第57話
「俺たちはもう一度ダンジョンに戻って引き続きストーンアントの巣を殲滅しよう。最低でも後5つ進化の実が欲しいし」
ハンゾウたちコボルトも進化させたいからな。
でも、どう言う順番で進化させれば良いか迷っちゃうな。
サテツはコボルトのリーダーだから最初って簡単に決めれたけど。
ほかの5人は序列とか無さそうだし。
強いて言うなら、料理担当のカワサキがちょっと上かなって思ったぐらいだ。
料理ができると言うのはかなりのポイントになるらしい。
1番良いのは同時に5つ進化の実が手に入ることだけど。
かなりレアっぽいし難しいだろうな。
かと言って5個集まるまで進化させないってのももったいないし。
どの順番で使うかハンゾウたち自身で決めさせるか。
「勝手に始めて後で怒られない?」
確かにパニーの言うことも最もだ。
アディルさんが冒険者ギルドと話し合ってちゃんと依頼が出てから始めるのが普通だよな。
待ってるのも暇だしな。
護衛としてついて行ったサテツに念話して、アディルさんにもう巣の殲滅を始める許可を貰ってもらうか。
ダメだったら、潔く諦めてダンジョンの階層を進めるか。
(もしもしサテツ)
(どうしたんですか。ヒロキ様)
(今からストーンアントの巣を殲滅に行く許可をアディルさんから貰えないかなって思って)
(なるほど。分かりました。確認させていただきます。それと私からもお願いがひとつありまして。ヒロキ様が見つけた、ミスリル鉱脈の報酬を1部ミスリルに変更してもらう交渉をしても宜しいでしょうか?)
(サテツが必要だと思うなら、それで良いよ)
(ありがとうございます。コボルト・ハイスミスになったことで、コバルトとミスリルの合金が作れるようになりまして。手に入るなら入手しておきたかったんです)
(なるほど。なんだったらお金じゃ無くて全部ミスリルにしても良いから。新しい合金で何ができるのか楽しみにしてるよ)
(ありがとうございます。後、今からストーンアントの巣を殲滅することを止めることはできないけど。以来前に殲滅した場合殲滅報酬が出ないよ?だそうです)
(ありがとう。お金は気にしないから、今から殲滅行ってくる)
俺が欲しいのは宝箱と魔石だからね。
アディルさん的にも払う報酬が減るんだから悪い話じゃないだろう。
(それではヒロキ様、大丈夫だと思いますがくれぐれもお気をつけください)
(ありがとうね〜)
「よし、殲滅報酬出ないけど。それでも良いなら止められないって言われたから。許可はでた!」
「それ。遠回しに止めてって言われてると思うんだけど…」
だろうね。でも、はっきりダメって言われてないし俺は行っちゃう。
呆れた顔をしたパニーを引き連れて7階層に戻って行った。
「ここは宝箱無かったか。鉱脈に関しては俺に判断はできないし、調査してもらうしかないな」
数時間かけてストーンアントの巣を1つ殲滅したけど。この巣には宝箱は存在しなかった。
まぁ、全部の巣に宝箱があるとは思ってなかったけど。やっぱり残念なものは残念。
「カエデさんに念話して次の巣を探すか」
最初の巣穴の場所には俺が巣穴を攻略することも考慮してかなりの数の冒険者や領兵が動員されているらしい。
採掘専門のドワーフ軍団は元々、鉱山が無いから街にいないので、連絡して来て貰えるように交渉している段階らしく。まだ来ていない。
(もしもしカエデさ〜ん。ストーンアントの巣殲滅終わりました)
(わかった。人をそっちに送るから待ってて)
(了解です)
「わかりやすいように花火打ち上げるか。
『打ち上げ花火』」
火の玉が空に打ち上がって上空でスタンダードなタイプの花火が現れる。
金属とかを使ってないのにカラフルな色がついているのが不思議だけど。魔法すげぇって以外言いようがないな。
この花火見た目を楽しむために使う妖術でもあるけど。しっかりダメージもあるので、対空攻撃用の妖術として使えたりもする。
結構広範囲だから意外と当てやすいんだよね。
(わかりやすいように妖術撃ったんですけど見えました?)
(バッチリ見えたよ。これなら迷うことなく合流できると思う)
30分程待っていると20人ぐらいの集団が現れる。
「ヒロキ殿とパニー殿で間違いないだろうか」
全身金属装備を身につけたThe騎士みたいな人が代表として話しかけてくる。
領兵だけじゃなくて騎士まで動員してるのか。
それだけミスリル鉱脈は貴重ってことなんだろうけど。
「はい間違いありません。早速中を確認されますか?」
「頼む」
20人の集団を引き連れてもう一度巣穴の中に入る。
「ダメですね。ここはミスリル鉱脈ではないようです」
1番最初にミスリルが含まれていると気づいた、ドワーフの冒険者がここにも来ていて、確認をしていたが。
ここには何の金属鉱脈はないみたいだ。
鉱脈も無し。宝箱もなし。ほんとにハズレの巣穴みたいだ。
「そう簡単にミスリル鉱脈が発見されるとは思っていなかったが、やはり全ての巣穴にミスリル鉱脈がある訳では無さそうだな」
他の人たちも残念そうな顔をしつつ。
そうだろうなと納得したような雰囲気だ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
読んでいただきありがとうございます。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます