第46-2(13)話:生徒会長
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剣技大会の翌日の水曜日。今日は放課後、ソフィアたちと遊びに行く約束している。
最初はソフィアとミリアと3人で出掛ける予定だったけど。ソフィアがサーシャを誘って、ジークも一緒に来ることになった。まあ、婚約者のサーシャがいるんだからな。ジークが来るのは当然だろう。
だけどこのメンバーなら、エリクも来そうなものだけど。エリクは他に用事があるらしい。
まあ、昨日捕まえた『
放課後は時間が取られることが解っているから、午前中の授業をサボって、朝から
ソロで『太古の神々の砦』を攻略するのも、だいぶ慣れて来たから。高速戦闘で時間を短縮できるようになった。今は浅い階層なら1時間くらいで攻略できる。
このまま順調に行けば、今月中には『太古の神々の砦』を完全攻略できるかも知れない。
まあ、ソロで油断したら死に直結するからな。俺なりに慎重に戦うけど。
昼過ぎに学院に登校して、学食に直行する。
「「「「「アリウス様!!!」」」」」
廊下を歩いているうちから、女子たちの黄色い声がする。
「あいつ、昨日1年生で優勝したアリウスじゃないか?」
「おい、相手は侯爵家の子息だから。アリウス卿って呼べよ」
剣術大会のせいで、上級生の男子も俺に注目しているみたいで。集まる視線と黄色い声が、さらにウザくなった。
俺は全部無視してランチプレートを受け取ると、適当な席に座る。
「アリウス。この時間に登校なんて、また授業をサボったんでしょう」
昼飯を食べ始めると。ミリアが近づいて来て、開口一番に言う。
なんで午前中の授業をサボったことを知っているのかと思ったから、ミリアは俺に用があって教室に行ったそうだ。
「それで。ミリアは俺に何の用があるんだよ?」
「放課後は遊びに行くだから、私服で来なさいって伝えたかったのよ。アリウスのことだから、制服のまま来そうじゃない」
その通りで。ミリアに言われなかったら、制服で行くつもりだったけど。
「そんなこと『
遊びに行く約束をしたときに、ミリアとソフィアとはお互いに『伝言』を登録済みだからな。
「それは……昨日の襲撃事件の後、アリウスに会えなかったから。ちょっと心配してたってのもあるわよ」
ミリアは恥ずかしそうに目を逸らす。剣技大会が終わって生徒たちが解散した後、俺はエリクとサロンで話していたからな。
「アリウスが強いことは強いことは解っているわよ。だけど1人で襲撃犯を捕まて、怪我でもしていたらって……」
「ミリアはアリウスのことを凄く心配していたんだから。アリウスも自分が無茶をしたことを、少しは反省した方が良いわね」
割り込んできたソフィアが、悪戯っぽい笑みを浮かべる。
「ちょっと、ソフィア。私はそこまで心配なんてしていないわよ!」
「そうね。そういうことにしておくわ」
ミリアとソフィアは本当に仲が良いよな。
「ミリア、心配させて悪かったよ。ソフィアもな。お詫びってことで、遊びに行ったときに何か奢るからさ」
「アリウス、約束したからね。特大のパフェを奢って貰うわよ」
「私は……考えておくわ」
午前中に『太古の神々の砦』を攻略して、いつもよりも腹が減っていたから。昼休みの時間一杯、何度もお代わりをして。ランチのプレートを5人分平らげる。
「アリウスはホント、良く食べるわね。そう言えば、サーシャが言っていたけど。サーシャのお兄さん、生徒会長のレイモンド先輩がアリウスに話があるみたいよ」
「レイモンド先輩が俺に? 全然心当たりがないんだけど」
レイモンド・ブランカードには、俺が学院入学してから社交界に出るようになって、何度か顔を合わせてことがあるけど。それ以外に面識はないからな。
「サーシャも一緒に出掛けるんだし。サーシャに訊いてみたら?」
俺もそのつもりだったんだけど。
「アリウス・ジルベルトに用があるだが。呼んでくれないか?」
午後の最初の授業が終わると。休み時間に、レイモンド・ブランカードが俺の教室にやって来た。
※ ※ ※ ※
ピンクゴールドの髪と、水色の瞳のアニメチックなイケメン。2年生の現生徒会長レイモンド・ブランカードは、エリクとラグナスに軽く挨拶してから、俺と一緒に廊下に出る。
レイモンドは2年生だけど、エリクは王子でラグナスはクロフォード公爵の息子だからな。学院の生徒に身分は関係ない筈だけど。その辺は弁えているって感じだ。
「アリウス、休み時間に呼び出して悪いな。昨日の剣技大会では、大活躍だったじゃないか。1年生が優勝するなんて、前代未聞のことだぞ」
何か企んでいるんじゃなくて、素直に褒めている感じだけど。
「それでレイモンド先輩は、俺に何のようがあるんだよ?」
こんなことを言うために、俺を呼び出した訳じゃないだろう。
賞賛を
「いきなりの話で申し訳ないが、君は生徒会に興味はないか?」
本当にいきなりの話だな。
「いや、レイモンド先輩。俺はそういうの全然興味ないから。他を当たってくれよ」
「まあ、そう言わないでくれ。生徒会も人材不足でね」
「だったらエリクやジークを誘った方が良いんじゃないか?」
「……噂では聞いていたけど。君はエリク殿下とジーク殿下を、本当に呼び捨てにするんだな。勿論、2人にも声を掛けるつもりだ」
俺は社交界に出るようになったけど、そこまで頻繁じゃないし。顔を出しても長居する訳じゃないから、俺とエリクやジークが話しているところを見たことがないのか。
「とりあえず、今度話をする時間を作ってくれないか。君は私の妹のサーシャとも付き合いがあるんだろう。サーシャの顔を立てると思って」
「レイモンド先輩。悪いけど、そういう誘い方は好きじゃないから。断らせて貰うよ」
レイモンドも悪い奴じゃないと思うけど。ちょっと強引だよな。
「解った。今日のところは引き下がるけど、私は諦めないからね」
レイモンドはそう言うと、帰って行く。
ゲームの『
ゲームではジークルートで、それなりに登場するのと。昨日の剣術大会では、レイモンドが優勝するけど。役職と活躍の割には、イマイチ印象に残っていない。
普通に真面目で、普通にイケメンだから。ゲームだと良くも悪くも、印象に残らないんだろう。
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