第489話
ホーンブリザードウルフが倒された事で、最初のモンスターの集団は全てヒスイに倒されるのだった。
「次はプルンだな。ヒスイのところまで行って交代する事を伝えて来てくれ。」
『うん!分かったー!伝えてくるねー!』
ピョンピョンと跳ねながらヒスイの元に向かって行くのを見送る。
「ハルト、私はホーンブリザードウルフを回収して来ます。」
「気付かれない様に気を付けてな、ナビィ。」
「はい。」
ナビィが幾つかの魔法とスキルを駆使して姿を魔力や気配と共に隠すと、すぐに雪山の頂上付近から飛び降りて雪山の中腹へと向かって行く。
ナビィが飛び降りて少ししてプルンと交代したヒスイがやって来る。
『まだまだやれたよ!』
「まあ、そうだろうけどさ。それだと一日中ヒスイが戦えるだろ?」
『むぅ!そうだけどさ!』
まだまだ戦いたそうにしているヒスイを落ち着くようにムニムニと撫でて落ち着かせる。
ヒスイが落ち着く様に撫でていると、コッコロとミルクも撫でて貰いたいのか、ハルトの身体を嘴や鼻先で突いて来た。
そんな追加されたコッコロとミルクも追 撫で回していると、いつの間にかナビィがホーンブリザードウルフを回収して戻って来ていた。
「いつからそこに?」
「先ほど戻って来ました。それよりも追加のモンスターがやって来ますよ。」
「本当か?…………ッ!確かにそうだな。」
先ほどの一回目よりも多い数のモンスターがこちらに向かって来ているのを感じ取った。
その数は百匹を超えており、現れるモンスターの種類も多種多様だ。
「ナビィ、珍しいモンスターはいるか?」
「見た感じはいませんね。」
「それなら倒し方を気にしなくても構わないな。プルンに念話で伝えるか。」
今回は回収するべきモンスターがいない事から、ハルトは念話を使ってプルンに倒したモンスターを回収しないから好きに倒しても構わない事を伝えた。
『分かったー!切り刻んで倒しちゃおーっと!!』
そうしてプルンに伝えた結果、プルンは隠していた姿を露わにして自身のアイテムボックスからたくさんの剣を取り出して触手に持たせ始める。
『じゃあー、倒してくるねー!』
取り出した全ての剣にスキル魔力刃を発動して剣に魔力を纏わせると、プルンは魔力の刃を巨大化させて雪山の中腹や麓に集まってくるモンスターの群れに向かって斬撃を飛ばしていく。
二十本以上ある魔力の斬撃が飛ばされて行き、雪山の積もっている雪や山肌をモンスターの群れと一緒に切り裂いて行った。
かなりの数のモンスターが斬撃で切り刻まれて倒して行くが、突如地面に揺れが起こり始める。
「これって雪崩れが起きるのか?!」
「プルンはやり過ぎてしまった様ですね。どう戦うのかの制限は付けておくべきでしたよ、ハルト。」
「うっ、そうだな。ここまで順調だったから、ちょっと調子に乗り過ぎた。それよりも雪崩の影響はここまであると思うか?揺れがどんどん強くなって来てるけど?」
「上空に逃げれば問題ないですよ。プルンを呼び戻して来てください。」
「分かった。プルン!こっちに戻って来い!!」
戻ってくる様にハルトが行っている間に、ヒスイやコッコロはミルクの上に乗って結界を足場にして上空へと避難を開始した。
ハルトも結界の足場を幾つか作り出すと、結界の足場にいつでも飛び乗れる様にしながらプルンが戻って来るのを待つ。
そうしてプルンがハルトとナビィの元に戻って来てすぐに、雪山の揺れが最大になり、雪山の山頂付近から麓までの雪が一気に動き出した。
「ナビィ、プルン、行くぞ!」
「はい。この場所もあと少しで危ないですからね。」
『危なかったー!でもー、ちょーっと楽しいかもー?』
結界の足場を飛び跳ねながら駆け上がって行き、上空のヒスイたちとハルトたちは合流した。
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