第33話
「良く考えれば家で寝たのはこの世界に来て初めてじゃん」
転生してからはチュートリアルの森でずっと野営して暮らしてたからちゃんとした家の中で1晩暮らしたのは初めてだ。
結局、コットと寝袋で寝てるのは変わらないのに野営している時より疲れが取れた気がする。
「おはよぉー。ヒロキ君。朝ごはん楽しみにしてるよ」
昨日のほうとうを余程気に入ってくれたらしく、今日の朝ごはんも俺が作ることで決定しているらしい。
まぁいいけど。
朝ごはんを何にしようかな?とMP交換の交換リストを確認していく。
鮭の切り身、だし巻き玉子、豆腐の味噌汁。
朝ごはんならこんなものかな?
こんな朝ごはんっぽい朝ごはんひとりじゃ絶対用意しないよな。
「ところでカエデさん。なんでさっきから家のもの整理してるんですか?」
「いや、ヒロキ君の旅についてくから」
何言ってんの?この人。
まぁでも、カエデさんがついて来てくれるなら旅の不安はかなり減るよね。
カエデさん自体めっちゃ強いし、不死鳥様もおまけでついてくるだろうし。
「カエデさんが旅に同行してくれるのは凄い心強いですけど良いんですか?」
「冗談なんて言わないよ。私から手をだしたら九尾の狐様に呪い殺されるだろうけど。
ヒロキ君から手をだされるなら問題ないと思うし。近くていい女アピールしておかないと」
それ。ハッキリ行っちゃうんですね。
まぁ、それぐらいハッキリ言ってもらった方が俺もやりやすいけど。
「カエデさんがそれで良いなら俺としては断る理由はないです」
手をだすつもりは無いけど。
可愛いとは思うけどねカエデさん。
「カエデさん。俺はストレージって言う物を収納できるスキルを持ってるので必要なものを全部まとめておいてください。後でまとめて収納します」
それなら家のもの全部集めてくると言って荷物をまとめに言ってしまった。
ストレージはMPを消費して容量を増やしたり新しい機能を解放できるので、容量追加とフォルダ機能の追加を解放した。
試しにフォルダ機能を利用して、魔物素材とサテツから預かっているコバルト装備 、料理に使う食材や調味料 、俺の私物と言った感じでフォルダを作って分けてみる。
だいぶ何がストレージ内に入っているのかわかりやすくなったな。
追加でカエデさん私物というフォルダを用意した。
この後収納するものはこのフォルダにしまうようにしておけば、混ざってカエデさんの物が分からなくなるようなことも無いだろう。
「朝ごはんの用意も終わったし居間に持って行こう」
配膳をして全員集まってから頂きますして食べ始める。
それにしてもいくら言葉を喋れるソテツがいると言っても魔物を家にあがらせて一緒にご飯を食べさせてくれるってカエデさん相当いい人だよな。
普通はいくら従魔と言っても魔物は外って言われるだろうし。
「昨日は言い忘れましたけど。俺だけじゃなくてソテツ達も家に泊めてくれてありがとうございます」
「気にしないで、不死鳥様で慣れてるし」
この人。サラッと不死鳥様を魔物扱いした
ぞ。
まぁ、見た目は赤い雀だし。そうかもしれないけど。
誇り高き神獣様でしょ?
ちなみに不死鳥様は俺らと同じ朝ごはんを量を少なくして出して上げたら、上手い上手いとガッツいている。
「それにしても、いつ出発するつもりなんだろうイリスさん」
俺は1晩泊まるって次の日には出発するつもりだったけど。イリスさんはどう言う予定なのか全く聞いていなかった。
ジャスは奴隷としてこき使われてたし。キャラLv低いから体力もそこまでないし。
疲れをしっかりとるための数日泊まるって言い出さないかな?
ジャスの為なら言いそう。
「わざわざ、イリスに合わせる必要ないだろう。龍種をテイムするためにアストに行くんでしょ?イリス必要なくない?後からアストに来てもらえばいいじゃん。道案内とかは私ができるし」
天才か!カエデさん。その通りじゃん。
イリスさん達からの好感度は更に下がりそうだけど。こっちからの好感度も高くないし。
仲良くなりたいとも思わないので全然構わない。
朝ごはんを食べ終わって、カエデさんの私物をストレージにしまってから。
イリスさんのところに向かう。
どうやらあの二人は広場でテントを張って野宿したらしい。
俺が使っているような現代地球の最新キャンプ道具1式を使っている訳じゃないから疲れ取れなそう。
だからって助けるつもり無いけど。
「おはようございます。あんまり眠れて無いみたいですね」
目の下に隈を作っているイリスさんに話しかける。長話をするつもりは無いので、返事を待たずに要件を伝える。
「早速なんですけど。カエデさんが旅に同行してくれることになったので 、先にアストに向かうことにしました。龍種をテイムできるように活動しておきますので、おふたりはゆっくりアストに来てください」
要件を伝えるだけ伝えて広場を後にする。
「よし!出発前にやる事も終わった。じゃあアストに向けて出発!」
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読んでいただきありがとうございます。
m(_ _)m
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