第461話
「まさか儂の代でアースドラゴンを倒す者が現れるとはのぅ。ハルトお前さん、アースドラゴンの倒し方は流石に教えてはくれないじゃろ?」
「流石にそれは教えられない。切り札とかもあるからな。」
「まあ、それでもかなりの情報を得られて満足じゃわい。Sランクには流石に出来んが、Sランクへの推薦状は出しておこう。少し待っていなさい。」
ギルド長のガエルがSランクへの推薦状を書いている間、獣牙戦闘団団長のジギルにハルトは質問攻めにあっていた。
どうやら今度は獣牙戦闘団がアースドラゴンに勝利したいらしい。
そんなジギルにアースドラゴンの攻撃方法は教えるが、流石にどうやって対処したのかまでは教えられない。
そうやってジギルに質問攻めにあっている間に、ギルドののガエルがSランクへの推薦状を書き上げて持ってきた。
「待たせたの。これが推薦状じゃ。」
「ありがとうございます。」
Sランクへの推薦状を受け取ったハルトは、すぐに無くさない様にアイテムボックスに仕舞う。
「ハルト、お前さんに依頼があるのじゃが、この依頼を受けて欲しい。」
「受けるかどうかは話を聞いてからでも良いですか?」
「もちろんじゃ。依頼はアースドラゴンの素材を王都の冒険者ギルドに持って行く事じゃ。どうかの?」
王都にアースドラゴンの素材を運ぶ事か、次の目標は火の世界樹の木に向かう事だけど、それは急がなくても逃げないし、この依頼を受けても問題はないだろう。
「分かりました。受けます。でも、それならアースドラゴンの素材はどうしたら良いですか?」
「一度このイガルマの冒険者ギルドで確認したい。明日冒険者ギルドに来てくれるかの?」
「そうですか。分かりました。」
そうしてギルド長室に居る面々でアースドラゴンの素材を出す為に解体場へと向かう事になった。
そして解体場に着くと、解体場の人払いが済まされた場所でハルトはアイテムボックスからアースドラゴンの素材を取り出して行く。
「ほう、凄いもんじゃの。」
「牙がデカいな!」
アースドラゴンの骨、爪、鱗、甲殻の四つをアイテムボックスから取り出すと、ギルド長のガエルも獣牙戦闘団団長のジギルもアースドラゴンの素材に興味津々な様だった。
「これで冒険者ギルドに納品するアースドラゴンの素材は全部です。」
「明日までしっかり管理しておこう。五十一階層以降のモンスター素材と採取素材も頼む。」
「分かりました。」
そうして五十一階層から六十階層までのモンスター素材や採取素材も取り出して行った。
ちなみに今回冒険者ギルドに納品した素材は全て冒険者ギルド側からの依頼として処理される事になっており、久しぶりに依頼を達成した為、これで数年は依頼を受けない状態になっても問題なくなった。
冒険者ギルドでの用事はこれで終わると、ハルトは最後にギルド長たちと話を行なって今日の宿を取る為に冒険者ギルドを後にした。
馬車や大型の従魔たちが待機されている場所へ向かう。すると、ナビィやヒスイたち従魔を囲む人集りが出来ていた。
「ナビィ、みんなを連れて来てくれ。」
「分かりました。ミルク、行きますよ。」
「モーー!」
ナビィにこっちに来る様に言うと、すぐにナビィは動き出してミルクとミルクの背中に乗っかっているヒスイたちを連れてこちらに向かって来る。
そんなナビィの様子に周りで囲んでいた面々がこちらを睨み付けて文句を言い始める。
どうやらこの人集りはナビィの事を口説いていた連中の様で、それをハルトに取られたと思っている様だった。
ここでも絡まれるのかと苛ついたハルトはピンポイントで加減した威圧スキルをナビィを囲んでいた一団に放つ。
すると、このナビィをナンパしていた一団は腰を抜かしてへたり込むと、全員が失禁や脱糞をして辺りには悪臭が漂い始めるのだった。
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