第6話

『旦那様、おまたせしました。リーシャです。後継者探しはどうですか?』

水晶に黒い髪にアクアマリンの瞳のきれいな女性が映った。

この人がお母さんになる人…

すごく綺麗…

「リーシャ、喜べ。後継者が見つかった。しかも、待望の娘だぞ!」

『まぁ! 本当ですの? あぁ…! 嬉しいわ! 早く私の娘を連れて帰ってきてくださいな! ドレスや服、それからお部屋にローブも用意しなければいけませんね…! ヴェル! ヴェルディ! 内装業者とお針子を呼んでちょうだい! …それで、旦那様、私の娘はどんな子なんですか? 髪の色は? 』

おぉぅ…マシンガンのようだ…

でも、喜んでくれてる。ちょっと嬉しい。

「リーシャ、落ち着きなさい。髪の色は、お前と同じ黒だ。魔力量が私よりかなり多い。魔力が多い女の子特有の低身長だ。そうだな…140くらいか? 瞳の色は黒だと良くない。私のルビーとお前のアクアマリンの瞳を混ぜたアメジスト色にしたいと思っている。」

そう、僕は全体的に小さい。140センチの身長に、肩あたりで揃えた黒髪のボブ。瞳は髪と同じく黒。

あっちでは黒い瞳はだめなのか。

アメジスト…僕の誕生石。そして、今は亡き実母が好きだったライラックの花と同じ色。嬉しい。

『まぁまぁまぁ! 本当に? 私と同じ色なんて! なんて嬉しいんでしょう! 身長は低めなのね! 瞳の色はアメジスト! ヴェルディ! メモしたわね!』

『はい。奥様。喜ばしいことですな。お嬢様が過ごしやすい様に整えさせます。』

「では、そちらの時間で3日後の昼頃に邸宅前に帰還する。息子達にも必ず集合するように言い含めておいてくれ。」

『かしこまりました。』

『早く帰っていらしてね!』

それから、日用品や勉強に使うもの、服などの準備をしておくように言って通信は終わった。

「ふぅ…すまないな、マシロ。リーシャはずっと娘がほしいと願い続けていたんだが、5人の息子しか生まれなかったのだ。あちらに行ったら息子達も紹介しよう。」

「大丈夫です。僕が娘になることを喜んでくれるのですから。」

「そうか…お? お前のこちらの世界での父親が到着したようだ。一度意識だけ戻すぞ」

お父さん、来てくれたんだ。良かった。

「はい。」

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