第20話
「魔法に耐性がある魔物ですか……1番近いのは眠り羊でしょうか」
妖術の試し打ちを終わらせて洞窟に帰って来て晩御飯を食べている間に魔法に耐性がある魔物って近くにいない?と聞いてみると近くに眠り羊のいるフィールドがあると教えてくれた。
眠り羊というのは魔法に強い耐性を持った羊毛を持つ羊。
魔法耐性についてはかなり高いけど、物理には大して強くないので、物理で殴れば簡単にダメージは与えられる。あと羊毛なので魔法耐性が高くても火魔法には弱い。火を使えば羊毛は簡単に燃えてそれ以降は他の魔法でもダメージを与えられるようになる。
でも、魔法関係なしに火を使って倒してしまうと、折角の魔法耐性の高い素材を燃やしてダメにしてしまうので、基本火を使って倒す人はいない。
あと1つ厄介な性質があって、眠り羊は死ぬと自分を中心にして半径1mの範囲に食らうと眠り状態にされてしまうオーラを発生させる。
なので1番堅実なのは近接攻撃で倒すことだけど、トドメをさした瞬間離脱しないと眠らせられると言う案外厄介な魔物だ。
なので羊毛をダメにせずに簡単に倒すには弓を使って倒すのが1番と言われている。
まぁ、妖術を使えば1発で倒せるから難しいこと考える必要は無い。
ただ、今日メインで使っていた火の妖術を使っちゃうと羊毛を燃やしちゃうので明日は火以外の妖術を使わないといけない。
雷も威力によっては焦がしちゃうから使うのは氷を使うことになるかな。
明日は朝から眠り羊を倒しに行くために出かけるので早めに寝ることにした。
近くと言っても、眠り羊がいるフィールドに行くにはもう1つフィールドを抜けなきゃいけない。
それなりの距離を歩かなきゃ行けないからね。
しかもそのフィールドは流氷の上を移動するタイプらしいから流氷から足を踏み外さない用に注意しないと。
後はMP交換で防寒具を交換しておかないと。
出てくる魔物は氷の上を腹滑りで高速移動してクチバシや羽で攻撃してくるジェットペンギンがいるらしい。
アイツら腹滑り時のスピードは中々早いからな。腹滑り時は直線的にしか移動できないって弱点も有るけど。
ダッシュペンギンって地味に縮地Lv1のスキルの宝珠をドロップするんだよな。
Lv1じゃ東西南北のどれか30センチしか移動出来ないので、本当に緊急回避ぐらいにしか使い道無いけど。緊急回避手段としては優秀なので出来れば取得しておきたい。
因みにハーレムクエストの縮地は縮地中に障害物があっても透過出来る。
なので縮地って名前の短距離ワープと言う認識を俺はしている。
色々考えていると寝る時間が遅くなっちゃうなと思い、考え事にするのはここまでにして寝袋の中に入った。
ー次の日ー
今日は宣言通り眠り羊を倒す為に眠り羊がいる山岳フィールドに向かって移動している。
今はジェットペンギンがいる流氷フィールドを歩いていた。
寒いし、足場が氷だから歩きにくいし、新しい流氷に移るためのジャンプが意外と距離を飛ばなきゃいけないので毎回落ちないかヒヤヒヤしたり、ジャットペンギンが着地狩りしてきたり。
もう二度と来たくないフィールドぶっちぎりで優勝だ。
「縮地のスキルの宝珠が出る可能性があるのがせめてもの救いだけど。確率0.1%だからな…」
縮地のスキルの宝珠は今までのスキルの宝珠よりレアな設定なのでドロップ率が1%では無く0.1%になっている。
つまりジェットペンギンを1000体すと1個出る確率という訳だ。
しかも、コボルト達が倒してもスキルの宝珠はドロップしないので俺が1000体倒さないといけない。
更には、こんな足場が悪い場所で…。
というわけで挑戦する前に心が折れた。
だってSP交換のスキルなら今までと同じ100SPで交換できるんだもん。縮地Lv1のスキルの宝珠も。
「防寒具してても寒い。と言うかフィールド事に環境が違いすぎるよね。チュートリアルの森の外でもこんな感じなの?」
流氷地帯の隣に砂漠が現れる見たいな事って
この世界では常識なのかサテツに質問する。
「まず大前提として、ここはまだハーレムクエストを参考に作られた世界ディアランドでは有りません」
そうだったの?てかサテツにはしっかり事前情報を与えているのに、俺に対しては事前情報無しで転生させられたんだよね。
俺が聞かなかったからかもしれないけど。
でも、ここが俺が転生する予定の世界じゃないってなるとここは何処なの?
「ここはチュートリアルの森しか存在しない世界と世界の間にある異空間とでも理解しておけば十分かと」
サテツもそんな感じのフワッとした感じでしか理解できていないらしい。
まぁ、神でもないのに世界と世界の間にある異空間なんて言われても理解出来るわけが無い。
どうすればチュートリアルの森から転生予定の世界ディアランドに移動できるのか?と聞くとチュートリアルの森のボスモンスター
レッサードレイクを倒せば良いらしい。
龍種の中でも最下級のドレイクの中でも1番弱いレッサードレイク。
つまり最弱の龍種では有るんだけど。
龍種だから他の魔物よりは当然強い。
今の状態でも妖術があればダメージを与えることはできるけど。
俺が相手の攻撃に耐えられないだろうし、チュートリアルの森を突破するにはまだまだ時間がかかりそうだ。
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