第108話
「凄いよね空間魔法って。離れたところにいてもこうやって一瞬で帰って来れる。まぁそれ相応の魔力を消費するけど」
もしもの時を考えて空間魔法をレベル9で取得しておいた。
なんか隠してるなって思ってこっそり家に転移して見たわけだけど。
俺の予想は大当たりだったわけだ。
レベル10ではなくレベル9なのはレベル10にしてしまうと魔法の創造が出来るようになる。
普通に考えるといい事だけど。
転移とかのことを考えると、余計な手を加えて新しい魔法を作り出した結果、石の中にいるとか足が壁の中に転移しちゃうとか事故が起こりかねない。
なので、既に効果が決まっている状態のレベル9であえて止めた。
敵を騙すにはまず味方からの精神で誰にも教えずにいたんだけど。まさかここで役だつとは思わなかった。
ちなみに転移するには事前に『ビーコン』と言う転移地点を設定する空間魔法を使う必要がある。
転移する場所をイメージして転移するとかだと逆に転移に失敗しそうだから。
そう言うちゃんと転移地点を設定できる魔法があって助かった。
「まぁ、街のことを思うなら俺が知らない方が良かったってのは理解しているから。怒ってはないけどね。まぁ、念話で連絡してくれればいつでも帰って来れるから。危なくなったらいつでも呼んでね」
パーティー機能で出来るようになる念話には距離による制限がないチート仕様らしいので別の国にいようと繋がる。
とりあえず。俺が転移能力がある事をここにいるアディルさん、カエデさん、ジュリアナさん、パニーこの4人以外(鑑定スキルを持っているサテツ既に喋らないようにお願いしてある)に知られるとそこからディラストにバレる可能性もあるので誰かが来る前に転移でアイギス達のところに帰った。
「ただいま。誰も部屋に尋ねて来なかった?」
既に1日目の目標地点だった。町に到着して宿をとって。部屋にこもってアイギスと鳴神に誰も部屋に入れないようにお願いしてから転移を行っっていた。
バレるまでは隠して使おうと思って警戒して使ったけど、ちょうど良かった。
今、ディラストの人間に俺が転移できるって知られるとろくなことにならない。
間者がどこにいるかわかったもんじゃないからね。
事前に魔力の動きに敏感な精霊の鳴神に変な魔法が使われてたり魔道具が起動してないか
確認して貰って、この部屋には何も仕掛けられて無いことは確認済みだ。
「誰も来なかったみたいだね。
とりあえず。やることは終わったわけだけど、まだ昼間だし。何して時間潰そうか」
初めての空の旅だろうし、精神的な疲れも溜まりやすいだろうと思って速度を控えめ&時間も短めにしておいた。
まぁ初日だしね。このぐらいの気遣いは必要だろう。少しずつ速度と飛行時間を伸ばして言ってだいたい1週間でプルーム王国に到着する予定だ。
本来だったら数ヶ月かかる道のりが1週間ならじゅうぶん時間短縮できてるだろう。
「マジで言ってる?」
町をフラフラしようかなとか考えているとメフィルス様からメッセージが届く。
今まで人間に味方していた一派が日本から女の子を召喚して戦争の道具にする為にディラストに召喚したから、ディラストから連れ出してあげて欲しいと言った内容が書かれていた。
「なんてことに巻き込んでくれるんだ!」
メッセージの最後には召喚された異世界人の場所に転移するというボタンが用意してあった。
出来るだけディラストとは関わらないようにって思ってたばっかりなのに敵の拠点に殴り込みにいけって……
どうやら、召喚された日本人は有無を言わさず召喚されて。
操られているみたいだし可哀想だとは思うけど。
それこそ、召喚される度に助けに行くとか正直無理だよ?
「なになに?本来異世界人の召喚は重罪でそれを行った神は消滅処分になるけど。君と言う特例がいるせいで、罰することが出来なかった?次からは罰することができるので追加で異世界人が来ることはもうない?」
若干俺のせいみたいな言い方しているけど。
大前提として貴方が俺を殺したことが原因ですよね?
まぁ、良いや後で助けた分の報酬を大量に請求してやろう。
「アイギスと鳴神は引き続きここの守護を頼む。ここに何かあったら帰って来れないからね」
やると決めたからには大暴れしてやると決めてメッセージの最後にあった『異世界人の場所に転移する』ボタンをタッチした。
「貴方が神様の言っていた助けに来てくれた日本人?」
「そうです。とりあえずひと暴れするので大人しくしていてください。『火之迦具土神』」
「久しぶりに呼んだな召喚者よ」
「まぁ、火之迦具土神に力を借りることなんて滅多に無いし。で、とりあえずこの王都に軽いジャブ打ち込んどいて。ただし、殲滅するのはなし」
喀血しながら召喚した火之迦具土神に指示をだす。
ちなみに今いる場所は王座の間、召喚した日本人に色々吹き込んでいる間にだったみたいで人間がいっぱいいる。
最初からステルスで切り抜けるのは無理だったという事だ。
と言ってもいきなり殺人を起こしたら、助けに来た日本人と敵対しちゃうかな?
「そう心配するな召喚主『不浄なる者共真なる姿を現せ』」
日本人を囲んでいた人達が悲鳴を上げ始めたと思うと普通の人間の姿をしていた人達が骨だけに姿を変えた。
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