第17話 新たな場所へ

 夜が明け、俺は改めて家の中の整理を始めてた。

 各部屋に荷物を漁り、必要な物を選別していく。幸いここに来てからテムロやシェスタから色々教わったおかげで、どんな用途に使われるものなのかがある程度わかるようになっていた。

 粗方荷物の整理が終わると、もう昼時になっていた。台所に固焼きのパンがあったので残り物の野菜くずのスープを温めて食卓で食べる。

 フッと食事の手を止め自分の胸に手を当てる。

 当てた手に自身の心臓が脈打っている感触が返ってくる。


(この身体に、あの得体のしれない奴が眠っているんだよな・・・・・)


 昨夜の出来事がまるで嘘の様な気分になる。

 漫画やアニメみたいな自分の中に別の何かがいるなんて展開が、まさか自分自身で経験するなんて。


(こいつが何を目的にしているのか知らないが、何とかこいつをどうにかできる方法は無いのか?)


 オグマは『オレの目的の為』と言っていたことから、俺に何かをさせようとしていることは分かる。それが何かは分からないが、このままにしておくと何か取り返しのつかないことになる様な気がして不安だ。


「ハァ・・・・・考えても埒が明かないな」


 現状、手元にある情報が少なすぎてどうしようもない。オグマ本人に情報を得られればいいのだが、素直に喋るとも思えない。


「とにかく、今は明日の出発の準備を進めよう」




         ♢       ♢       ♢        




 荷物を纏め終えたころには昼になり、昼食を手早く済ませた俺は、シェスタの事が気になり、シェスタの家に向かうことにした。

 テムロの家と同じ木造の小さな家が目の前にある。この家にシェスタは一人で住んでいる。

 シェスタのご両親は流行り病でこの世を去ったと、以前カジルおばさんに聞いたことがある。なので、現在はこの家で一人で住んでいるのだ。

 ここに来るまでに村の人から聞いた話だと、シェスタの看病を村の女性陣で交代しながら診ているらしい。

 恐らく今も誰かがシェスタの看病に来ているはずだ。

 扉をノックする。しばらく待つと扉が開き中からコロワが顔を見せた。


「あ、ソウジさん」


「やあ、コロワ。シェスタの見舞いに来たんだけど、今いいかな?」


「はい。どうぞ」


 シェスタの性格が出ているのか、中は綺麗に掃除がされていて、小奇麗にまとめられている。

 花の香りの様などこか甘い匂いが鼻腔をくすぐる。女の子特有の匂いに胸がドキリとするが、首を振って変な考えを追い出す。

 先を歩くコロワについて行くと、一つの部屋の扉を開ける。


「どうぞ」


 コロワに促されて中に入ると、ベッドの上に横になって眠るシェスタがいた。


「シェスタ・・・・・」


 ベッドに近づき声を掛けてみるが、シェスタから反応は返ってこなかった。


「・・・・・・ずっと眠ったままなんです。体の方は何ともないってカジルおばさんは言ってたのに、目を覚ましてくれないんです」


「・・・・・・そうか」


 原因は、判っている。俺のせいだ。

 昨夜、オグマが言っていた、マナを吸収したと。


「もし、このまま目が覚めなかったら・・・・・・・ぐすっ」


「コロワ・・・・・」


 涙ぐむコロワを抱きしめながら背中を摩り落ち着かせる。


「大丈夫だ。きっと直ぐに目を覚まして元気な顔を見せてくれるさ」


「ぐすっ・・・・・はい」


 涙を拭って微笑んだくれたコロワにホッと胸を撫で下す。

 それと同時に、罪悪感が込み上げてくる。


(・・・・・ごめん、コロワ、シャスタ・・・・・オグマが切っ掛けだったとはいえ、俺があんな事さえしなければ・・・・・)


 オグマは言っていた、元々俺の中にあったものだと。

 つまり、俺はシェスタをこんな風にしてやりたかったと、心の中で思っていたと言うこと。


(そんな事・・・・・)


