第12話


「凄い成金っぽくなるかなって思ったけど。そこまででもないかな?」


指輪を10個もはめてるけど、どれもできるだけ戦闘の邪魔にならないようにただのリングで幅も狭めの指輪なので思ったより成金感は出なかった。

これがどれにも大きな宝石がついていたら完全に成金な見た目になってただろう。


そう言えば、今俺が雷魔法で攻撃すると

魔法効果1.4倍と雷魔法効果1.2倍、その2つが効果の対象になる訳だけど。

そう言う時は倍率同士を足し算するらしい。

今の場合だと1.4+1.2=1.6これが俺が使う雷魔法を使った時の強化倍率になるという事だ。


「準備が整ったようですね。では早速地上に向かいましょう。すぐに魔物討伐に迎えるようにお供につけるコボルトも入口に待機させておきましょう」


そう言ってコボルトスミスがワオーンと遠吠えをあげる。

コボルト同士はこれで意思疎通ができるわけか。


コボルトスミスに再び案内されて入口に向かう。


「そう言えばコボルトって料理するの?」


コボルトって料理するのかな?と、なんとなく気になったので質問してみる。


「肉を切ってそのまま焼くぐらいしかしません。ほとんどのコボルトはそれすら上手く出来ずに焦がしてしまいますが……。

神に創造された際、ヒロキ様の力になるために色々な知識を与えられましたので人間の料理についても知識は有りますが、あのレベルで料理ができるコボルトはいません」


「なるほど。それなら今日の晩御飯は俺が作ろう。助けて貰ったお礼もしたいし」


それだけじゃなくて、料理を作ることで、コボルトたちと少しでも仲良くなって最終的にテイムを受け入れてくれたら良いなと言う打算的なものもある。


コボルトスミスに晩御飯をご馳走する約束をしてから、作ると言っても何を作ろうかと考えていると入口にたどり着く。

入口には全身をコバルト装備で身を固めた普通のコボルトが待機していた。

お供としてついてきてくれるコボルトだろう。


「彼が同行するコボルトです。ちなみにサイレントスネークから助けたのも彼です」


なら安心だ。確実に俺より強いのもわかっているし。

もし裏切られたら瞬殺されるだろうけど。


このコボルト達が裏切るとは思えないんだよな。

甘い考えかもしれないけど。


俺の事をみながら嬉しそうにしっぽを左右に振っている姿を見ると悪いことを考えているように見えない。


それに純粋に俺が助かったことを喜んでくれている感じが凄い伝わってくるんだもん。


「お願いね。後、助けてくれてありがとう」


「ワン!」


もう完全に犬だな。後でモフらせて貰おう。


「では、お気をつけて」


コボルトスミスに見送られてロックリザードの討伐に向かった。


「ところでコボルト君ロックリザードを探知したりできない?」


歩いて遭遇するまで探し回るのも良いけど。

もう、2、3時間しか狩りをする時間ないし。

効率的に魔物をかれる方法が有るならそれを利用するべきだ。

嗅覚が優れてるだろうし嗅覚を頼りに探すこともできるんじゃないか?


「ワン!」


そう1回吠えてコボルトは走り出す。

俺が目に見える速度で走っているから加減して走ってくれてるんだろうけど、普通に早い。

ドンドン距離を話されていく。今は見失わないように必死について行くのが精一杯だ。


と言うかサイレントスネークの時も思ったけど幾ら速度上昇系の付与がされてるコバルト装備をつけていたとしてもあんな速度で動けるのか?


通常のコボルトじゃ2倍効果の付与装備をつけてたって無理だと思うけど。


やっぱりコボルトスミスみたいに他のコボルトも特殊な存在とか?見た目は普通のコボルトだけど。

まあ、後でコボルトスミスに理由を聞いてみよう。もしかしたら答えがわかるかもしれないし。


目の前で走っていたコボルトが突然立ち止まったかと思うと小さな声でワンと1回吠えた。


ロックリザードを見つけたってことか?と音をたてないように気をつけながらコボルトの横まで移動する。


「やっぱりロックリザードを見つけたんだね」


コボルトの視線の先には岩のようにゴツゴツした鱗を持つトカゲがボリボリそこら辺の岩を食べている。

気づかれる前に魔法を使って先制攻撃を仕掛ける。


「スパーク!」


ロックリザードは突然襲いかかってくる電撃にギリギリで気づいたけど、ロックリザードが行動する前に電撃がヒットする。

スパークが当たったことで動きが鈍くなっているロックリザードに追加でスパークを当てる。


追加で数発スパークを当てたところでロックリザードは動かなくなった。


「まぁ、魔法が使えればこんなもんだよね」


と言ってもコバルト装備の付与で威力を上昇させた状態で5発以上スパークを当てないと倒せなかった。

そう考えると、コボルトに出会わずにロックリザードと戦闘してたら倒すのに苦労してただろうな。


「よーし時間があんまり無いから。ドンドン次に行こう!コボルト君よろしく」


コボルト君の鼻を頼りに時間ギリギリまでロックリザード狩りを続けた。



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