳥系の獣人や人類に友好的な龍種が暮らす大陸だ。
その名の通り空中に浮かぶ大陸でそこにしか自生していない植物などが採取で来たりするマップだった。
当然飛行手段がないと行けない場所なので、結構レア度の高い素材が手に入る。
それとハーレムクエストの浮遊大陸は巨大な大陸がひとつあってその周辺に小さな大地がいくつの浮遊していて、小さい大地の方は家を建てたりして自分の土地として利用することもできた。
空中拠点って凄いロマンだよね。
アイギスと鳴神がいるんだし、探してみるのも良いよね。
でかいから目立つだろうしアディルさんに聞けば場所もわかるかも?
と言うかワイバーンをテイムしているテイマーがこの国にはいる訳だし、浮遊大陸と交流があるかも?
まずはプルーム王国に行ってからだけど。
このままだったら一生寄り道してプルーム王国に辿り着けなさそう。
「帰ってきたのかな?」
そんなことを考えながら待っているとまた神像が光りだした。
神像の発光がおさまるとハルカちゃんとセラフィムさんがたっていた。
「昨日ぶりです。セラフィムさん」
「昨日ぶりです。ヒロキさん。ハルカにアイギスを貸して頂きありがとうございます。おかげで手加減なしの攻撃を叩き込めてかなりストレス発散になりました」
あ〜それでか。ハルカちゃんの顔色があまり良くないのは。
「いくら大丈夫だと言ってもあれは怖いですよ。と言うかこれからはセラフィムさんが私と一緒に行動するってことですよね?ちょっとアイギスを手放したく無くなって来ました」
ダメージを受けないからってストレス発散の的にされたのが相当きてるらしい。
あげないけどね?
「ちゃんと返してもらいますよ?」
そう言うと俺が何をしたわけでもないのにレガリアのアイギスは手の上に瞬間移動してきた。自動で帰ってくる機能までついてるのか。
「安心してくださいハルカ。現世では力が制限されるのでさっきみたいなことはできませんから」
やること終わったし帰ろうってなったけど。
セラフィムさんとハルカちゃんが教会の人達に囲まれて崇められ初めてしまったので帰れなくなってしまった。
天使も信仰対象らしい。
アディルさんにこの場は任せて1人転移で逃げることにした。
関所に転移して関所を普通に通過してまた転移してと少し面倒臭いけど。犯罪者になりたくないので大人しくそうやって泊まっている宿に戻ってきた。
「1人で留守番させて悪かったね鳴神大丈夫だった?」
そう言うとこれでも主よりだいぶ年上ですからね?数時間1人で留守番ぐらい問題ないです。と言われた。
「そうだったね。それで誰か人が来たりした?」
領主の使いが来たらしいけど、今は転移でこの街から出ていると説明して帰ってもらったそうだ。
転移について隠さなくて良いって言ってあったからそれで問題ないだろう。
それより人を訪ねに来たら龍の姿をした精霊が出てきて、貴族の使いは相当驚いただろうな。
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