第110話


「おそらく神様から聞いたんだろうけど。この世界はハーレムクエストを参考に創られてるし、女の子同士で子供を産むことも出来る」


「まさにユートピア!」


この世界でなら可愛い女の子とあんな事やこんなことを……グヘヘみたいな感じで自分の世界に入ってしまったのでとりあえず放置してカエデさんに念話をする。


神様のお願いとは言え、かなりやらかしてるので早めに知らせておく必要がある。


結果、念話じゃなくて直接話がしたいから戻って来て欲しいと言われてしまった。


「てっことで、ハルカさんも転移しますよ?後、転移先にいる女性の中に俺の奥さんたちもいるので何も手を出そうとか考えないように。火之迦具土神はそのまま大人しくご飯を食べていてください」


召喚して協力してもらったお礼として、火之迦具土神にはお菓子やらご飯やらを自由に食べてもらっている。

この程度で神様のご機嫌取りができるんだから安いもんだ。

それにしても前回よりかなり従順になっている気がする。

前回も俺のお願いは普通に聞いてくれたけど……


神界で九尾の狐様こっ酷くやられたってことか。


「召喚主よ。食べ終わったら勝手に神界に戻るので安心するといい」


というわけで転移すると言ってもまだ妄想の海に浸かっているハルカさんを物理で正気に戻して、アストの家に転移した。


「ただいま戻りました。双子水晶ですか……もしかしてリアウタン王国の王城と繋がってたりします?」


双子水晶とは、遠距離テレビ通話が出来る水晶型のアイテムの事で勿論、ダンジョン産

ただし、機能の割に出現率が高いのでそれなりに流通している。

宝箱に擬態しているミミックを倒すとドロップするアイテムだ。

スキルの宝珠以外にも魔物からドロップするアイテムと言うのは少数だけど存在している。



「その通り王城と繋がっている。今回はことが事だし、ヒロキくんが直接伝えた方が双方納得できるでしょ?」


しゃーないか。メフィルス様にお願いされたから今回の行動を起こしました。

これを全面に押し出せば問題ないだろう。


だって多くの国が今回のディラスト侵攻を決めた理由ってメフィルス様が作り出した例の薬があったからだし。

その神様のお願いでディラストに攻撃した俺を敵対したりしたら。敵対した人種には薬が効かなくなるみたいな事態におちいる可能性があるぐらいには深読みしてくれそうだし。

実際は俺と敵対してもメフィルス様に敵対しなければあの神様は何もしないと思うけど。


そんな感じで、なんで突然ディラストの王都を襲撃したのか説明する。


ハルカさんについては異世界人と説明するのは面倒臭いし。メフィルス神様のお気に入り的な感じで説明した。


レガリアについて説明した時は水晶の向こうの貴族がうるさかったけど、女王陛下が「レガリアについては教会からヒロキ殿が話した内容の神託があったと連絡が在りしだい

もう一度審議を行う」と言ったこことでひとまず沈静化した。


その後は残っているであろうディラスト王都の戦力について報告したりして話し合いは終了した。


「はーやっぱりこう言うの疲れる。それにしても女王陛下のおかげでこの程度で済んで良かった。やっぱり息子さんと仲良くしておいたのが良かったかな」


「なんでですか?あの女王陛下どちらかと言うとヒロキさんの擁護なんて全くしてなかったし、良くて中立、若干貴族寄りじゃなかったですか?」


「女王陛下がそう言う立ち位置だったからあの程度で済んだんだよハルカさん。俺のことが気に食わない貴族からしたら。女王陛下が俺の事を庇い出したらもっと騒ぎだすもん」


「そう言う事だね。メフィルス神様から神託が有れば、もうヒロキくんに文句を言うことは出来ない。あの場を出来るだけ穏便に終わらせることが出来ればヒロキくんの勝ちだったんだよ。だから神託の話を聞いて女王陛下は早いこと今回の話し合いを早く終わらせるように動いた。ヒロキくんに嫌われる可能性もあったけど、バカ貴族が騒いだ方が嫌われる可能性が高いと判断したんだろうね」


俺が思っていたことを大体アディルさんが言ってくれた。

多分だけど、1時間後ぐらいに女王陛下の個人スペースから双子水晶を使って連絡が来るだろう。

邪魔者が居ない状態で会話をするために。


「ヒロキさんのためにあえて中立若干貴族よりの立ち位置だったってことなんですね。大人って大変ですね。そうだ!ヒロキさんにお願いが有るんですよ。死霊王シリーズ分けてくれませんか?あのリッチ死霊王シリーズを使って人間が変化したリッチですよね?」



死霊王シリーズを欲しがるか……

百合を咲かせたいハルカさん…ちゃんでいいか年下だし。

ハルカちゃんがリッチになるために使いたいと思っているとは思えない。

となると可能性としては大天使シリーズについて知っている。

ハーレムクエストの時にも少なくとも1人は大天使シリーズについて知っていた。

じゃなきゃ皆が想像する天使みたいな羽を生やしたプレーヤーがいたって話題にならないし。


そのプレーヤーがハルカちゃんだったってことか?もしくはそのプレーヤーとリア友で教えて貰っていたとか。


「ハルカちゃん。もしかして大天使シリーズ狙ってる?」


「アレ?大天使シリーズ知ってるんですか?私しか知らないと思ってたんですけど…折角交渉のカードになると思ってたのに…」




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読んでいただきありがとうございます。






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