第112話


「いやいや待ってください。ヒロキさんは情報料として死霊王シリーズを譲渡することを約束はしていましたけど、大天使シリーズを譲渡するとは言っていません。貴方が大天使シリーズを手に入れるにはやっぱり私の大天使の試練を受ける必要があるはずです」


普通はそうだよね。でも今回に関してはここで大天使シリーズを渡してしまった方が面倒事が無くなる可能性が高いから渡しちゃうつもりなんだよね。

後はこの子に借りを沢山作っておけば、後で役に立つ気がする。

大天使シリーズ以外にも俺が知らないハーレムクエストの情報を持っている気がするし。


「セラフィムさん、大変申し訳ないんですが。ハルカちゃんには大天使シリーズのうち1つを譲渡するつもりです。まぁ残り二つは自力で集めて貰うつもりなんで、確かに大天使の涙が必要かもしれないですけど…」


俺が召喚できてしまう以上、ハルカちゃんは試練を受ず俺と交渉することで残りの大天使シリーズを手に入れることも可能。


「大天使シリーズは大天使の輪でしたっけ?それを装備すると天使に種族が変化するんですよね?」


死霊王シリーズはどれか1つでも装備すれば種族がアンデッドに変化するけど。

大天使シリーズは死霊王の王冠を浄化した

大天使の輪以外は装備しても種族が変化することは無いらしい。

それでもやっぱり天使に種族が変わるんだな。


「ヒロキさんの言う通り天使に変化します」


「なら、今すぐハルカちゃんには天使になってもらった方が都合がいい。メフィルス様のお気に入り的な説明をしちゃったからね。彼女が天使ならその裏付けになるでしょ?」


恐らくもう数十分もしないうちにもう一度リアウタン王国の女王陛下から双子水晶を使って連絡が来るだろう。

その時にさっきは言葉を濁したんですけど実は……

的なノリでハルカちゃは天使なんですよって説明したい。

天使は基本、神部下って認識なので戦争に使おうとディラストが天使を召喚し拘束。

それに切れたメフィルス様が俺を派遣したと勘違いしてくれるだろう。


それに最初にこの事を言わなかった理由は、この事をあまり大勢には知らせたくなかったからって勝手に思ってくれるだろうし。


その後、ハルカちゃんが天使だって隠さずに活動するかどうかは知らんけど。

そこら辺はハルカちゃんに自由に決めてもらえばいい。


「まぁ、俺からは装備としてレガリアのアイギスを大天使の試練を受けてる間に貸してあげるぐらいの援護しか出来ませんね」


一定時間耐えればいい試練ならアイギスを起動させておくだけでクリアできる。起動中は魔力を消費するから魔力回復ポーションも必要だろうけど、そのぐらいはオマケしてあげても良いし。


「なら、『エインヘリャル』ってスキルもオマケします。それでどうですか!」


必死すぎてセラフィムさんそんなに神界に帰りたくないんだなって感じがすごい。


「『エインヘリャル』は自分の分身体を作り出して戦わせることが出来るスキルです」


妖術の影法師みたいなスキルか。

中々優秀なスキルなんじゃないだろうか。

エインヘリャルって名前から俺が想像した効果とは少し違ったけど。

仲間を増やせるという点では想像通りだったな。


「それなら、九尾の狐の試練を受けて妖術を手に入れた方が……」


まぁ、そうなるよね。


「それは無理ですよ。現世に混乱を起こさないように神達には加護は1人にしか与えられない。更に1人に加護を集中させてはいけない。と言うルールがあるので」


俺が生きている限り、妖術を使える人類は俺1人だけって訳か。

まぁ、スクロールとか他の人が妖術を使う方法がない訳じゃないけど。

スクロールだって俺が作らなければ作れないんだし、俺以外が使えない事に変わりはないか。


「それじゃあ、妖術は諦めるしかないのか」


「そう言う訳です。因みにこのルールがあるからこそ、私の試練を受ける意味がハルカにも生まれてくるのです」


「独占出来るようになるわけですね。大天使シリーズを。ヒロキさんって言う規格外は除外するとしてですが。しかもこの話をこの国の貴族の人が聞いている意味も出てくる」


天使になれる装備品を作るために素材を唯一用意出来る存在って知られれば、国も下手な対応出来なくなるよな。


「しかも、ヒロキさんがアイギスを貸してくれるならクリア確実だし。確かに悪い話じゃないか……それに可愛いお姉さんがゲット出来るってことだよね?よくよく考えたら。

問題はレガリアを借りることによって更にヒロキさんに借りを作ってしまうことだけど。もう既に借りだらけだし、この際限界まで借りて環境整えてその後一気に借りを返す方向で行こう!」


女の子とキャッキャウフフしたいハルカちゃんからしたら、セラフィムさんを逃がす訳ないよね。

なぜその事に今さっきまでハルカちゃんは忘れてたんだろう?


実はセラフィムさんから少しでもいい条件を引き出すためにあえてああ言う態度をとってた?

実際、プラスでエインヘリャルってスキルを貰えるって条件勝ち取ったし。


まぁ、そのおかげでセラフィムさんの願いもかないそうだしよかったんじゃない?

それにこの世界では女の子同士がキャッキャウフフするなんて当たり前だし、セラフィムさん的にも問題ないんじゃない?……多分。


セラフィムさんはヤバそうな雰囲気を感じで死霊王シリーズを浄化してきますと、お風呂に逃げていったけど。

私も〜ってハルカちゃんがセラフィムさんの後を追っていった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


読んで頂きありがとうございます。








  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る