第493話
アイシクルドラゴンが洞窟から出て来る前に、ハルトたちは全員がミルクに騎乗すると洞窟の入り口から距離をどんどん取って行った。
「これだけ離れていれば充分でしょう。ハルト、出て来たアイシクルドラゴンにその匂いを貯めた空気を嗅がせてください。そうすればこの匂いが私たちだとアイシクルドラゴンが思ってくれるはずです。」
「ああ、作戦通りにやるよ!」
世界樹の棒をアイシクルドラゴンへと向かって振るい、先ほど集めた焼いた肉の匂いをアイシクルドラゴンへと向けて放った。
すると、美味しそうな匂いに釣られて洞窟の中から出て来たアイシクルドラゴンが、匂いの元を発見したとハルトたちを見て来て咆哮を上げる。
「クォオオオオオォォオオオーーーーーーーン!!!!!!」
血走った目でハルトたちを見ているアイシクルドラゴンは、先ほどまでの美味しそうな匂いの元を奪ったのはハルトたちだと思い込んで襲い掛かって来た。
積もっている雪原の雪を蹴り飛ばしながらアイシクルドラゴンはハルトたちを追って、自身の棲家である洞窟の魔力の源泉からどんどんと距離が離れていく。
そして、離れた位置でこちらに向かって来るアイシクルドラゴンの迎撃準備を終わらせたハルトたちは、アイシクルドラゴンが向かって来るのを待ち構えていた。
「アイシクルドラゴンがブレス攻撃を準備しています!氷柱ブレスが来ますよ!」
ハルトたちの元へと向かいながらアイシクルドラゴンは魔力を高めて口元に高魔力反応を感じ取れる。
氷柱ブレスがどれほどの規模と威力なのかを事前にナビィから教えて貰い、イメージとしても送られたので知っているハルトたちは氷柱ブレスの迎撃を行なう為に氷柱ブレスの攻撃の瞬間を待つ。
「来ます!!」
アイシクルドラゴンが立ち止まると、大きな口を開けてハルトたちに向かって氷柱ブレスを吐き出した。
大小様々な鋭く尖った氷柱が氷属性の魔力と共に吐き出されると、ハルトたちは自身に向かって来る氷柱ブレスの迎撃を行なっていく。
氷柱ブレスの迎撃はコッコロの卵爆弾の衝撃と爆風で大半は吹き飛ばし、それでもまだハルトたちへと向かって来ている氷柱ブレスはハルトとヒスイとミルクが土魔法で壁を作り出して防いだ。
氷属性魔力の奔流が感じられなくなると、ハルトたちは前方に作り出した土壁を一本の腕の形に変形させると、巨大な土の腕が作り出される。
その大きな土の腕は氷柱ブレスを使用後すぐにこちらに向かって来ているアイシクルドラゴンを捕縛するのに使用される予定だ。
そして現にこちらに向かって来ていたアイシクルドラゴンは、大きな土の腕の拳で顔面を殴られると、手のひらを開いた巨大な土の腕はアイシクルドラゴンの首を掴んで締め上げていく。
首を絞められて苦しみ暴れるアイシクルドラゴンに、今度はこちらから向かってハルトたちは接近する。
そうして接近したハルトたちは、暴れた結果、巨大な土の腕を破壊したアイシクルドラゴンへと攻撃を開始した。
アイシクルドラゴンへと接近したハルトは跳躍しながら世界樹の棒を振るい、ヒスイとコッコロもハルトの隣で飛び上がり、ヒスイは大量の触手で、コッコロは蹴りで、アイシクルドラゴンの顎を打ち上げる。
アイシクルドラゴンが頭部を上半身とともに上空へと向けると、ミルクが凄い勢いでアイシクルドラゴンに突撃しながら頭突きを食らわせた。
上半身が浮いた事でガラ空きになったアイシクルドラゴンの腹部に頭突きをミルクが食らわせると、アイシクルドラゴンは今度はくの字に身体を曲げてしまう。
そして上空を結界の足場で駆け上がったナビィと、地上を飛び跳ねながら移動していたプルンが、アイシクルドラゴンに攻撃を仕掛けた。
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