 ない、とは言い切れない。正直シェスタに対して邪な感情が無かったのかと言われると、あったと答えるしかない。

 シャスタは魅力的だ。男なら誰だってそんな魅力的な人を見たら、少しはそんな考えだって浮かんでくる。

 ただ、そんな感情を抱え込み、あまつさえ行動に起こしてしまうなんて、自分で自分を殴り飛ばしてやりたい。




          ♢        ♢        ♢         




 あまり長居しても迷惑になるだろうと、俺は早々にシャスタの家から引き上げることにした。


「あの、ソウジさん・・・・・この村を、出るんですか?」


 玄関まで来ると、見送りに来てくれたコロワがおずおずと聞いてくる。


「なんだ、知ってたのか・・・・・・ああ、俺、ハンターになるよ。だから、明日ハンター組合があるデムローデに行くことになった」


 俺の話を聞いたコロワは、小さい手で俺の服の袖を摘まんで俺を見上げる。


「さよなら・・・・なんですね・・・・・」


「・・・・・ああ」


 さっき拭った涙が再びコロワの瞳を濡れす。

 俺はコロワの頭に手を置き、そっと撫でる。

 膝を曲げてコロワと同じ目線になり、出来る限り優しく話す。


「けど、一生のさよならじゃない。必ず、会いに来るよ。それまでの間、会えないだけだ」


「・・・・・会いに来てくれるんですか?」


「ああ、もちろん!」


 俺が大きく頷くと、コロワは涙を拭って笑ってくれた。


「はい。待ってます!」


 やっぱりコロワは、笑っている顔が一番だと思った。




          ♢        ♢         ♢     




 出発の日、まだ太陽は姿を見せず、徐々に空が明るくなり始めた墓地に、総司は一人でいた。

 総司の傍には昨日、準備しておいた荷物が置いてある。

 出発前にクロード達の墓参りに訪れていた。教会の庭に咲いていた花をいくつか摘んで三人の墓に添える。


「モーガン神父、テムロ、クロード・・・・・・・」


 目を閉じ、三人の顔を思い浮かべる。


「俺、ハンターになるよ。三人が期待してくれているようなハンターになれるかどうかは、正直分からないけど」


 目を開ける。

 三人の墓を映すその瞳の奥には、強い意志の光が宿っていた。


「俺は、俺が出来ることを全力でやってみるよ。だから、見ていてくれ」


 東の地平から陽が昇り、薄闇に包まれていた墓地を照らす。

 総司は自身が身に着けている防具に手を当てる。

 それはクロードとテムロがガヤルに頼んで作ってもらった物だった。


「ありがとな、大切にする」


 そこに込められた思いと願いを確かめる様に、ひと撫でする。


「それじゃあ、行ってくるっ!!」


 地面に置いておいた荷物を持ち、三人の墓を背に、総司は歩き出す。

 これから何が起きるのかと、期待と不安に心を躍らせながら。




       ♢       ♢       ♢         




 総司が墓地からぬらの入り口に戻ると、既にガヤルが待っていた。

 ガヤルの傍には荷馬車があり、馬が二頭繋がれていた。


「・・・・・・来たか」


「お待たせしました」


「ふむ・・・・・準備は出来たみたいだな」


「はい」


 総司が来た方向から大体の事を察したガヤルは頷きをもって答えるだけにとどめた。


「荷物を載せろ。出発するぞ」


「はい」


 荷物を荷台に置き、先に御者台に乗ったガヤルの隣りに座ろうと台に足を掛けた時、遠くから総司を呼ぶ声が耳に届いた。


「ソウジさん!」


「コロワ?」


 見るとコロワと教会に来ていた子供達、カジルにコークまで走ってくる。

 その手には何やら荷物が抱えられている。

 息を切らして総司の元に辿り着いた皆が持っていた荷物を総司に手渡す。


「これ、うちで作った保存食。持って行ってくれ」


 コークが保存食の入った麻袋を渡してくる。


「え?」


「こっちは軟膏、傷薬に包帯だよ。待って行きな」


 カジルが救急箱の様な箱を押し付ける。


「え?え?」


「ほらよ。果物ナイフだけど、無いよりましだろ?」


「これこれ、これあげる!」


「ちょ、お、お前らっ!」


 子供達が次々に総司に持ってきたものを渡していく。

 気が付けば総司の両腕にはたくさんの物で溢れていた。

 そして――――


「元気でな」


「しっかりやんなさい!」


「がんばれ、ソウジおにいちゃん!」


「情けない真似だけはすんなよな!」


 集まった皆が、村を去り行く総司に言葉を投げかけていく。


「みんな・・・・・」


 皆の中から一人、コロワが総司の前に歩み出た。


「コロワ・・・・・」


 コロワは何も言わず、手に持っていたものを総司に差し出した。


「これは?」


 受け取ってみると、鳥と太陽が掘られていた手の平に乗る程の小さな木の板だった。


「旅の安全と、幸運のシンボルです。お守りに」


 よく見ると、掘られている鳥と太陽は形が少々歪になっている。

 コロワの手を見ると、傷の手当をした跡が残っている。


「これ、コロワが?」


 こくんと小さくうなずくコロワの顔は赤くなっていた。


「・・・・・・ありがとう、大事にするよ」


「また、来てくれるんですよね?」


「昨日も言ったろ?必ず来るよ」


「・・・・・・はい!」


 最後にコロワの頭を撫でて総司はガヤルが待つ荷馬車に乗り込む。


「行くぞ?」


「はい」


 パチンッ!と手綱を振ると、馬が荷台を引きながら動き出す。

 総司は身を乗り出して大声で叫ぶ。


「ありがとう、皆!またなッ!!」


 大きく手を振ると、村の入り口に集まった皆が大きく手を振り返してくれる。

 それを見ながら瞳から込み上げてくるものをそっと手で拭いながら、小さくなって見えなくなるまで、手を振り続けた。




           ♢       ♢       ♢      




 ノザル村を出発して三日、予定の半分ほどを踏破した総司達は、街道から少し外れた草原で野宿の準備をしていた。


「もう少しで日も暮れる、早めに野宿の準備をしておくぞ」


「俺、そこの森まで行って薪を拾ってきます」


「おう。ついでに木の実でも取ってきてくれ」


 ガヤルを残し、総司は少し歩けばある森に向けて歩き始める。

 森に入ると早速そこら辺の地面に落ちている枯れ枝などを集めていく。ついでに木の実や、食べられる野草なども探す。

 暫く探していると、いくつかの木の実と野草、それと木苺を見つけた。


「テムロから教えてもらった狩りの知識が役に立ったな」


 ノザル村にいた時にテムロの狩りの仕事を手伝う時があった。その際に森の中にある食べられる野草などの目利きを教えてもらったのだ。


「さて、これぐらいあれば十分か」


 ガヤルの元に帰ろうと足を動かしたその時、背後からガサッと草を踏む音が聞こえた。


「!」


 振り返ると、そこには狼の様な獣が三体、グルグルと唸りながら総司を威嚇している。


「こいつら、狼・・・・じゃない、なんだあの角」


 獣の外見は狼に似ているが、その頭に一本の角が生えていた。


「魔物ってやつか?」


 総司は知らない事だが、この獣の正体ホーンデットウルフと言う魔物だ。

 普通の狼とは違い、足の速さが段違いだ。加えて頭から突き出ている角からは微力ながら雷を纏って攻撃もしてくる。

 ホーンデットウルフは総司を囲む様にじりじりと移動して、逃がさないと言う意思をみせる。


「・・・・・・・逃がしてくれない、か」


 持っていた枯れ枝や木の実を地面に置き、構える。


(三体、か。やれるか?)


 闘気を練り上げ、強化法を発動。それと同時に正面で唸っていたホーンデットウルフが勢いよく跳びかかる。


「っ!!」


 それを右にステップを踏んで回避。避けた先に右に移動していた別のホーンデットウルフが襲い掛かる。


「フッ!」


 タイミングを合わせて上体を捻り、跳びかかってきたホーンデットウルフの脇腹に拳を叩きこむ。


「ギャンっ!」


 短い悲鳴を漏らしてそのまま近くの木の幹に激突して動かなくなる。


「よし!」


(あの赤蜘蛛の連中よりも早いが、対処できないわけじゃない!)


 クロードに課せられた複数人を想定してのアノ地味な訓練が実を結んだ形となった。


「残り二体!」


 残りを仕留めようと振り返ると、その残り二体が同時に襲い掛かってきた。


「うおっ!」


 横に飛んで地面を転がる様に回避、反撃しようと立ち上がろうとするが、それよりも早くホーンデットウルフが総司を襲う。


「くそ!」


 悪態をついて更に転がる。また立ち上がろうとしたところにホーンデットウルフが襲い掛かるが、総司はバク転をする要領で襲ってくるホーンデットウルフの顎を蹴り上げる。

 蹴られたホーンデットウルフは地面に落ちてピクピク痙攣する。


「残り一!」


 最後のホーンデットウルフを仕留めようと立ち上がり前を見ると・・・・・・


「何だよそれ・・・・・」


 ホーンデットウルフの頭に生えている角が青白く光り、そこから小さく紫電がバチバチと鳴っている

 身体を低く唸りながら突撃態勢に入るホーンデットウルフ。

 対し総司は角から放たれる紫電に怯み、一歩後退する。


「っ!!」


 それを合図にホーンデットウルフが総司目掛けて疾走する。


「はやっ!」


 その速さは先程までよりも速さが増している。


「うわっ!」


 ギリギリで回避した総司は地面を転がりながらホーンデットウルフが通り過ぎた先を見ると・・・・・


「嘘だろ・・・・・」


 木の幹に当たったのか、幹の右半分が抉られている。抉られてバランスを崩した木が派手な音を立てて倒れる。


「こんなの、どう相手しろって言うんだよ」


 その威力にたじろぐ総司目掛けて、倒れた木の陰からホーンデットウルフが襲い掛かる。


「くっ!」


 反射的に腕を交差させて身を守る。そこに紫電を纏った角が激突する。


「がっ!」


 余りの衝撃に総司は吹き飛ばされる。


「っ~!!」


 だが、幸いに総司は無事だった。本来なら先程の幹と同じように腕を抉ら、その胸にホーンデットウルフの角が突き刺さっているはずだった。


「ガヤルさんの手甲に感謝だな」


 そう、総司が無事だったのはガヤル特注の手甲のおかげだった。

 名工と言われていたガヤルの防具はそんじゃそこらの防具とは出来が違った。

 その手甲に感謝しながら総司は立ち上がる。だが無事だったからと言ってこの状況をどうにかする手立ては思いつかない。


(どうする・・・・・)


『こんな雑魚に苦戦していてどうする?』


 焦る総司の頭に声が響いた。


「オグマ!」


『なんなら、また力を貸してやろうか?』


「ふざけ――――――」


 突然のオグマの干渉に気を取られていると、咆哮を上げながら再びホーンデットウルフが突っ込んできた。


「このっ!」


 今度は手甲で逸らすように角をやり過ごし回避する。そのまま距離を取り、ホーンデットウルフは再突入の機会を窺うように四肢を張る。


(くそ!避けることが出来ても攻撃できなきゃ意味が無い!)


 相手の動きが速すぎて防ぐのがやっと、攻撃に移る時には既に相手との距離が開いて攻撃することが出来ない。


『力を使った方が簡単にカタが付くぞ?』


「お前の力なんているか!」


 力を借りれば教会で起きた時のように自分の意志が暴走するのではないかと恐れて拒絶する。

 総司が力を使わないと分かるとオグマはやれやれと溜息をつく。


『・・・・・なら、今から教えることをよく聞け』




        ♢       ♢       ♢         




 ホーンデットウルフは慎重に目の前の獲物を観察していた。

 本来は群れで獲物を仕留めるが、相手が思った以上に手練れだった。

 おかげで仲間が減ってしまったと怒りが込み上げてくる。

 ホーンデットウルフにとっての最後の切り札とも言うべき角を使う羽目になることもイラ立ちを更に掻き立てる。

 しかし、そう長くは持たないと判断する。目の前の獲物は自分のスピードについてくるのがやっとと言った感じだ。

 攻撃それたとしても、相手のスピードではこちらを捉えることは出来ないと、内心ほくそ笑む。

 相手も疲労が見える。次で仕留めようと四肢に力を溜める。

 力が十分に溜まった瞬間に地を蹴る。一直線に獲物に向けて疾駆する。

 この一撃で終わり、と思った瞬間、あと少しで届くと言う距離で、目の前の獲物が消え失せた。


「!」


 消えた!と思った瞬間、凄まじい衝撃が自分の身体を貫いた。


「!!」


 そのまま真横に吹き飛ばされ、木に盛大に激突する。

 それと同時に全身から骨が砕ける音が響き、身体から力が抜ける。

 意識が途切れる寸前、ホーンデットウルフが最後に見たのは、拳を突き出した相手がそこにいる姿だった。




          ♢        ♢        ♢         




『上手くいったようだな』


 オグマから教えられたのは、教会でデップに接近する時に使った技だった。

 あの時はクロードが使った技を、半ば本能で使ったみたいなものだったから、はっきり言ってあの技の理屈何て分からなかった。

 それをオグマが俺に教えることで、使い方が分かったわけだ。まあ、ぶっつけ本番で出来たのは奇跡みたいなもんだが。


『一度使って感覚が体で覚えていたのが幸いしたな』


「そうかよ」


 しかし、助かった。あのままなら何もできずに死んでいたところだ。

 こいつに感謝はしないが。


『力を借りるつもりが無いのなら、せめてこんな雑魚に苦戦するな。もっと力をつけろ』


「大きなお世話だ、たっく!」


 それ以降、オグマは再び眠りについたのか、こちらの声に応えることはなかった。




          ♢        ♢         ♢        




 地面に置いておいた枝などを抱えて、ついでに狼モドキの一匹を引きずりながらガヤルさんの元に戻る。

 戻ったころには日は沈み夜になっていた。歩いてくる俺を見つけたガヤルさんは血相を掻いて詰め寄ってきた。


「ソウジ!お前一体何をしたんだ!」


「お、落ち着いて」


「あんなデカい音が森から聞こえてきて落ち着いて居られるか!」


「いや~・・・・・・・実は―――――」


 俺はガヤルさんに森で起きたことを話した。するとガヤルさんは大きなため息をついた。


「それでそんな恰好な訳か」


「はは・・・・・そう言う事です」


 攻撃を避けるために地面に転がったり、あの角の攻撃を受け止めたりしたおかげで全身みっともなく汚れている。


「せっかく貰った物なのに、すみません」


「ふん、そんなもん、また直すなり作るなりすればいいだけの話だ」


 そう言って俺のいない間に熾しておいた焚火の前にどかりと座る。


「・・・・・・・飯の準備は出来とる。さっさと座って飯にするぞ・・・・・お前も疲れて腹が減っているだろう?」


 ぶっきらぼうに言うガヤルさんに苦笑しつつ、俺も焚火の傍に腰を下ろす。


「ありがとうございます、ガヤルさん」


「ふんっ!」


 その後はガヤルさんが用意してくれた食事を食べ、交代で火の番をし、陽が昇るころには再び荷馬車に乗り込み出発する。

 俺達がデムローデの街に着いたのは、それから四日後の事だった。

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