第1話
「なに…? ここ、どこ? バスに乗っていたはずなのに…」
僕はいきなり景色が変わったことに驚いた。
『驚かせて悪かったな。』
どこからか声がするけど、姿が見えない。
「誰…? どこから…? え…?」
「ここだ。私はクイント・アーデム。魔法使いだ。…と、言っても君の世界では魔法は架空の存在だったな。君の名前は?」
何もなかったはずのそこには、先程の謎生物と金髪を後ろに撫で付け、ルビーのような赤い瞳をした男性が居た。
「………はぁ? …真白です。」
わけがわからない。
魔法使い? 君の世界?
突然現れて何言ってんの、このおっさん。
「あの…ここどこですか? 僕、バスに乗ってたはずなんですけど…。」
「おぉ! すまないな。ここはどの世界にも属さない空間だ。君には私のいる世界に来て、私の跡を継いでほしくてここに連れてきた。なに、もし断ってもここに来た記憶がなくなるだけだ。死にはしない。他に質問があれば答えられる範囲で答えよう。」
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