第120話
生き残ったワイバーンは致命傷をなんとか避けただけで、当然無傷では無い。
致命傷1歩手前と言った感じで飛んでいるのがやっとの状態だ。
「まだ、諦めて無い目をしている。良いね。ここでそのまま死ぬか、俺の仲間になるかどちらか選ばせてあげよう」
俺がそういった後にアイギスがひと吠えする。
俺が行ったことを龍語的なもので伝えたんだろう。
亜龍種も偽龍種もなんでそう言われてるかというと、姿が龍っぽいのもあるけど。
龍と同じ言語を使用してるっぽいからそう言われているって設定だったはず。
実際会話できてるみたいだし、間違って無いんだろう。
アイギスはちょっと残念そうな感じでグルゥと鳴いた。
どうやらダメだったようだ。
ワイバーンは最後の力を振り絞ってこちらに突進してきた。
俺が攻撃するまでもなく、アイギスが突進してきたワイバーンを前足の爪で斬り裂いた。
飛行手段は多い方が良いと思ってたから、仲間になってくれたら良かったんだけど。
あの感じじゃテイムスキルを使って成功しても、サテツ達やアイギスほど従順にはなってくれないだろうし、テイムスキルを使う前に説得を試みたんだけど……
まぁダメだったものは仕方ない。今は急いで関所に到達するのが目的だ。
関所の兵士には数時間前に通り過ぎた人物が焦って戻ってきたのでちょっと不審に思われたけど。
まぁ、問題なく通れたしOKってことで。
「『ビーコン4設置』これでいつでもここに転移できる。『転移・ビーコン1』」
アスト側に転移ポイントを設置することを忘れずに行ってからアストに転移した。
「遅れてしまい申し訳ございませんでした」
教会に行くメンバーは全員俺が転移ポイントに設定した部屋に集まっていたので、転移して直ぐに謝罪した。
「遅れることも考慮して、約束してあるから大丈夫だよ。大天使の聖弓を渡してるし。
なんだったら枢機卿まで来るらしいよ」
枢機卿って相当上の人だよね？上から2番目の役職じゃなかった？そんな上の人が来るとかちょっと聞いてない。
「教会所属のテイマーの従魔であるプテラノドンを使ってまで来てるから、相当ヒロキくんとハルカちゃんにあってみたかったんだろうね。まぁ、今日来てる人は良くも悪くも信仰深い人物だから心配はいらないよ」
主神メフィルスを信仰している人でかなり信仰深い人らしい。そう言う人って結構危ない人な事もあるけど。その人は無理に信仰することを強要したりする人物じゃないらしい。
メフィルス様を信仰しない人は全て敵みたいな危険思想も持ってないそうだ。
信仰第1すぎて、色々ぬけたところがあるのが偶に傷らしいけど。
今回もただ単純にメフィルス様から神託を受けた俺と神託をしてまで助けられたハルカちゃんにあってみたいだけだろうとの事だ。
枢機卿は何人かいて中には教会の発言力をあげるために俺とハルカちゃんを利用しようとする勢力も有るみたい。
そう言ったことを全く考えてないだろうその人が来るのはむしろプラスらしい。
「嬉しい誤算ってやつだね。今のうちに仲良くなっておけば、万が一教会と揉めた時に助けてくれると思うよ」
勿論、こちらが悪いことをしていないこと前提だけど。とアディルさんは付け加えた。
まぁ当然だろうな。
「その仲良くしておいた方がいい人物を待たせてしまっている訳だし。早く教会に移動した方が良いんじゃない？」
ジュリアナさんの言う通りだな。因みに今回教会に向かうのは俺、ハルカちゃん、ジュリアナさん、アディルさん、アディルさんの護衛の騎士2人の合計6人だアイギスもちっちゃくなってついてくるので6人と1匹か。
カエデさんとパニーは今日もダンジョンでキャラレベル上げに精を出している。
このメンツでそのまま街を歩くのは目立つのでアディルさんの馬車で教会に向かう。
「お待ちしておりました。カスケード辺境伯御一行様。私、枢機卿のルーシーと申します」
ルーシーさんはヴァンパイアだった。
ヴァンパイアはまだみたことなかったから
ちょっと感動。
「既に人払いは完了していますのでご案内いたいします」
ルーシーさんの案内でスムーズにメフィルス様の神像の前に到着した。
「じゃあ、約束通りレガリアを一時的に貸しますね。わかってると思いますけど、ちゃんと返してくださいね？」
丸型の小盾であるアイギスをハルカちゃんに渡す。
この瞬間、ハルカちゃんがアイギスを使って攻撃して来る可能性も十分有り得るのでかなり警戒している。
今がレガリアを手に入れる絶好のチャンスなわけだからなハルカちゃんからしたら。
正直、最初にレガリアを貸してあげるよとか軽く言ってしまったことを深く後悔している。
あの時は攻撃してくるかもとかそこまで気づけなかったんだよね。
だからと言って今更やっぱ貸すのは無しとか言えないし。
「ちゃんと返しますよ。ヒロキさんの許可ないとこのレガリアは起動しないみたいですよ。レガリアの所有を神が認めるってそういうことなんでしょうね。なので私がこのレガリアを使えるのは大天使の試練中のみです。そう言われて貸して貰ってますし」
レガリアにはそんな機能もあるのか。
ほんと色んな便利機能がついてるなレガリア
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
読んで頂きありがとうございます。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます