第8話

「無事にテントに到着!ある程度のMPもためられたし。これで今日の晩御飯と明日の朝ごはんの心配はいらない」


テントに帰って来てからは、椅子に座ってお湯を沸かしてインスタントコーヒーを入れて一息ついている。


地球のものを交換出来るMP交換まじで神機能だな。これが無かったらもっとキツイ野営になってただろうし。

勿論、SP交換もストレージも今更存在しない生活なんて考えられないぐらい神機能だけどね。


こんな神スキルをくれた神様には、しっかりとお礼をしないと。

お供えとか本当に効果があるか分からないけからとりあえず、神様ありがとうと精一杯念じておこう。


効果が有るのかは分からないけど、神様だしなんとなく伝わった気がする。



ピロリン!とスマホから音が聞こえて確認すると、『マップ』というアプリが増えている。

これは俺のありがとうって気持ちが通じたのかな?


とりあえず。もう一度ありがとうございます。と念じてからマップを起動させる。


マップには今いる場所から半径1km程がマップとして表示されていてほかは真っ白になっている。

よくゲームにある自分が行ったところしか表示されない使用なのかな?

まぁ、こっちの方が自分でマップを埋める楽しみがあって良いよね。


マップには地名が表示されていてチュートリアルの森と表示されている。

色々不自然だなと思っていたけど、やっぱり俺が最低限強くなれるように神様が用意してくれた場所っぽい。

さっきからもう神様への好感度がやばいぐらい上昇しっぱなしなんだけど。

そう言えば名前聞いてなかったな。

その内知る機会も有るだろう。とりあえず今日から毎日神様ありがとうと念じて感謝の気持ちを伝えるようにしよう。


「気になるのが真っ白な場所にピンが立ってるんだよね」


ここに行ったら何かイベントが起きるよって神様からのお告げ的な?


行ってみたい気持ちも有るけど、イベントの内容がボス戦みたいな感じだと今の俺じゃ勝てないだろうし。


でもな〜何かあるかもって思っちゃうと気になっちゃうよね。

ピンの立ってる周辺から慎重に偵察してみるか。


「今日のところはマップについてはここまで。次はSP関連について考えよう」


SPが100ポイント以上たまっているのに加えて帰りにフォレストウルフから集団強化Lv1のスキルの宝珠がドロップしたので。

集団強化を覚えるかSPに変換して他のスキルを覚えるかという選択肢が発生してしまった。


集団強化は2人以上で戦闘する場合、自分と味方の身体能力を上昇させてくれるスキルだ。

本来なら絶対必要なぐらい有能なスキルなんだけど。

あいにく今の俺には仲間が出来る予定が全くない。


仲間が居なければ全く効果がないスキルだからな〜。

今は別のスキルに交換してしまった方が良いかもと考えること数十分。


一旦保留ということで、新しいスキルを覚えないことにした。


ピンの立っていた位置の状況を見て、その状況に対応出来るスキルを習得しようと思ったからだ。


「そうと決まればご飯食べて早めに寝よう。ピンの位置に行くには最短距離でも10km以上歩く必要があるみたいだから」


晩御飯にコンビ弁当を食べて、結界魔法を張ってから就寝する。

キャラLvのアップと魔力量上昇の指輪のおかげで、昨日は途中で4回起きないといけなかったのが1回起きるだけですむようになった。


「昨日よりしっかり寝れたからだいぶ疲れがとれた気がする」


朝ごはんを食べてから、テントやら備品やらを全てストレージに収納していく。

ピンの位置まで行ったら今日中にここまで帰って来れるか分からないし。

新しい場所で野営することになった時に新しいテントを用意しないですむように今回は全て持っていくことにしたからだ。

ストレージに仕舞うだけだから荷物にもならないしね。


ストレージに全て収納し終わってからピンの位置に向かって最短距離で進む。

途中で川とかがあってまっすぐ進めないような状況に陥るまで最短距離で進む作戦だ。


平原でピクシー、針葉樹林でフォレストウルフを倒しながら進んでいると。

川幅か3mぐらいある川が現れる。川を渡った反対側は熱帯雨林のジャングルみたいな雰囲気を感じる。

川を1本挟んだ程度でここまで植生が変わるのもおかしいけど。

神様パワーということだろう。

それよりも今までの感覚通りならこの川を渡った先のジャングルには新しい魔物がいるはずだ。

フォレストウルフ以上の魔物がいる可能性も考えて行動しないと。


川の流れはそこまで早くないし、深さも見た感じそこまで深く無さそうだったから川に入って突っ切っちゃうか?と思ったけど、川は突然深くなってる場所があることも有るし、服が濡れたりするとそれだけで乾かしたり着替えたりで時間がかかっちゃう。

川を直接渡るのは最終手段にしよう。

そう思いどこかに反対側に渡れるような場所がないか探すために川にそって歩き始めた。


川にそって数分歩いていると丸太が何本か紐でまとめられて反対側に渡れる簡単な橋を見つけた。


「問題は誰がこれを作ったのかだけど…」


今まで通り神様が用意しておいてくれたと考えることも出来るけど、今回はなんとなく違う気がした。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



読んでいただきありがとうございます。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る