第118話

面倒くさそうな連中を振り切って邪魔が入らなそうな山の頂上で休憩している。

と言っても人の邪魔は入らないけど、魔物は襲いかかってくる。


まぁ、何も考えずに返り討ちにして良い分、魔物の方が楽で良い。


ただ、偶然通ったファイアードラゴンにアイギスが見つかってファイアードラゴンがアイギスに求婚しだした時はどうしようかと思ったけど。

尻尾を叩き斬ってやったら泣きながら逃げて行った。

追撃しても良かったんだけど、なんか可哀想だったからそのまま逃がしてあげた。

だって戦闘に入る前にそれはもうボロクソに言われてたからなアイギスに……


その八つ当たりで攻撃されたから戦闘になったわけだけど…。

攻撃してきたことは許さないけど。

あそこまで言われたらあんな感じでやけになるのも理解はできる。


「尻尾もちょんぎってやったしもう戻って来ることはないでしょう。それにしても龍の尻尾ってテールスープに使えるかな?それともやっぱりステーキにした方が美味しいかな?」


なんだかんだ言って龍種の肉まだ食べれて無いんだよね。


この尻尾でテールスープを作るならおっきい寸銅が必要だな。

帰ったらカワサキとどうするか相談しよう。

テールスープは手間がかかるから移動中に作れる料理じゃないし。


「ファイアードラゴンがこっちに向かって来た時は、ほんとに死んだかと思いました。改めて化け物ですね貴方は」


念の為レガリアのアイギスを起動させといたからこちら側がダメージを受けることはなかったけどね。

いずれバレるだろうけど、こちらからわざわざレガリアを所持しているなんて言わない。


「流石に龍種に対して一方的にボコボコにするのは難しいですけど。頑張ってスキルを集めれば男なら誰でもファイアードラゴンぐらい倒せるようになりますよ。そのスキル集めが大変なんですけどね」


女性だってレベルを上げて上位のジョブに転職すればファイアードラゴンぐらい倒せるようになるはずだけど。


この世界だと、有用なジョブについてる女性って凄い少ないんだよね。

転生の種のレア度が高くてあんまり手に入らないのと、上位のジョブに転生先に出現させる条件が分かってないんだろうか?


条件なんて俺も知らないけど。ハーレムクエストの女性は全部NPCだし、スキルを集めてしまえばソロで問題なく戦えるから、冒険に連れていかずに気に入ったNPCは自宅待機してもらってたからな〜。


ハルカちゃんなら条件とかも知ってるんだろうか?


知ってたとしてもタダで教えて貰える情報じゃないし。必要になったら聞けばいいや。


今、上位のジョブを転職先に出現させる情報とか流したら戦争が激化するだろうし。



「誰でもですか…それはそれで恐ろしいです」


「まぁ、スキルの宝珠をドロップさせる為に相当数の魔物を倒さないといけないし。簡単ではないですよ」


ひとつのスキルをレベル10にするだけでも数年単位の時間がかかるだろうし。

しかもそれはどの魔物がなんのスキルの宝珠をドロップするか知っていての話だ。


まぁ、このままじゃ男の人権が無くなりそうだから。善良でやる気のある人には少しぐらい情報を教えるつもりだけど。


ジャス君は奴隷になって酷い目にあってただろうに性格が歪んでないし。

教えてもいいけど、戦う意思があるかは微妙なんだよね。

後でイリスさんに教えておくか。

イリスさんならジャス君のこと手伝うだろうし。


ジャス君の体調も良くなった様なので、アイギスに乗って移動を開始する。


「それにしても人間の国の街に泊まるって大丈夫なの?」


「これから行く国は人間以外の人種にも比較的温厚な対応をしている国だから気にする必要ない。まぁ、初めて関わった人間の国がディラストならそう思うのも無理もないけど。全ての人間の国が他の人種に酷いことをしていた訳じゃない。それに人間以外の人種の国にだってヤバい国は存在する」


そりゃそうか。


「とりあえず。関所は正規の方法で抜けるので1度着陸しますね」


空を飛んでれば関所なんて無視できるけど、それをやると後々問題になる。

ここは大人しく関所を正規の方法で抜けるべきだ。


この関所が有る場所はアディルさんと同じ派閥の貴族の人の領地内だから、アディルさん経由で俺が関所を利用することは連絡が言っているし。もしもの時のためにアディルさんに書状も用意してもらった。


通過するために並んでいた人達には驚かれたけど、関所にはしっかり話が通っていたのでスムーズに通り抜けることができた。

と言うか身分確認に冒険者ギルドのギルドカードを見せるだけで簡単に通れた。


流石に人間の国の方の関所では身分証明した後に2つ3つ質問されたけど。

それでも高圧的な感じではなく、関所を通る人には基本質問するような内容だったので普通に答えた。


「高ランク冒険者の力が借りたい問題が起きてるか……」


近くの森の中から逃げるように魔物が現れる現象が多発していて、森の中を直接調査できる高ランク冒険者を探している街が有るらしい。


街の冒険者が偵察に行った時に偽龍種の物と思われる足跡を発見したらしく、生半可な実力冒険者では返り討ちにあう可能性が高く。

今は森から出てきた魔物を倒すぐらいしかできていないそうだ。


少し寄り道になるけど、人助けをしに行こうかな。高ランクにはなってるけど。特に冒険者ギルドの依頼を受けたりしてないし。

ランクを下げられることはないだろうけど、こう言う時は手伝った方が冒険者ギルドからの評価も上がるだろうし。


後は偽龍種と言うと地球で言う恐竜のことだ。生恐竜是非見てみたい。


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読んで頂きありがとうございます。

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