第2話

ますます意味がわからない。

跡を継ぐ? 記憶を消す? 世界に行く?

跡を継ぐのは、まぁわかる。

この人の養子とかになって家とかを継げばいいんだよね?

記憶を消すなんて、頭でも殴って記憶喪失にするとかしか考えられないけど…ここの記憶だけピンポイントに消せるの?

いや、待て。世界に行くってなに。現代にもパラレルワールドの概念はあるし、ライトノベルとかでもよく出てくるし、まぁ異世界ってことだよね? そんな軽いノリで世界って渡れるの? ちょっと海外に引っ越しまーす! みたいな。


…てかなんで僕なの。


…いや、聞いてみないと答えは出ないな。よし。

「継ぐって何を継ぐんですか? あなたの世界ってなんですか? この世界とは違うってこと? そもそも、世界ってそんな簡単に渡れるんですか? ……なんで…僕、なんですか…?」


おじさんは顎に手を当てながら聞いていたと思ったら、笑い始めた。


「はっはっはっ! そんなに急がなくてもここは時間の流れが違うからな。1つずつ答えよう。」


なるほど。時間の流れすら違うわけか。うん。わけがわからない。

とりあえず、質問の答えは聞けそうなので、頷く。


「まず、継ぐのは家と…そうだな。平たく言えば知識だ。」

「知識?」

「そうだ。私には、私の知識や技術を託すことが出来る子供や弟子がいない。皆、魔力量が足りない。」

「魔力量…」

魔法とか魔力とか、まだいまいちピンとこない。

「魔力量については…私の居る世界に来るなら教えよう。」

魔力量はまだ謎のままか…


「次に、世界について。だったか?これは説明しにくいな。『世界』というのはな…今君が居る世界だけでなく、他にも様々な『世界』が存在する。今は、物語に出てくるような、自分が居るのとは違う場所がたくさんあるという認識で良い。」

コクリ、と僕は頷く。

やはり、僕から見たら『異世界』ってことかな。パラレルワールドとは違う時間軸も文明発達も様々な世界。

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