第96話

「やっぱりこうなるよね……」


ダンジョンから冒険者が出てきたと思ったら頭の上にドラゴンを乗っけてるもんだから、大騒ぎになるし、そのまま冒険者ギルドの窓口で「すいませんこの子の従魔登録お願いします」って普通のノリで言ったんだけど、なんか偉い人が使うような会議室にとうされてしまった。


まぁ、こうなるんじゃないかなって思ってたから別に驚いたりはしないけど。


まぁ、別にピュアドラゴンとどこで遭遇したかって言われても秘匿するつもりは無いから普通に教えるつもりだしすぐに解放されるだろう。

まぁ、知ったところで挑戦しても死ぬだけだろう。

それにあの場所にピュアドラゴンがまた配置されるかも分からない。

1回だけの限定ギミックである可能性もあるし。


暇だな〜と俺の周りを飛び回る鳴神とアイギスにちょっかいをかけながら待っていると、シエラさんが部屋に入って来た。


「おまたせしてしまい申し訳ございません」


「問題ないですよ。突然この予定が決まったようなものですし。それにしてもてっきりギルドマスターが来るのかと思ってたんですけど。シエラさんでよかったです」


知ってる人だし、カエデさんも信用している人だから安心して話ができる。


「やっぱり、私の事ちょっと偉い受付嬢ぐらいに思ってますね?私がギルドマスターですよ?」


受付嬢をしているのは趣味と情報収集の為だそうだ。


「そうだったんですね…失礼しました」


シエラさんが言ってた通り平社員では無いだろうけど。受付嬢のまとめ役ぐらいに思ってた。


「まぁ、そんなことはどうでもいいんです。まずは、ヒロキさんがストーンアントの魔石を大量に買い取っていただいているおかげで値段が大暴落せずにすんでいる件についてのお礼ですね。これに関しては冒険者ギルドからお礼と言うのは難しいので私個人からのお礼になっちゃうんですけど」


そう言って特級ダンジョン入場許可と書かれているカードを渡される。


「ギルドマスターからの推薦がないと入場出来ない特級ダンジョンへの入場許可証です」


難易度が高すぎるので、ギルドマスターが直接実力を認めた人以外入場できないダンジョンってのが存在するらしい。

難易度が高いと言うのは魔物が強いと言うだけでなく、ダンジョンのトラップや環境も殺意が高いのが当然らしい。


「有難うございます。ありがたく受け取っておきますね」


カエデさんも当然持っているだろうし、後で詳しく聞いてみよう。


「それで、次が本題なんですが…」


そう言ってシエラさんはいつの間にか俺の頭の上に着地しているアイギスに目線を向ける。


「アイギスのことですね。彼女はピュアドラゴン。35階層の隠しギミックの1部として出現しました」


という事でどうやってアイギスをテイムしたのか正直に話す。


「なるほど……。それってヒロキさんがご自身で発見されたんですか?」


「信じて貰えるかわからないですけど。ご飯の代金代わりに神様が教えてくれたんですよ。龍種のテイムがしたいんならオススメだよって」


自分で言っててすっげぇ胡散臭い理由だ。

どう考えても下手くそな嘘にしか聞こえない。


「なるほど……普通だったら何言ってんの?って話ですが、不死鳥様と同居していますもんね〜」


「まぁ、教えてくれたのは不死鳥様じゃなくてガネーシャ様って言う商売と知識の神様なんですけどね。そう言えばあの神様マーケットで商売していましたよ?」


神様がマーケットで商売していたと言うところが衝撃的だったのか固まってしまった。


「ちなみにマーケットで何を販売していたんですか?」


ガネーシャ様がマーケットでしていた神の試練と言うなの無許可の違法ギャンブルについて説明する。


「……そうなんですね〜」


シエラさんは神様に対して余計なことを言って目をつけられないために俺が言ったことに対して特に言及することなくスルーした。


「そうは言ってもさ突然、私神様で今からそこら辺で神の試練してもいいかな?って聞きに行く方が問題だと思わない?」


シエラさんのスルー虚しくガネーシャ様がまるで最初からここにいましたよ?と言うノリで会話に混ざって来た。


「ガネーシャ様再登場早くないですか?」


ついこないだ、どっかに転移したばっかりじゃん。


「いやだって、今日の晩御飯レインボートラウトでるでしょ?アレ本当に美味しいんだよ。本当に偶にしかお供えされないし。今晩一緒に食べさせてくれるならレインボートラウトが釣れやすく方法教えてあげるから…ね?」


ジュリアナさんがレインボートラウトを釣って凄いテンション上がってたけど、神様が凄く美味しいっていう程の美味しさなのか。

今日の晩御飯が更に美味しくなった。


それにレインボートラウトhは40cmぐらいのが1尾のみ、人が増えると1人あたりの食べれる量が減るので嫌がられるのを見越して。先手を打って食べさせてくれたら釣れる確率をあげる方法まで教えるとか言い出すし。


自分で釣れやすくなる方法を探るのも楽しそうだけど、神様だし優しくしておいた方が良いか。


「いや〜本当ヒロキくんは話が早くて助かるよ」


そう言ってガネーシャ様はニコニコしている。

ガネーシャ様はどうにかなったので次は目を見開いたまま気絶してしまっているシエラさんをどうにかしないとな。



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読んでいただきありがとうございます。

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