第485話

 スノーマンジェネラルとスノーマンジェネラルが率いていたスノーマンたちを倒したハルトとナビィは、倒したスノーマンジェネラルとスノーマンたちをアイテムボックスに収納している間に、近寄って来たヒスイたちと合流して雪山の探索に戻った。


 そうして雪山を登っていると、雪が積もっているが岩肌が目立つ急勾配の崖までたどり着く。


 「少し待ってください。」


 「ナビィ、どうした?」


 いきなりナビィが立ち止まった事で、ハルトたちも歩みを止めてナビィの方を見る。


 『何かあるの?』


 『分からないー!教えてー!教えてー!』


 何があるのかとヒスイとプルンがナビィが見つめている崖を探しているが、それが分からずナビィの周りをピョンピョンと跳ねている。


 そんな二匹の様子をほっこりとした気持ちで眺めていたが、ナビィが話し始めると、ハルトたちはナビィが示した場所を確認する。


 「この場所に温度が低い場所にある特殊な鉱物があります。少し採掘しておきたいです。」


 「そうか。何に使うのか分からないけど、必要なら採掘しよう。みんなもそれで良いよな?」


 ハルトはヒスイたちに確認すると採掘しても構わないそうだ。だが、ハルトとナビィが採掘している間、ヒスイたちが暇になるだろうからと、ハルトはヒスイたちにあたりの探索をしても良いと許可を出した。


 「良かったのですか?」


 「まあ、冒険者もここまで探索している人は今は居ないだろうから大丈夫だろ。」


 スタンピードもあった事だし、もしラマーリャ山脈に冒険者が居たとしても、もうスタンピードで死んでいる可能性が高いし、例え生きていてもヒスイたちには敵わないだろう。


 「それもそうですね。では採掘を始めましょう。ここから取れる鉱物を精製した金属を使えばゴーレムの冷却機能をもっと効率的に出来ますからね。」


 「他にも魔力砲の威力や連射性能を上げられそうだな。」


 魔力砲も最大で発射すれば冷却しないといけないし、砲身を冷やさずに無理矢理に放てば融解もするからな。冷却機能が搭載されれば、それも解決しそうだ。


 「ええ、その通りです。それに火属性の世界樹の迷宮を攻略する時にも氷属性の素材は役に立ちますからね。他にも温度の低い場所のみで採取可能な素材も集めておきたですね。」


 「でもラマーリャ山脈を越えるまでに手に入らなかったら、諦めてくれよ。」


 魔境ラマーリャ山脈の範囲はかなり広大な為、全てを隈なく探索しようと思えば、ハルトたちでも一年以上は掛かりそうなほど広い場所だ。


 そんなラマーリャ山脈を通り過ぎるだけでも最短で一ヶ月以上は掛かるが、ハルトたちの予定では来年の三月終わりまでにはラマーリャ山脈を出る予定になっている。


 その予定まではゆっくりとハルトたちはラマーリャ山脈を探索しようと思っている。


 「採掘用のゴーレムを出してください。」


 「ああ、分かった。でも、俺たちはどうするんだ?」


 「もちろん採掘しますよ。ですが、この場所は少し危険なので、ここの場所から少し離れた場所ですけどね。」


 ナビィの話を聞きながら、ハルトはアイテムボックスに仕舞っていた採掘用のゴーレムを全て取り出して、ナビィと一緒に採掘用ゴーレムたちを起動していく。


 そうして採掘用ゴーレムの起動を全て終わらせると、ハルトたちはこの場の採掘ポイントを採掘用ゴーレムたちに任せて、他にもある採掘ポイントの元へと向かって行った。


 「ここは分かりやすいな。こんなに目立ってれば俺でも簡単に分かるな。」


 「採掘用ゴーレムたちが採掘している場所は表面には表れていませんでしたからね。採掘しますよ。」


 崖の岩肌に目立つ様に青白い鉱石だと一目で分かる場所に向かって、ハルトとナビィは採掘用のツルハシを崖の岩肌に打ち付けていく。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る