第21話
実はまだ異世界に転生していなかったと言う訳らしいけど。ここも異世界っちゃ異世界だよね。本当に俺一人しかいなかったら、寂しいからディアランドって異世界に早く移動出来るように頑張っただろうけど。今はコボルト達がいるしな。安全にレッサードレイクを倒せるぐらいまで、時間をかけて堅実に実力をつけることにしよう。
因みにディアランドの方はこんなに意味不明な地形の繋がりはしていないらしい。
「あっ、ジャットペンギン」
移動先の新しい流氷でジェットペンギンが俺たちのことを着地狩りする気満々で待ち構えている。
いつまでも思い通りに行くと思うなよ?
流氷は固定されてないので、下手に辺距離攻撃をしてしまうと衝撃で流氷が離れていってしまう可能性がある為、遠距離攻撃ができずジェットペンギンが着地狩りを狙っているのがわかっているのにジャンプして流氷を渡る必要があった。
けど。忘れていた妖術の中に便利なものがあったのを思い出した。
「『 影縫い』」
俺の影がロープ状に姿を変えてジェットペンギンを縛って動けなくしてしまう。
ハーレムクエストではわざわざ拘束系の妖術を使う事が無かったからすっかり忘れていた。
拘束するより攻撃して倒した方が早いから使うこと無かったんだよね。
「『 虚空斬り』」
妖術を発動させて木刀を振り抜くと、ジャットペンギンは木刀によって綺麗に切断された。
斬ったと言うよりは触れたものを消滅させる妖術だ。当然使った武器も消滅する。
虚空斬りを使った木刀は俺の持っている部分より上が綺麗に無くなっている。
虚空属性ヤバイな。
ミスったら俺も跡形もなく消滅することになりそう。
(その通りだ。さっきのは問題なかったら良かったものの虚空属性は他の属性より難易度が高いし、失敗した時がシャレにならない。せめても魔力操作のLvを8に上げるまで使うべきじゃない)
突然頭の中に女性の声が聞こえてくる。
誰って思ったけど。妖術に関してのことだしこの声の主は九尾の狐だろうと理解する。
(ご忠告ありがとうございます。九尾の狐様で間違い無いでしょうか?)
(私のことをヒロキがそこまで敬う必要はない。なにせヒロキは私の命の恩人なんだから)
って事はホントに昔、助けた真っ白な狐が九尾の狐様だったってことか…。
(本当は今すぐにでも直接会いに行きたいけど。直接会うにはヒロキに私の試練をクリアして貰う必要がある。直接会える日を楽しみにしているぞ)
その言葉を最後に女性の声は聞こえなくなった。
俺も早く本人に会ってみたいけど。試練をクリアするには実力が足りなすぎる。
無理して死んだら元も子もないし。
堅実に力をつけてから会いに行こう。
後は魔法、妖術のファンブルも忘れてた。
魔法と妖術は難易度の高いものほど、失敗する可能性が上がる。
その可能性を下げるためには魔力操作のLvをあげる必要がある。
ゲームだとファンブルしてもHPが減るだけHPがゼロになって死んでもリスポーンできるし。
気にしてなかったけど。リアルでのファンブルはシャレにならない。
死因自爆とかならない為に早めに魔力操作のLvをあげよう。
今すぐにLv2にあげることが可能なSPが残っていたのでSPを消費して魔力操作のLvを2にあげる。
妖術を手に入れて浮かれてたけど。
妖術の中でも難易度の低いものを使うようにしよう。
今まで使った妖術で難易度が高かったのは
『 虚空斬り』以外には『 花吹雪』ぐらいだからこの2つ以外を基本使っていけば問題ない。
消費魔力が高すぎてホントに難易度が高い妖術が使えなかったことに感謝しないと。
最初っから全ての妖術が使えるってのも考えもんだな。
俺れがファンブルのことをすっかり忘れているのが悪いんだけどね。
とこんな感じで個人的にヒヤッとすることはあったけど。
影縫いを思い出してからは流氷フィールドの移動自体は順調に進んだ。
「流氷フィールドを抜けることはできたけど。縮地のスキルの宝珠はドロップしなかったな」
確率から考えたら当然なんだけどね。
まぁ、洞窟に帰る時にもう一度通るしその時にドロップすることを期待しよう。
流氷地帯を抜けるとお目当ての山岳地帯が現れる。
山岳地帯にこの防寒具は暑いので、コボルトたちに少し待ってもらって着替える。
「お待たせ。それじゃ今度は山登りだ」
流氷よりかはマシだけど、山登りも結構辛い。
今度新しいフィールドに行く時は楽な地形のフィールドが良いなと思いながら山を登る。
「眠り羊だ。今回は距離が空いてるし大丈夫だとは思うけど。ホントに眠りの波動だけは注意してね。眠っちゃうと起こすの大変だし」
眠り羊の眠りの波動は眠り羊が死んだ瞬間に自動で発動するスキルなので、倒した瞬間に眠り羊の半径1mいないにいると確定で眠りの波動をくらってしまう。
状態異常の眠りは起こすのが大変なので、
もう一度注意をしてから眠り羊との戦闘を
開始した。
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