第483話

 積もった雪の上を軽快に移動するユキヒョウにプルンが向かうと、ユキヒョウも自身の居場所を気付かれていると理解したのか、一気に距離を詰める為に走り出した。


 駆け出したユキヒョウへと向かって、プルンはピョンッと一度跳ねると、ユキヒョウのすぐ側を通り過ぎる瞬間に剣を振るってユキヒョウの首を切り裂いた。


 両断されたユキヒョウの頭と頭から下の胴体が雪の上に落下すると、ユキヒョウは雪の中に沈んで行き、雪をユキヒョウの血液で赤く染めていく。


 赤くなっていく雪の中からプルンはユキヒョウの頭と胴体をアイテムボックスに回収すると、こちらに向かって来るハルトたちの元に向かって飛び跳ねる。


 「まだ余裕そうだな。」


 「レベル百もないモンスターですからね。ラマーリャ山脈も奥の方へと向かえば、最高で百レベルを超えるモンスターも数匹だけだけど現れますよ。」


 「百レベル超えのモンスターが居るのか。そんなのが人里に降りてきたら大惨事になるだろうな。それと、こちらにモンスターが向かって来ている様です。」


 モンスター接近の報告を受けたハルトは、ナビィからモンスターが来る方向を教えて貰うと、教えて貰った方向へと向かって感知系スキルを集中して向ける。


 「確かに来るな。数は五匹か?」


 「そうです。次はコッコロですね。卵爆弾は雪崩を起こしますから禁止ですよ。」


 『分かってるわぁ。爆発を起こせないからさっさと倒してくるわねぇ。』


 コッコロは翼を広げると、視覚で確認出来るほどまで接近して来た白い猿のモンスターへと向かって飛び立った。


 「ナビィ、あのモンスターは?」


 「大雪猿ですね。原始的な武器を使ってくる猿のモンスターです。」


 こちらに接近して来る大雪猿の群れが手に持つ武器は石斧や棍棒などの簡単な作りをしている武器を持っている。


 あの武器から繰り出される攻撃がどれほどのものなのかは分からないが、ハルトたちには攻撃を当てる事は出来ないだろう。


 現に飛行して接近したコッコロに周囲の雪を氷魔法まで使って固めて作った雪玉を投擲しているが、コッコロに一つも当たらずに接近を許してしまっている。


 そうして接近したコッコロが翼や足を使って大雪猿を切り裂いたり、蹴りを食らわせているが、大雪猿からの攻撃は一つもコッコロに命中しない。


 一分も経たずに戦闘を終わらせたコッコロが、大雪猿と大雪猿が使っていた武器をアイテムボックスに回収して戻ってくると、すぐにハルトたちは雪山を登り始める。


 それからもハルトたちはラマーリャ山脈の雪山を進んで行き、現れるモンスターを倒しながら進んでいると、上空を飛びながらハルトたちに向かってくるモンスターを確認する。


 「あれはスノーワイバーンですね。」


 「ブリザードワイバーンの下位種か。ミルク、相手は空を飛んでるけど勝てるな。」


 『問題なく勝てますモー!!』


 ハルトたちを狙って急降下しようとしているスノーワイバーンに向かって、ミルクは結界魔法で足場を作ってスノーワイバーンへと向かって行く。


 空中を駆け出して接近するミルクにスノーワイバーンは驚いた様子を見せるが、すぐに接近して来るミルクに対して突撃攻撃を仕掛けて来た。


 そんな自身に突撃して来るスノーワイバーンに対して、ミルクも同じ様にスノーワイバーンへと向かって突撃して行く。


 スノーワイバーンとの距離が近付いて行くと、スノーワイバーンが空中で一回転して尻尾をミルクに叩き付けようとするなか、ミルクは更に加速して、スノーワイバーンの尻尾がミルクに命中する前に頭突きをスノーワイバーンに食らわせる。


 ミルクの頭突きがスノーワイバーンに命中して起こった衝撃音が、地上のハルトたちの元まで届くほどの一撃がスノーワイバーンに命中して、スノーワイバーンはミルクの頭突きの一撃で倒されるのだった。

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